転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



仮装ぴあにすと様から教えて頂いた、アルゲリッチの伝記を買った。
マルタ・アルゲリッチ 子供と魔法』(オリヴィエ・ベラミー著 藤本優子訳 音楽之友社)

細かいことだが、この本の日本語の副題が、
『子供と魔法』という表記になっていることに私はとても好感を持った。
私はどうも、『子ども』という漢字仮名交じり表記が以前から気に入っていない
今回のように、『と』を中心に『子供』『魔法』と漢字二字による名詞が並んでいれば、
見た目に綺麗だし文句なしにわかりやすいが、
『子どもと魔法』と書かれると、瞬間的に「『どもと』??」と微かな違和感を覚える。
イデオロギーの話ではなく、私のごく個人的な、視覚的な、美意識の問題だ。

……と、それはともかく、この著者はフランス人ジャーナリストで、
いつぞやご自身の番組で、ポゴレリチにインタビューをなさっていた方だ
あのとき、取材後の裏話としてベラミ氏は、
『ポゴレリチとの面会を実現させるのが大変なことで、
筆者はマルタ・アルゲリッチに仲介を依頼することさえした、
それは枢機卿に会うのに法皇に仲立ちを頼むようなものだった』
という意味のことをブログに綴っていらしたものだ。
ベラミ氏はアルゲリッチと、やはりそれだけ親しい間柄だということが伺える。

この伝記の内容は、まだ全部は読んでいないが、拾い読みした範囲では、
デュトワやクレーメルなど彼女のパートナーとして有名な方々だけでなく、
ポゴレリチは勿論、フー・ツォンやゲルバーなど、私の贔屓の演奏家が
次々と登場して、アルゲリッチの交友関係の華やかさにはほとほと感心させられた。
アルゲリッチは今も変わらず、ポゴレリチへの愛情を抱いているのだそうで、
またポゴレリチのほうも、アルゲリッチにラブ・コールを(笑)送っており、
可能であればデュオとして国際的なツアーを行いたいという話もあるそうだ。
性格と演奏の両面で「難しい」の四乗くらいの組み合わせだと思うので、
まあ、期待せずに期待する(苦笑)ことにしておこう。

アルゲリッチの魅力にも才能にも、超人的な底なしのパワーがあって、
彼女の破天荒な人生は、いささかも彼女を傷つけることがなく、
それどころか、ことが起こるたびに彼女は磨かれてひとまわり大きくなり、
そのような彼女に、周囲の者は皆、知らず知らずのうちに巻き込まれて来たのに違いない。
これは彼女の身に天性備わった力のなせるわざであって、
こういう人を見習おうとして、並の人間が同じことをしようものなら、
二度と表街道を歩けなくなる(汗)のがオチだろう。
このような人生は、アルゲリッチだから可能なのだ。
彼女は今も美しく華やかで、その演奏は失速することがなく、いつだって最高だ。

……それにしても、エフゲニー・キーシンの演奏を初めて聴いたときの、
アルゲリッチの思いというのが、『が締めつけられる気がした』(p.283)。
普通、これってではないのかと。
やはり、さすがは女・アルゲリッチ、ということか……。
恐れ入りました。

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今年は、じーちゃん七回忌、ばーちゃん三回忌が奇しくも重なった。
一般的には、三回忌までは関係者をたくさん招いて法要を行うと良いようだが、
生前のばーちゃんのことを考えてみると、もはや血縁も極めて少ないし、
積極的に会いたい親戚や友人知人も多くはなかったので、
むしろ晩年のばーちゃんを囲んでいた、じーちゃん・主人・娘・私、
という面々で集まるのが良いように思い、今回のかたちにした。

拝む人もいずれは拝まれる側の世界に行くのだから
せめて現世では、できるだけ人を責めたり恨んだりしないよう
なるべく日々に感謝して穏やかにありたいものだと思った。
特に晩年のばーちゃんはそういう人だった。
ばーちゃんは笑顔を見せるのに相手を選んだりしなかった。
相手が善意の人かどうかとか、自分と意見が合う(笑)かとか
検分する必要など、ばーちゃんにはなかった。
ばーちゃんは誰にでもにっこりした。
目の前に来てくれた人は皆、縁のある人なのだから、
まことに、ばーちゃんの態度は正しかった。偉かった。

