Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

分り易い自転車整備 回顧録

2013-10-05 20:32:29 | わかり易い 自転車整備
随分と長くお付き合い頂きました今回の自転車整備 基本に忠実な整備を心掛け
作業を進めて来ましたが 少し振り返ってみます





手持ちの古い部品で組立てた、私が普段の脚として使っている自転車です
後ろはシングルの固定ギアですが 自転車が今の様に進化を続ける中 
基本的な構造を持った自転車でも有ります 
組立から 4年が過ぎた事もあり これを教材に皆さんに整備の基本を
見て頂こうと分解整備を始めました






自転車を分解した後 塗装の剥げが多く見られましたが塗装自身はまだ生きていました
あえて全塗装はせずに塗装の剥げが進まない様に フレーム全体をペーパで擦り
足付けをした後にクリア塗装をしてやりました






水が回り少し酷い状態だったハンガー内部 ハンガーシェル内の錆を落とし
新たに水抜きの穴を開け Campagnolo のハンガー小物を組付け
装着したチェンホイールも気持ち良く回っています 





ヘッドパーツも全てを外し綺麗に洗浄したのち再度組立 ヘッド小物は自転車の
乗り味も左右する大切なパーツです







前後のブレーキも分解清掃をし組み付け これは想像以上に手応えがしっかりとした
ブレーキに変わりました






CAMPAGNOLO RECORD カンパニョーロ レコードのピスト用ハブ 当時物のグリスを使い
オーバーホールこれはとても調子の良いハブです ロックナットには 67年の刻印が有ります





シートパイプには COLUMBUS KINOSHITA のイタズラ グリーンにゴールドの胴抜きが
良い雰囲気を出しています







クランクは 1968年のスギノ マイティコンペ チェーンは綺麗に洗浄し耐久性の有る
テフロン系の潤滑剤でオイルアップ クランクも輝きを取戻しました




手入れ前と完成後の自転車を乗り比べると 凄く調子が良くカッチリとした自転車に
なりました 我々の自転車で整備の前後でこれほど違いを感じるのは珍しい事で
少し驚いています

競技用の自転車とは違い一時の軽さを求めるのでは無く 整備間隔が長くても
壊れにくい自転車そんな整備を行いました 

今回のカテゴリー 「分り易い自転車整備」はここから始まりました
【 謎のピスト お買い物自転車を整備する 】 ここから全てをご覧頂けます
                        2013.10. Kino

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スペアタイヤを吊る そして完成

2013-09-27 20:32:57 | わかり易い 自転車整備
前回自転車にペダルを取り付け整備は全て完了しました 今回は走る時に
携帯するチューブラーのスペアタイヤを畳みます その方法を紹介しましょう





前回全ての整備が終了した私のお買い物用自転車 これで何時でも走る事は
出来ますが最後にチューブラーを畳みスペアタイヤを吊ってやりましょう






少し前に今迄使っていたスペアを点検し折り癖を
取る為にホイールへ入れ空気を張っていました






スペアタイヤは一般的にこの様に一度使った物を
スペアに降ろす事が多いですね このタイヤをただ
サドルの後ろへ縛り付けるのでは無く コンパクトに
畳み恰好良く取り付けましょう




ではまずタイヤの中に残った空気を全部抜きます






その後 空気が入って膨れない様にバルブのコアを
締めておきます




これで手を離してもタイヤは膨れません






最初はバルブの部分から ここを小さく折り畳みます




2回畳めば良いですね 丸めると言うより
折り畳むイメージです






次はバルブの反対側から畳んで行きます






この様な状態になるまで畳んで下さい






二つ出来た丸いタイヤを 左右から合わせます




これは合わせた後のバルブ側 これで完了です
ただ二つ合わせる時、内側と外側のタイヤで必要な
長さが異なるので 最後の部分がシワになり上手く
行かない事が有ります
 
それを綺麗にするにはバルブの逆から畳む時、内側より
外側を余らせる様に巻きます これは一度やって見れば
理解できるでしょう 綺麗に巻けるまで何度かやってみて
下さい






これは特にしなくても良い事ですが ウエスを細く畳み 
帯状の物を用意します




それを先程畳んだタイヤに巻いてやります これで手を
離してもばらけませんし パンク修理の時のウエスにも
なります






スペアタイヤを自転車に取り付けるのには 使い
古したトウストラップが最適です 今回はそんな
中から赤い Alfredo Binda アルフレッド・ビンダの
物を選びました




