青木由美子編『オウムを生きて』は、地下鉄サリン事件後もオウム真理教にとどまり、後に脱会した元信者7人へのインタビュー。
A 1965年生まれ・女性
B 40代・男性(ひかりの輪信者)
C 40代・女性(Bの妻)
D 80代・女性(Cの母)
E 1959年生まれ・男性
F 1968年生まれ・女性(ひかりの輪信者)
G 1989年生まれ・女性(麻原彰晃の四女)
それぞれの話になにやら違和感をおぼえた。
女性の場合、もともと精神的に不安定で、入信後にもっと悪くなっているからかもしれない。
F「元オウムということを隠して生活し、トラウマを抱えている人もいます。私の知り合いが心身症になり、精神科の先生に「元オウムなんです」と相談にいったところ、元信者はたくさん来ているとの答えだったと聞きました。修行によって麻原が自分の意識に入り込んでくる幻覚にとらわれ、現実に精神を病んでしまった人もいるのです」
神秘体験のことは後で。
Aはお祭り大好き、お酒大好きだが、性格的にもろいところがあり、楽しいことが終わると悲しさを感じ、不安や孤独で不眠症だった。
1994年、飲み会の帰りに難波駅のホームで、目の前にいた女性に「この電車は、堺筋本町に行きますか?」と尋ねた。
「彼女の笑顔は、とてもさわやかでした」
好印象を受けたので、再び「あのー、さっき電車の方向を尋ねたときのあなたの答え方、すごくさわやかで、気持ちよかったです。電車が来るまで、ちょっとお話ししませんか?」と話しかける。
これ、釈尊の四門出遊の話と似ている。
話がはずみ、「ちょっと飲んでいきませんか」と誘うと、「ヨーガ道場に行こう」と言われ、ついて行ったらオウムの大阪道場だった。
越川真一正悟師の「どんなに君が乱れても、全力でぶつかってきても、僕は君を、全身で支えてあげるよ」という言葉で決めた。
出家したのはなんと地下鉄サリン事件の直後の4月1日。
01年ごろ統合失調症と診断され、05年には結核で入院する。
08年、アーレフの幹部から「あなたをご両親のもとに帰したい。これから教団の解散も考えているし、病気のサマナを介護する人もいないから」と告げられる。
断ると、みんなから無視されるようになり、追われるかたちでオウム真理教を去る。
Cはかわいくて頭のいい子だった。
父親は生長の家の講師、母親は真光。
Cは真光、生長の家、桐山靖雄、高橋佳子、心霊科学などの本を読み、「生長の家が一番いいな」と考えて、高校3年の春休みに錬成会という合宿に参加する。
「宗教がなんで好きかといえば、いろんな悩みに対して「こうすればよくなりますよ」という教えがあり、実際の体験談があるからです」
早稲田大学に進学してからも生長の家で活動した。
「私が10代で宗教を求めた気持ちは、かなり切実で自発的なものでした。
「みんながあたりまえにできることが、わたしはできていない、できていない……」
あたりまえのこととは、みんなと普通に楽しくしゃべること。私にはこれができませんでした。精神病一歩手前まで追い詰められ、人間関係で悩まないようになりたいという思いがありました」
大学の授業で知り合った人がオウム真理教の信者で、話を聞いていると非常に説得力があり、生長の家よりオウム真理教のほうがずっと上のように思えてきたので、オウムの道場に行く。
「オウムの教えはすばらしく、厳しい修行によってさまざまな煩悩を克服していく過程は実践的であり、確かな効果が感じられました」
アーレフがいやではなかったし、麻原彰晃を全否定したくなかったが、Bと一緒にアーレフを脱会して結婚する。
Dは出家した娘のCと会えるというので在家信者になる。
Fは中学校のころから霊のようなものを見たり感じたりするようになった。
「たとえば、夜寝ていると半透明な子どもが空中にいて微笑んでいたり、何かが体に乗って苦しかったり、毎晩のように、金縛りにあったりするようになってしまいました」
心身とも疲れ果て、激しく悩み、心の余裕を失っていった。
高校では成績はトップクラスで、かわいいと言われていたが、極度に緊張し、まわりに合わせ、一生懸命演技していた。
だんだんと相手に合わせることができなくなり、体調不良になる。
心身の切迫感や不安感、孤立感が強くなり、自殺を考えるようになった。
オウム真理教の講演会に行き、入信する。
「これまで奇異に見られて信じてもらえなかった霊のような体験に、理解を示してもらえたこと、自分を理解してもらえたこと、自殺を考えていたほどの問題の理由と、その解決方法を初めて具体的に説明されたと感じ、私は感激しました」
弟子の解脱のために麻原が与える試練をマハームドラーという。
Fはあらゆることをマハームドラーだと受け止めるようになった。
たとえば、衆議院選にオウム真理教が立候補した際の選挙活動で、ゾウの形の帽子をかぶり、サマナ服を着て、通勤者に大声で「麻原彰晃をよろしくお願いします」と言うことも、「恥ずかしさを超えてマハームドラーを成就せよ」という課題だと解釈した。
あるいは、薬物人体実験のため二、三か月ほど毎日、薬物を注射された時も。
「何をされても「マハームドラーの修行」と思い込み、それがつらく過酷であればあるほど「高度な修行」だと自分を納得させてしまう蟻地獄、私は深く深くはまり込んでいました」