……と書いた以上、じーちゃんの良いエピソードも何か欲しいのだが
思い出すのは、なんといっても掃除のことばかりだった。
きょうの舅宅はひどい状態になっていて、とりわけ庭は密林のようだった。
あまりにも惨い有様で、雑草の太いのが私の背丈くらいに伸びていた。
主人と私は、若院さんが来られる時間までの間に、まず庭と玄関とを大掃除し、
そのあと主人は墓参りに出かけ、私は仏間の掃除をして法要に備えた。

じーちゃんが掃除に出てきている気配は全くなかった。
まる6年も過ぎて、じーちゃんもとうとうサジを投げたのか。
このところ私も夢枕に立たれた覚えはなく、
あの世からの指令も、爆睡していたのかちゃんと聞いていなかった。

すみません、じーちゃん。
私はじーちゃんから、随分いろいろと家事を伝授して貰ったのに
気づいたら相変わらずあまり実行できてませんでした。
不出来な嫁で申し訳ありませんっ
怒ってますか。いや普通怒りますよね。そーですよね。やっぱり(逃)。

ちなみに私は、午前中からの掃除で疲れ過ぎて、
冷房のきいた仏間で法要が始まると間もなく、
お経を聞きながら、うっとりと、この世ならぬ有り難い気分になり、
次の瞬間、ハっとした。
危ういところだった(汗)。

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・いつも以上に忙しく、かつ、とても眠い日だった。眠かった理由は睡眠不足だ。
それというのも昨日は主人の帰りが遅くて、いつもと生活時間帯が大きく違ったため、
普段なら寝る前1時間くらいは、タイマーセットして冷房をつけているのを、
昨夜はいろいろと段取りが狂って、夕方前に切ったままずっと使っていなかった。
だから私の寝る部屋がひどく暑くなっていて、夜中に幾度も目覚めてしまったのだ。
一旦寝入ってしまえば少々暑くても同じだろ、と乱暴に考えたのが失敗だった。
そのうえ、きょうは朝から昼過ぎまで用事を片付けるのに手間取り、
それから遅い昼寝を始めてしまい、夕方から行くつもりだった演奏会に
結局、行くことが出来なかった。不覚だった(涙)。
忙しかった理由は、明日が舅姑両方の法要だからだ。
今年は舅の七回忌、姑の三回忌に当たっていて、両方を兼ねて、
明日午後、いつものお寺の若院さんに舅宅まで来て頂くことになっている。
その用意がいろいろとあり、きょうは非常に多忙だった。
動くと暑くてたまらないが、これは暑さアタリしているのか、それとも更年期のせい?
しかし更に明日は舅宅の庭掃除もせねばならない。がんばれ自分。くくぅ(涙)。

・『きのね』(宮尾登美子・新潮文庫)でいろいろと思い出すことなどもあり、
当代團十郎の話を読みたい気分になって、
前から気になっていた『團十郎復活』(市川團十郎・文藝春秋)を買った。
「なつおちゃん」の強靱さ・懐の深さがよく伝わってくる闘病記だった。
幼い頃の当代と、先代團十郎が一緒に写った写真も何枚か収められていて、
なつおちゃんの綴ったご両親や妹さんとの思い出の数々からは、
『きのね』の描写を(フィクションであることは前提としても)いろいろと連想させられ
このタイミングで読んだのは私にとってはとても良かったと思った。

・先日ぴあプレリザーブでエントリーした9月松竹座のチケットが無事当選していた。
これで、イナズマロックフェスの遠征に引っかけて、團十郎・海老蔵の大阪公演が観られる。
音羽屋ではないし今回は昼夜とも3等席だが、特に昼の部の『若き日の信長』には、
歴女の娘が大いに興味を持っているので、一緒に観劇する予定にしている。
……こういう、浮ついた楽しいことでも考えて、とにかく元気を出そう(苦笑)。

・ところで、きょうは広島カープのマスコット「スラィリー」の誕生日だそうだが、
彼は何歳なのか?そもそもきょうが誕生日って、どういう設定?
もしかして「中のヒト」の誕生日がきょうだったりして??
(調べてみたら、スライリーは『1995年7月29日、広島市民球場での中日戦で初登場』したため、
きょうが誕生日ということになっているのだそうだ。なるほど。納得しました。)