これは私が大学に入学した時、自転車部の先輩に
スペアタイヤはこうして吊れと教えて貰った方法です

それまでは三つ折りや四つ折りでサドルの後ろへ
縛っていただけでしたが これを吊った時は何か
一流選手の仲間入りをした様で とても嬉しかった
のを覚えています






これはサドル後部のレールにストラップで取り付けます
これを スペアを吊ると言います






シングルギアの多くはハブナットを使っています 
その為何がしの工具の携帯は必要です これに決まりは
有りませんが私は 15mmのコンビネーションスパナを
選んでいます




スペアタイヤと一緒に縛り付けておけば良いですね
これで今迄一度も落したり無くした事は有りません

このスペアタイヤの畳み方は他にも方法が有りますが
その辺りは過去の記事でもご紹介しています お時間が
あればご覧下さい 【 チューブラ スペアタイヤの吊り方 】




さあこれで走れる様にタイヤに空気を張ってやります






使用圧は 7~7.5kg/cm2 程度 私はやや高めの圧が
好みです








使っているポンプヘッドは HIRAME ヒラメの横型
このヘッドは一度使えばその良さが分かります
少々お高いですが耐久性も有るので 思い切って
購入されると良いですね




全ての準備が整いました 実は整備中にもワックスは
何度か掛けています ここで最後の美装をしてやります




こうして長く掛かった自転車の分解整備の完成です





長くお付き合いを頂き有難うございました 自転車がお好きな方やご自分で一度
整備をしてみようと思われた方達に、基本的な分解整備をご紹介しようと今回は
作業を進めました

競技用自転車とは少し調整の仕方も異なりますが 何時までも壊れずに使える
自転車、その様な整備の仕方です これで長く乗り継いでいる自転車も有るので
間違った方法では無いと思います こんな事が少しでもお役に立てば幸いです
                       2013.9.27 Kino

前回の作業 【 自転車 トラック用ペダルの取付け 】

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自転車 トラック用ペダルの取付け

2013-09-25 20:37:20 | わかり易い 自転車整備
自転車整備にその順番は決まっていませんが このペダルは整備や組立の
最後に行う事が多いですね 長く整備を続けているシングルギア自転車
今回はペダルを取り付けます






随分長く掛かっていますがこの自転車の分解整備も
いよいよこの段階に来ました




すでに整備を終わらせているペダル かなり古い
ユニークトラックですがこれを取り付けます





ペダルの外側に外環が付いた物はロードレーサーに
使われますが トラックレーサーにはこの様に外環の
無い物が良く使われます 

ペダルに取り付けて有るのはトウクリップ これの主な目的は
レーサーシューズを履いた足の先を 左右に動き難い様にします 
そしてトウストラップ この革のベルトで足を固定します






取り付けは右側から始めましょう そして取付けに
使うグリスは Super Lube スーパールーブを選び
ました






ペダルシャフトの取付けネジにグリスを塗布します
クランクとの固着や腐食を防ぐのが目的なので
グリスは何でも良いですよ 私がこのグリスを良く
使うのは DURA グリスの様にあまりべた付かず
汚れを呼びにくいからです グリスは綺麗に塗り
拡げてやります








クランクのペダル用のネジに奥までねじ込みます
※ ペダルの取付けは 右は正ネジ 左は逆ネジです






ペダルの締め付けにはペダルレンチを使います
この先端のオフセットされたレンチがとても
使い易い形状です この工具が無くても小振りな
モンキーレンチや 15mm のスパナでも作業は出来ます




工具をペダルに掛け確実に締め込みます






左側にもグリスを使い取り付けます




ペダルをクランクにねじ込みます こちらは逆ネジです




締め込みはペダルレンチを使いしっかりと行います




はみ出したグリスを綺麗に拭き取り完了です




この自転車は主に街乗りにしか使いません
これがフリーギアならクリップもストラップも
無くても良いのですが 後ろが固定ギアの場合
やはりバックを踏むのでその時の為にクリップと
ストラップを装着し 引き足が使える様にしておく
方が良いですね





淡いピンク色のお花です この様な花を見ていると結構ミツバチが飛んでいますね
自転車の整備が長く掛かり、風景も夏から秋にすっかり変わって来ました
このシリーズもいよいよ次回で完成です どうぞ最後までお付き合い下さい

前回の作業 【 自転車 ヘッド小物の玉当り調整 】

次の作業 【 スペアタイヤを吊る そして完成 】

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自転車 ヘッド小物の玉当り調整

2013-09-24 20:36:01 | わかり易い 自転車整備
メンテスタンドの上では調整がし難い整備が幾つか有ります そんな整備の
一つがヘッド小物の玉当り調整、今回はそれを行います






