夕方、母が家電のほうに電話してきて、
「あたしゃ、困ったことに、急に、目が見えんようになった」。
いきなり真っ暗闇になったのか、脳血管障害か何か!?
とびっくりしたが、そういうことではなく、
急にものが見えにくくなったと感じる、とのことだった。
家具の配置などはわかる、人の顔もわかる、カレンダーの数字も読める。
しかし、本を読んだりメモを書いたりはできないような気がする、
とのことだ。
電話は、スタッフさんに番号を言って押して貰った、と。
後発白内障か、加齢黄斑変性の悪化か、網膜剥離等か?
「ま~、目が見えんようになるやなんて、思うてもみんかった」
「さしあたって、私の生活上の介助をしてくれる人をつけなならん」
と母は自分で決めていたが、仮にそういうことが必要な状態だとしても、
私がどこかに電話一本かけて今日から手配できるような話ではない(汗)。
それより、眼科か、必要なら脳神経外科などで診察を受けることが先決では。
ホームのスタッフさんに、目が見えにくくなったことは伝えたのか、
と尋ねたら、「まだ言うとらん」。
それならとにかく先に、スタッフさんに伝えるように、と言ったら、
「ここの人に言うのぉ?」
と、ここでなぜか母は声を出して笑いだし、荒唐無稽な反応に私のほうが戸惑った。
そういえばいつぞやも、コロナが蔓延して世界中で何十万人も死んでいる、
と私が言ったとき、母がけらけら笑ったことを思い出し、
老化現象のひとつとして感情表現がおかしくなっているのか、
私が母の笑いのポイントを理解できなくなっているのかと悩んだ。
だいたい、『目が急に見えにくくなった』話の続きで、
いきなり笑い出すとは、一体全体どういう精神状態なのか(汗)??
「ほなら、言うわ、あのねぇ、あなた!あたしねぇ……」
と母は私との会話を唐突に打ち切って、
そばに来られたらしいスタッフさんに話しかけ、
電話のほうは切れて、ツーツーツーとなった。
五分後くらいに、ホームのスタッフさんから私の携帯に電話がかかってきて、
ようやく、普通に意味のわかる話をすることができたのだが。
私に電話して来る前に、母はスタッフさんに
「目ぇ見えんようになってん。白内障になってぇへん?」
と尋ねたのだそうだ。
しかし母の瞳は澄んでいて、白濁は見えなかった、と。
母は2016年2月に両眼の白内障の手術を受けており、
その際に、加齢黄斑変性を指摘されている、
と私が告げると、スタッフさんは納得されていた。
ともかく診察や検査が必要だろうと思われたが、
折悪しく今は連休中で、どこの眼科も休診なので、
私が火曜日の朝イチで、前に白内障手術をして貰った眼科に電話し、
介護タクシーを手配し、ホームに母を迎えに行き、
眼科受診に連れ出すことになった。
最初、ホームのスタッフさんが付き添って行く
という前提で話が進みかけたのだが、
私が行っても良いですかと尋ねたら、OKだったので、
1年ぶり以上で母に直接会うのも良かろうと思い、
私が連れて行くことにした。
それから、また母の携帯に電話したら、ちゃんと本人が出てきた。
携帯のボタンは一応は見えるのか、
それともガラケーだから手探りで応答できたのか?
週明け火曜日に受診する予定で、私が迎えに行くから、
と言ったらとても喜んでいた。電話のあとで、
「体の具合が悪いと言って電話したら、すぐに私が登場する、
という点だけ学習されると、ちょっとマズいかなあ(^_^;」
と私が言ったら、転夫ころもんが、
「そんな記憶力は無いだろうから、大丈夫では(^_^;?」
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