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主人が昨日、日帰りで東京出張したのだが、
そのミヤゲは、『ガラスの仮面』47巻だった。
帯にはデーブ・スペクター扮する速水真澄の写真が。
これについては、47巻発売の少し前から、公式サイトやポスターに、
名前を伏せた、完全メイクの速水真澄・扮装写真だけが載っていて、
この扮装をしているのは誰であるかを当てる企画をやっていたのだが、
正体はデーブ社長だったと、この帯の裏表紙部分で正式に明かされたわけだ。
私はてっきりジャガー横田だと思っていたのだが……。

さて、最近は順調に新刊が出ているので、前の巻の最後を読んだのは6年前?
ということは、さすがに無くなり、話が前巻でどこまで行っていたか、
私でさえ一応覚えていられるくらいには、なった。
北島マヤと速水真澄のワンナイト・クルーズ、
今度こそ二人の間に何か起こるのか、いや起こって当然だろう、
という私の期待は、ある意味では裏切られず、
長い長い恋路の果てに、やっと大切な進展があった。
初めて、曖昧な言葉によってではあったが、互いの思いを確認し合ったのだ。

しかしなんというか、やっぱり途方も無くじれったい二人なのだった。
速水は30代前半にはなっているだろうと思うのだが、
私生活では浮いた話など一切無く、間違いなくマヤが初恋の相手だろうし、
マヤもまた、早くから社会に出ているとは言え、
演劇の世界しか知らないままだし、まだ多分20歳くらいだろう。
そう考えると、今時の高校性より遙かに慎重で臆病な二人の行動は、
仕方のないことと、生暖かい目で見てやらなくてはならないのか。

……二人の身長差には改めてビックリしたけど(逃)。
もしや速水さん、シークレットブーツ履いてた?とも思ったが、
彼の背丈はダンスの最中に適宜、伸び縮みしていたようだから、
ラッキー入りのスターブーツ@宝塚 を愛用、とは考えにくい。
すると、彼はやはりあんなに長身なのか。
低いときでも2メートルはありそうだ。

速水の婚約者・鷹宮紫織は、かつての初登場時には、
実にしとやかで素直な令嬢のように見えていたのだが、
最近はどんどん、ブラック紫織として頭角を現してきたので、
私は正直なところ、今ではもうあまり彼女が可哀想だとは感じなくなった。
だが原点に戻って考えてみると、紫織の性格がどうであれ一番悪いのは速水真澄で、
紫織は、彼が判断を誤ったがゆえの被害者というべきだろう。
深窓の姫君だった紫織を夢中にさせ、ここまで追い詰めたのは速水だ。
これで破談にでもなろうものなら、彼女の身内が黙っていないのは当たり前だ。
大都芸能はオシマイではないだろうか。
紅天女の阿古夜の台詞『捨てて下され 名前も過去も』の通り、
速水は社会的地位も財産もすべて投げ打って、マヤを選ぶしか無いのか。
しかし社長辞めて済む話なのかね。

だが、そんなことより、俳優・赤目慶が見事に小野寺理事長と同類だったのには感心した。
交通事故で負傷した桜小路優が、傷の癒えぬまま舞台に立つと聞いて、赤目は
「ふん!これではまったくわしの相手にもならん!」
と呵々大笑し、小野寺に向かって
「手加減しなくてもよいわけですな」
などと言い、……ああもう、貴方、フラグ立ちまくりなんですけど?
ちなみに、桜小路が劇団オンディーヌを既に退団していた、
というのを私は昨日初めて知りました。それっていつだったっけ(殴)。

そして亜弓さん、もちょっと冷静になって下さい。
ご本人どころか、母親の歌子さんまでも、なんでまたこんなことに。
『紅天女』に打ち込む気持ちはわかるが、いいですか、これはまだ「試演」ですよ!?
そんな女優生命を賭けてまで「試演」に臨んでも、
それで再起不能になったら、実際の公演で主演するのはマヤだ。
本当なら医師が言った通り、亜弓さんは療養を優先し手術も受けるべきだろう。
いくらなんでも、ふたりの主役候補のうち、上演権を預かっているかたちの姫川亜弓に、
入院加療の必要があるとなれば、試演は延期されて然るべきだ。
亜弓ありき、マヤありき、で始まった、演劇界全体を巻き込む企画なのだから。