自転車のヘッド小物には幾つかの種類が有りますが
今回の自転車は 1 インチスレッドと呼ばれる 昔から
使われてきた構造のものです






まず現在の具合を確かめます 自転車のフロントを
軽く持ち上げ落したり フロントブレーキを掛け
自転車を前後に動かし ヘッドにガタが無いか感じます
ガタが有ればヘッドの玉当りが緩く、ヘッド小物を締め
込んでやります

ガタが無ければ自転車を持ち上げ左右に傾けます
その方向へハンドルが切れなければ ヘッドが固い
状態です




ヘッド小物の調整にはヘッドスパナを使います
これは 2枚有った方が確実な作業を行えます

サイズは 32mmを使いますがこれはヘッド小物に依り
違いも有るので良く確認をして下さい




ヘッド小物の最上部の袋ナットに工具を掛け
ナットを緩めます ※ ここは全て正ネジです






これは上部ワンに工具を掛けています 最初に確認した
状態で ガタが有ったならこのワンを締めます
固かったので有ればこのワンを緩めます 






おおむね調整が出来れば 次は二枚のレンチを使い
上部ワンと袋ナットをロックします






一枚目のスパナは スペーサーが付いた方を上に向け
上部ワンに工具を掛けます




二枚目はその上から 最上部の袋ナットに掛け
お互いのスパナ同士を締め込みます 

下のスパナは緩める方向へ 上のスパナは締め込む方へ
力を入れお互いをロックする方法です

その後最初の方法でヘッドのガタと作動具合を確認し
納得出来るまでこの作業を繰り返します




ガタも無く 自転車を持ち上げ傾けた方へハンドルが
切れれば調整は完了です





綺麗な緑の中に異質な物が居ます 本当に良く見ないと分かりませんね
彼は動かなければ分らなかったのに 動いたので私に見つかりました(笑)

今回のヘッド小物の調整 これはとても大切な事でガタが有れば体感的にも
不快な自転車に仕上がり 重いと走行にも影響が出ます出来るだけ正確に
整備をするのが良いですね

前回の作業 【 自転車 小物の取り付けと駄目の手直し 】

次の作業 【 自転車 トラック用ペダルの取付け 】

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自転車 小物の取付けと駄目の手直し

2013-09-23 20:24:17 | わかり易い 自転車整備
前回ブレーキの調整が終わりその手応えがとても良くなりました
今回は小物の取付けと少し気になった所が有ったので 
その手直しを行います




前回調整をしたフロントブレーキですが 凄く
絞り込んであります これは使っているリムが
FIAAME フィアメのピスト用で このリムがかなり
細身だからですね






今回はサイクルコンピューターを取り付けます
これはスピードセンサー 取り付けにはタイラップを
使います タイラップは試合会場にも持って行くと
色々と便利なので 何時も手元に置いています






ホイールのマグネットに合せ位置決めをしタイラップで
確実に固定します 本来 2本で止める様ですが ここは
そんな事に拘らず確実性を重視します フロント周りの
トラブルは大きな事故に繋がります 

最近は試合でもチップをフロントフォークに装着しますが
あれも下へずれない様 別にタイラップを用意し
しっかり取り付けた方が良いですね






ハンドルにメーター本体を取り付けます






メーターのベースはネジ一本で固定






それにメーターを取り付け 作動確認、大丈夫です
しっかりと動きました






ブレーキ調整の時に気になった部分です ブレーキの
アウターの長さは変えていませんが ブレーキゴムの
交換などでインナーワイヤーのクランプ位置が変わり
ワイヤーにキンクや変形が視認出来ます 

これはあまり良くないのでハンダ付けで少し補修して
おきましょう 変形したのがクランプ部の上なら
インナーは交換した方が良いですね




ワイヤーにはすでにオイルを塗布しているので 
シンナーで良く油脂を落し 洗剤で洗いました
そして強めのフラックスを使います 強酸性です






酸性の液体が金属に付くと 錆びて下さいと言って
いる様なものです ここは慎重に爪楊枝の先に
フラックスを取り必要ヶ所だけに塗ります






一般の金属用のハンダを使いワイヤーに良く回します






ワイヤーも少し長いので少しカットします 私が切った
長さは競技用自転車のノリです 一般車にすれば少し
短めですね




オイルを忘れずに塗っておきましょう






ハンダ付けが終わりました 無理に整形すると
ワイヤーが切れたりするので形まで整えていません






メンテスタンドの上でハンドルを付けていますので
自転車にまたがりハンドルを真っ直ぐに調整します





変わり映えのしない草花ですが この様な道端でも少し秋を感じさせてくれますね

メンテスタンドの上ではしっかりと調整が出来ない事がまだ残っています 
次回はそんな調整を行いましょう

前回の作業 【 自転車の ブレーキ調整を行う 】

次の作業 【 自転車 ヘッド小物の玉当り調整 】

コメント (2)
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