八方尾根の一枚となるとやはりこれになるか。八方池に映る白馬三山
山行日 2016年8月11日から12日 前夜発1泊2日小屋泊
山域 北アルプス北部
メンバー 単独
コース
8月10日(水) 我孫子駅=新宿駅=新宿バスタ23:05(さわやか信州号)
8月11日(木) 白馬八方=八方池山荘ー八方池ー丸山ケルンー唐松岳頂上山荘ー唐松岳ー白岳分岐ー五竜山荘(泊)
8月12日(金) 五竜山荘ー五竜岳ー五竜山荘ー白岳ー大遠見山ー小遠見山ーテレキャビンアルプス平駅ーエスカル広場=白馬五竜バス停(さわやか信州号)=新宿バスタ=新宿駅=我孫子駅
8月11日の「山の日」に北アルプスの唐松岳から五竜岳を歩いてきた。コースは八方尾根ー唐松岳ー五竜岳ー遠見尾根。意識して山の日を選んだわけではない。この夏前半の北アルプスの天気は晴れがない。延期していたら、たまたま山の日に重なった。
ばてた。そして展望に励まされた。今回の山行はこの2つに尽きる。春から体調が思わしくない。腰痛、花粉症、湿疹とつづき山を歩く意欲が萎えた。それでいていつでも山へ行けるよう意識して体調を整えてきた。
今回の山行だって体力的に自信があったのに、初日からよたよた歩き。目的地までまたどり着けるのかと不安になるほどの体たらく。50年近く山と付き合ってきたがこんなのははじめてだ。いや思い出した。過去にあった。あれほどではないにしろ、情けなくなってきた。
それでも撤退は考えなかった。苦しいけれどゆっくりと歩くしかない。足を前に進めさせてくれたのが展望だった。これに励まされて歩けた。展望コースだけに、2日間とも天気がよく展望を満喫できた。年を取ったいま、山への興味は展望に集中している。これにはどん欲だ。その欲があったからこそ歩けた。歩けたものの、なぜこうまでばててしまったのか。加齢が理由だと納得するのだが。
[1日目]八方尾根から唐松岳をへて五竜山荘まで。
8月11日(木) 5:40白馬八方バスターミナル=ゴンドラ乗り場6:05=6:45八方池山荘7:00ー8:00八方池8:10ー9:45丸山ケルンー11:00唐松岳頂上山荘ー11:20唐松岳11:40ー11:55唐松岳頂上山荘12:20ー15:05白岳分岐ー15:10五竜山荘(泊)
ゴンドラとリフトを乗り継いで八方池山荘に向かう。鹿島槍も五竜もガスで覆われている。このとき6時34分。おかしいぞ、予報では晴れのはずなのに。
登山口の八方池山荘に到着してもガス。晴れ男どうした。
ところが7時に尾根コースに乗ったとたん、ちょうどガスがはれて白馬三山が姿を見せてくれた。あまりにもいいタイミング。晴れ間もみえてきた。おもわずにこっとしてしまう。
鹿島槍と五竜方面も。
晴れ間が広がる。天狗尾根と不帰の嶮もこのとおり。
天気は予報通りによくなったが、体がいつものように動かない。体が重く足が進まない。よもやこうなるとは。ゆっくり歩くほかないといいながらもすぐに苦しくなる。まいった。
なんとか丸山ケルンを通過。すぐに八方池。幸いに風は弱く、定番の八方池に映る白馬三山の光景をばっちり見ることができた。カメラの放列に加わった
なんどもカメラを向けてしまう。
お花畑が広がっている。ばてているから観賞するゆとりがない。
妙高、火打方面はシルエットがすばらしい。
不帰の嶮。ばてた体を引き上げてくれたのはこの展望の良さ。飽きさせない。
いつもの体調ならなんのことはないのだろうが、きょうはやっとのこと、唐松岳頂上山荘についた。そんな感じだ。五竜まで行くのはやめてここに泊まろうかと本気に考えてしまうほどだ。とにかく目の前の唐松岳をピストンしよう。
小屋の前からは劔と立山。どこをみてもすばらしい眺めが続く。
唐松岳までほんのわずかな距離だが体が動かない。引き上げる。つらい。
後ろを振り返る。
唐松岳山頂。ここで不帰の嶮への道を確認。へとへとだ。きりがないから、もう体調のことを書くのはこのあたりでやめておこう。
頂上からの帰り、両側にコマクサ。下から見上げるように、登山道に腹ばいになるくらい体を低くして撮った。ややピンボケ。
予定通り五竜山荘を目指す。この調子だとかなり時間がかかる。案の定、2時間ぐらいで行ってしまうのだろうが3時間近くかかってしまった。
すぐに牛首の鎖場。
鎖場を通過してしばらくすると、ペースが落ちた。それでもしだいに五竜が大きくなる。
ハイマツ帯
振り返ると唐松岳と大黒岳
遠見尾根分岐を過ぎると、眼下に五竜山荘。ずっと牛歩。ようやく着いた。
玄関先に張り紙。午後3時。テント組が多く、そのスペースが満杯になった。このためこれから到着するテント組は素泊まりになるという。一昨年まで老体に鞭打ってテント縦走してきた。重荷を背負ってきて、テントが張れないとなるとどんな気持ちになるだろう。仕方ないとはいえ、がっくり来るだろうなと思う。
テント場はこんな状況だが、小屋泊まりはこの日はひとり一枚のふとんに寝られた。
サンセット。ごはんを食べて早々に寝る。とにかく休息だ。夜中に筋肉痛で目が覚めた。あしたはどうなる。
この日は「山の日」。五竜山荘から宿泊客に手ぬぐいの記念品が配られた。帰宅してこの記事を書いているいま、自分の部屋に飾ってある。
⇒あした8月12日は五竜岳に登り、遠見尾根を下る。