そもそも、今ここでゆっくりしていれば、早晩、月影先生の寿命が尽きて、
紅天女の上演権は、黙っていても正式に亜弓さんのものになるだろうし一石二鳥、
……などと私なら考えるが(殴)、まあそれは亜弓さんのプライドが許さないか。
やはり月影先生が生きている間に試演だけでもしないと駄目か……。
しかしそれにしてもだ、なぜ姫川亜弓は、曲芸までするハメになったのか。
梅の里であんだけ頑張ったエチュードが全部どっかに行ってしまったのでは。
亜弓さん、目は見えないし稽古で傷だらけだし、なんだか、あたかも
『できる……!今ならできるわ、私のヘレン@奇跡の人!!』
って感じで、完全に方向を誤っている気が、せんでもないんですが(逃)。

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昨日は月9ドラマの途中で、西川貴教×ミゲルくんによる、
『消臭力』特別1分CMが流れた。
TMファンの娘は、事前の情報で放映のことを知り、
昨日は20時50分頃からずっとテレビの前に陣取り、この一本のCMを録画したいがために、
普段は見ない番組を、息を詰めるようにして、はじめから丁寧に見続けた(笑)。

そもそもは、西川氏が、♪消臭力~♪の歌を完コピした、
とツイッターに書いたのが発端で、このCMが実現したのだそうだ。
(『ひとつのツイートが“月9”のCMを作り出した』エステー宣伝ドットコム
TMR西川・ミゲルの消臭力共演CMは“みんな”の力で生まれた』ガジェット通信)
私が5月に小倉公演に行ったときには、既に西川氏はこの歌を持ちネタにしていて、
しかし毎回必ずやってくれるというものでもなく、
ファンには貴重な一曲となっていたものだった(笑)。
あの頃はまだ、テレビでこれが見られるようになるとは、誰も考えていなかったし。
T.M.Revolution 北九州公演

昨夜のはスペシャルの1分バージョンで、一回きりの放映だったが、
このあとは普通の30秒CMなどを見る機会がありそうだ。
これからしばらくは、娘がテレビを見るとき、「お」と反応することが続くだろう。
また、1分CMもほかの放送局では今後もまだチャンスがあるとのことだ。
『本日月9で1分CMだあ!』高田馬場だより』)

1分バージョンを含め、CM動画配信中なので、ご興味おありのかたは、どうぞ。
(『CM動画9テーマ公開中』エステー宣伝ドットコム)


……と、つい私はうっかりと消臭力のまわしもんのようなことをしてしまったが、
このシリーズの「タバコ用」には、過去、確かにお世話になった。
舅宅は、舅が家を購入してから亡くなるまで四半世紀以上に渡り、
来る日も来る日も、四六時中喫煙し続けて凄いニオイになっていたのだが、
消臭力「タバコ用」を私が玄関の靴箱の上に置いて以来、
玄関ドアを開けた瞬間にタバコ臭、ということだけは、とにかくなくなった。
舅宅では、これは未だに必需品だ。

……なんだか、とってつけたような話で、申し訳ありませんが(逃)。

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クロアチアのマリーナ・アンボカーゼ女史のもとで研鑽を積まれた、
ピアニスト高橋若菜さんのリサイタルが、8月6日に仙台で行われる。

アンボカーゼ女史は、イーヴォ・ポゴレリチが夫人のケゼラーゼ女史を亡くしたあと、
彼への指導と助言とを引き継ぎ、新たな可能性を与えてくれたピアノ教授で、
現在も教鞭を執られているが、年齢的には引退もそろそろ遠くないとのことだ。
高橋若菜さんはザグレブに留学され、アンボカーゼ女史に師事し、
現在9年目になられるピアニストで、このほど御出身地の仙台において、
『アドリア海から復興への祈りを込めて』と題されたチャリティコンサートを
開催されることになっている。

