どこでどう間違ったのか、ピーマンだと思って育成していたのがじつはシシトウだったという話。
ピーマンが実をつけはじめた。しかしなかなか大きくならない。どうしたんだろう。どうもおかしいぞ。しばらくしてようやく、これはピーマンではなくシシトウだ、ということがわかった。てっきりピーマンだと思って育てていた。狐ぬつままれた気分だ。
どこで間違ったのだろう。この「ピーマン(じつはシシトウ)」の苗は種苗店で買った。ピーマンという商品名と値段が書いてあるところから手にとった。一番安い4連結のセルトレイのものだ。間違えるはずはない。それから数日後に、シシトウを買い忘れたとあらためてこれも4連結のセルトレイを買ったのだから。
そうなると店の方が、ピーマン売り場にシシトウを置いてしまったのではないかと思われる。苗を見てピーマンとシシトウを見分けることはむずかしい。できるわけがない。4月の種苗店の苗売り場は混雑する。店頭の苗はすぐに売り切れる。倉庫のほうを見ると苗は入荷しているのに、人手が足りないのか、それを補充すべく店頭になかなか並べられないでいる。てんてこ舞いだ。
間違った原因は3つ考えられる。
1、わたしがピーマンだと思ってシシトウの苗を手に取ったから
2、種苗店がピーマン置き場にシシトウを置いたから
3、苗の生産者がシシトウの苗をピーマンの苗と間違えたから
真相はわからない。わたしは、種苗店が忙しすぎてうっかりピーマン置き場にシシトウを置いてしまった。たぶんそうなのではないかと思っている。
その結果、畑にはシシトウが8株もある。シシトウは実が多く生るから2株もあれが十分だというのにだ。多すぎるという文句はあるものの、シシトウは飲んべえにはありがたい。すぐに酒のツマミになる。焼いて煮て炒めて良し。夏のあいだ、シシトウがあると重宝すること請け合いだ。
「ピーマンいるかな」
かみさんに尋ねた。
少しはね、ということで種苗店へ走った。まだ残っていた。ピーマンも2株あれば十分だ。ということで畑にピーマンを植えつけた。収穫は遅れそうだ。