高橋若菜のクロアチアンライフ

2011年8月6日(土) 7時半開演(7時開場)
会場: 仙台シルバーセンター 交流ホール

~プログラム~
S.ラフマニノフ: 前奏曲集より
プレリュード Op23 br.4
プレリュード Op23 br.6
プレリュード Op32 br.5
プレリュード Op32 br.12
プレリュード Op32 br.13

A.スクリャービン:ソナタ No.4

I.アルベニス:組曲「イベリア」第一巻 ボカシオン 港 セビリアの聖体祭り

I.アルベニス:ナヴァラ
              
E. グラナドス:スペイン舞曲より Nos.2, 6, 12


チケット:前売り券 2000円 当日券 2500円(全席自由)

プレイガイド:三越(株)ヤマハミュージック東北仙台店
        河合ミュージックショップ仙台店
主催:高橋若菜 (高橋若菜ホームページ www.wakanatakahashi.com
後援:クロアチアビジネスセンター、日本クロアチア協会
お問い合わせ・チケット申し込み:youngleaves328@hotmail.com

************

この演奏会は震災以前から予定されていたものではあったそうだが、
会場の仙台シルバーセンターが被災し、一時は開催が危ぶまれたということだ。
しかし幸い、8月6日までにはホール修理の目処がつくことになった。
高橋若菜さんは、私にとってはポゴレリチが縁でお名前を知ることとなったピアニストで、
奇しくも原爆忌の夜、震災復興支援の演奏会をなさるということでもあり、
広島からご成功をお祈り申し上げたいと思っている。
そして、仙台やその近郊の音楽ファン、ポゴレリチ・ファンの方々にも、
この演奏会を知って頂けたら、そしてアドリア海から届く音を味わって頂けたら、
と願っている。
どうか、素晴らしい一夜となりますように。

上記演奏会情報及び高橋若菜さんプロフィールを、私にお寄せ下さいました某氏にも、
心より篤くお礼を申し上げます。

************

折しも、あの津波にのまれた仙台空港で、きょうから国内定期便が再開した。
国内定期便も再開=通常ダイヤに「復興へ一歩」―仙台空港(時事通信)
『空港ロビーでは同日朝、国内定期便の再開第1号となるアイベックスエアラインズの福岡便出発に合わせ、祝賀セレモニーが開かれた。仙台空港ビルの伊藤克彦社長は「官民が団結し、わずか4カ月半で再開できた。本日からは、復旧から復興に向けた第一歩を踏み出します」とあいさつした。』

震災の日からずっと思っていることなのだが、私は、
こうした肯定的な『力』や『願い』を蔭ながら支えることに、
微力であっても、そのとき出来ることをして尽力したい。
あの地震のせいで日本の将来はもう絶望的だ、という言い方を好む人もあるが、
たとえ状況が困難なものであっても、そのような主張には私は与しない。
なぜなら、将来のことなど何一つ保証の無かった終戦時の広島の人々が、
もうだめだと諦め絶望していたら、今日の私自身、ここに存在していないからだ。

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・このところ、ますます『税についての作文』という検索ワードで
このブログに来て下さる方が増え、アクセス数もポゴレリチ来日時に迫る勢いだ。
作文そのものに関しては、大した記事も書いていなくて、本当にすみません。

日本のテレビ放送に尽力、アナロ熊さん死去 58歳虚構新聞
『1953年以来半世紀以上にわたって日本のテレビ放送を支えてきたアナロ熊さんが24日正午死去した。58歳。各家庭でのアナログ放送受信に長年尽力してきたが、24日の地上デジタル完全移行によりその役目を終えたため、最期は安楽死として処分された。』
きょうは転夫ころもんの誕生日だったのだが、奇しくもアナロ熊さんの命日になった。
私は例によってテレビを観ないので、アナロ熊さんを看取ることもしなかったが、
娘が昼過ぎに「あ」と気づいて、テレビを点けたら、普通に映った。
とっくに地デジカに代替わりしていたのだ。
私はもう、テレビはアナロ熊さんと一緒に終わって貰っても全然構わなかったが、
私に要らないものでも、それが必要な人は世の中に多いのだろうし、
地デジカも可愛い顔をしているので、まあこれから頑張ってね、と心の片隅で思った。
アナロ熊さん、ありがとう。アナタには私も昔は大変お世話になりました。

・上記『虚構新聞』は名前の示す通り記事内容が虚構、つまり「嘘ニュース」だ。
私はこのサイトを気に入り、2004年から楽しく読ませて貰っているのだが、
どういうわけか、ここの記事を事実と勘違いする人が今でも後を絶たない。
一昨日もツイッターで、『女子用スクール水着、段階的廃止へ 文科省が通達』と、
その関連記事という設定の『男子も女子用スクール水着を 文科省が通達』(parody)とが
延々とリツイートされ「拡散」されていた。
リツイートされた元記事の末尾に「虚構新聞」とちゃんと書いてあったし、私は最初、
ネタなのはみんな承知の上で腕によりを掛けて遊んでいるのかと思っていたら、
実は、真に受けて真面目に呆れたり怒ったりしている人が、かなり多くて、
あとから、虚構である旨の訂正ツイートが出回っていたが、なかなか終息しなかった。
確か、以前も『4月から、17文字に ツイッター』が、一部で本気にされ一騒動あったのに、
虚構新聞の存在も仕組みも、なかなか浸透しないものだなと思った。
「虚構」と明記されていてさえ、こういうことが起こり得るのだから、
本気のデマ(?)など広めるのは、実に簡単なことだろうなと思ったりもした。

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今夜は、『広島みなと夢 花火大会』の日だ。
昔は太田川花火大会だったのだが、途中から宇品港でも花火大会が始まり、
資金繰りの問題もあって、近年は宇品港のほうに一本化されて行われるようになった。
大植英次氏が「太田川は、もう、ない!?」と驚愕なさった、アレだ。
といっても私はきちんと見に行ったことは、まだ一度もない。
家やその近くにいて、音が聞こえるので、ああ今夜は花火大会、と思い出す程度だ。
私自身は花火は結構好きだし、夏の宵に出かけるのも厭わないのだが、
主人は花火などどうでも良いうえ人混みを嫌うので、我が家では話にならないのだ。

しかし私は、花火大会には縁がある。
これまで転勤で各地に住んだが、いつも私の行くところには花火があったのだ。
最初に住んだ福岡には大濠公園の西日本大濠花火大会があったし、
次に移り住んだ松江には、宍道湖のほとりで行われる水郷祭があった。
その次の神戸には、みなとこうべ海上花火大会があり、
今治には市民まつりの「おんまく」花火大会があった。
大濠公園を除き、いずれも官舎の三階なら片鱗くらいは眺められるものばかりで、
特に松江のときなど、市内に高いビルが無かったので遠くまで良く見え、
ベランダに椅子を出して、私ひとり、ウーロン茶片手に花火を楽しんだものだった
(私は残念ながら、アルコール類が全然だめなので、いつもソフトドリンク)。

私が今、密かに思っているのは、宇品の花火も良いが、それ以上に、
「いつか福山の鞆の浦花火大会を観に行きたい」ということだ。
これにひっかけて、菅茶山の廉塾や旧宅記念館などを、
時間を気にせず観光して一日を過ごせたら最高だ。……老後の夢か(^_^;。
まあ、言うだけならタダだから、言っておこう。

鞆の浦の花火は、夏の催しとしては西日本では最も早い時期にあり、
例年、5月の最後の週末に行われる。
暦の上ではいよいよ夏の始まり、というときに開催される最初の花火なのだ。
ただ、今年はいつになく台風が早くやって来てしまい、初めて中止の憂き目を見た。
時候の良い5月、などと侮ってはいけないのだった。

鞆の浦花火大会、台風で中止(2011年5月30日 中国新聞)
『29日夜に福山市鞆町で予定されていた「福山鞆の浦弁天島花火大会」が、台風2号の影響で中止になった。市などでつくる実行委員会は雨の影響で当初の28日夜から順延していたが、天候の回復が見込めないと判断した。市観光課は「約40年前に市が実行委に加わって以降、中止の記録はなく、おそらく初めて。風で花火が流されると危なく、やむを得ない」としている。』

***********

ところで、さきほどこの記事を書くのに、菅茶山関連史跡を検索しようとして、
『菅』まで入力したら、即座に検索候補として『無能』と続いたのにはビックリした(爆)。
googleはヒド過ぎるだろう。いや、検索する人々がヒドいということか(苦笑)。

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きょうの放送で7月号テキスト分が終わった。
来週からは8月号テキストだ。

『まいにちフランス語』初級編は、内容的には今の自分には余裕があるので、
聞き逃した日があってもついて行けなくなるということがなく、
ユルく楽しく続けることが出来ている。
条件法の一部が早くも登場したが、実用会話においては便利な表現だし、
文法の理屈より、実際の使用頻度を考慮した講座なのだということを感じた。
応用編は、今月から井上美穂先生の『A table!』が始まったが、
ひとつの文を名詞句や名詞節に直して、他の文の一部に挿入する、
という練習が毎回なかなか面白くて、私としてはかなり気に入っている。
また金曜日の、基本語彙から、接頭辞や接尾辞を付けたり外したりして、
類義語や派生語を作って行くのも、私にはとても役立っている。

『まいにち中国語』は、今月はかなり挫折気味だった(汗)。
フランス語と違い、私にはまだまだ中国語は敷居が高いのと、
力の面からも、入門編しか歯が立たないので、月~水のみの勉強になり、
うっかりすると離れがちになってしまうのだ。
「聴くだけでいい」、と自分を許している面が最初からあるので、
復習もろくに出来ていないし、このままだと惰性でなんとか続けるだけで、
あとはまたまた、10月の仕切り直しを待つことになりそうだ(殴)。

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五月の團菊祭以来、今年の私は歌舞伎づいているので(笑)
かなり以前に買って放置していた『きのね』(宮尾登美子・新潮文庫)を
ようやく昨日から読み始め、きょうの午後、ほぼ読み終えた。
歌舞伎ファンの間では有名な小説なのだが、菊五郎関連でなかったせいか、
私は何年も前に買ったまま、なんとなくきっかけがなく放置していた。
買った当初はどういう設定の小説か、わかっていたのだが、
今となっては、私は前提をすっかりなくしていて、
「確か、(音羽屋でない)歌舞伎俳優の誰かがモデルの話だった筈……」
という記憶があるのみだった。

それで読み始めて、ともあれ「誰」の話であるかを突き止めようとしたのだが、
出だしが、昭和8年――。
結核で療養中の歌舞伎俳優の家に、お手伝いとして主人公の「光乃」が雇われる、
というところから物語は始まっている。
フィクションという扱いなので、モデルとなった俳優も関係者も実名では登場していない。

しばらく「光乃」の育った家のことや両親の出自が語られ、
18歳の彼女が、歌舞伎の家に奉公に上がることになった経緯が説明されるのだが、
その彼女の運命を変えるのが、役者三兄弟の長男で美貌の「雪雄」。
この「雪雄」のすぐ下の弟が、物静かで思慮深い「新二郎」、
そして三男の「優」は『五尺五寸、十七貫、視力1.2という堂々たる体格を買われ』
徴兵検査で甲種合格、……と、ここまで読んでわかった、この「優」は二代目松緑だ(爆)。
ということは、「雪雄」は先代の團十郎、「新二郎」は先代幸四郎だ。
つまりヒロイン「光乃」は第十一代・市川團十郎の夫人、堀越千代さんだったのだ。

モデルの團十郎本人のことでなく、体格と甲種合格の設定から松緑を特定できたなんて、
全然予想もしなかった、意外なとっかかりだった(汗)。

わかってみると、この小説には、私の知る限り、事実に近い逸話が巧みに盛り込まれ、
細部や登場人物の内面は作者の創作であるにしても、
時系列に添って團十郎とその夫人の周辺が描かれていると感じられた。
昭和40年に亡くなった先代の團十郎を、昭和39年生まれの私は観ていないのだが、
こういう小説を読んでみると、いっそう、先代の舞台を観てみたかったと思った。
高麗屋三兄弟のうち、松緑の舞台だけは、私は結構観ることが出来たが、
『きのね』に描かれる「優」の物語が途切れたその後のことを、
私なりに、いくつかは記憶しているので、そうしたこともまた切なく思い出された。


……そして、今度の9月の松竹座、海老蔵が出るんだからやっぱり観に行こう、と思った(殴)。
明日から、e+の「九月大歌舞伎大阪公演プレオーダー」が始まるのだわよ(汗)。

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