そして精神的に不安定になる。
「たとえ理解できなくてもすべてをマハームドラーだととらえ、できる限り麻原に従おうとしたために、私は気づけば支離滅裂な言動をとるようになっていました。笑ったと思えば泣き出したり、すっかり不安定な精神状態になっていたのです」
Fは07年、上祐らとともにアーレフを集団脱会する。
麻原彰晃の四女であるGの話は虐待としか思えない。
男性のBとEはあっさりして、こだわりを持たない人らしい。
B「たぶん自分は前世から財産や家族に対するとらわれが、かなり少ないのだと思います」
07年、アーレフを脱会して、ひかりの輪の会員になる。
脱会後、Cと結婚するが肉体関係はない。
Bは子どものころから真理の探究に興味を持っていた。
有機農業で成功し、地方全体の青年団のトップになり、有機農業の生産グループの代表にならないかと誘われる。
ところが、有機農業が一生にわたって真理の探究をする道かという疑念が出てきて、その申し出を断る。
Bは自分自身やオウム真理教、麻原彰晃のことなどを客観視して語っている。
しかし、ひかりの輪の在家信者でいる理由の一つが日月神示だという。
日月神示とは、1897年に岡本天明に神が降りてきていろいろな予言をし、それを岡本天明が自動書記で書き留めたもの。
中矢伸一が日月神示を現代向けに書いた本を読み、これは真理だと思い、再び農業をすることになるというんですからね、私には「れれれのれ」です。
Eは幼なじみにオウム真理教の本をもらったのがきっかけ。
妻が両親ともめるということもあり、夫婦で入信、そして出家。
妻とは別々に暮らすことになる。
事件後、逮捕された妻から離婚届が送られてきて、離婚した。
妻と暮らすには下向(在家に戻る)しなければならず、それはお互いのためにならないので離婚を選ぶ。
その後、妻とは連絡を取ることもない。
家族への愛情は煩悩だから解脱の妨げになる。
そりゃそうだけれども、執着がではなくて感情がなくなるという感じ。
執着を離れるとBやEのようになるとしたら、私は凡夫のままがいい。
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Aさん(還暦過ぎ)…有名大学に入学し同級生と学生結婚するもお互いの両親がその結婚を反対。お子さんが生まれると同時にヤマギジ会に入会、というよりむしろ創設していったかに見える。理由、自分の子には農薬など使わないいいものを食べさせたい。そこでは皆が親になり安心して子育てが出来る。彼女にとってはまさしく桃源郷。あれから40年経過し、お子さんも大きくなり一度は外の世界に出るがまたヤマギシへ。下界での生活は不可能。Aさんも現実社会で働いたことがないので下界には戻れない。ヤマギシにいれば食事だけはなんとかなる。かつて私も彼女に何回か勧誘されました。「この卵を食べさせて子育てしなさい」って。その時芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を思い出したのです。自分だけが助かるという感覚です。
宗教の科学の熱心な信者Bさん(名誉教授)この方には大変迷惑を被りました。なんと現役だったとき部活で学生を勧誘して合同合宿までしたのです。宗教の自由ということで問題になりませんでしたが、私は学生の親御さんにその実態を説明しこちらの方が問題扱いされるところでした。この方の家庭内離婚の奥さんが、私の中国人の友達の一人です。
今週はショートスティに行っていた母が戻っていますので、夫と家庭外離婚状態です。実家に連れて帰るからです。こんなとき娘は大変助かります。
煩悩、満杯の我が家です。介護状態のとき夫は普段より私を気遣ってくれます。夫の私への執着は面倒だなぁ。バチ当たるかなぁ?夫は常々私に「あなたは宗教心をもっと大切にしなさい」と言っています。
なぜ入信するのか?
私が考えたのは次の5つ。
・心配性の人、取り越し苦労をする人
・こうでなければならないと思い込んでいる真面目な人
・孤独な人、話の合う人がいない人
・霊魂、生まれ変わり、超能力などが好きな人
・自分に不満を持って変わりたいと思っている人
でも、誰かが誘わなければ入信しないわけですから、勧誘のテクニックも研究しないといけません。
宗教の本質って何なのでしょう?ある漢学者が金子みすゞの詩を引用してから漢文の「宗教」についてのくだりを説明していました。
蓮と鶏
泥のなかから
蓮が咲く。
それをするのは
蓮ぢやない。
卵のなかから
鶏が出る。
それをするのは
鶏ぢやない。
それに私は
気が付いた。
それも私の
せいぢやない。
その方の漢文の訳し方そうかなぁって思いましたが、この詩を織り交ぜて学習すると漢文嫌いの人も眠くならないで聞いているようです。
たとえば、その方の漢文の読み方が違うのではと指摘したかったら、アメリカの哲学者ヒラリー・パトナムの「培養痩のなかの脳」というSF的なものを読まないといけないんですよ。まだ読んでいないのです。それで反論していません。
ところで今日も例の彼とデート。今、数人分の昼食、夕飯の仕込中。
実は中学の時の先生に頼まれて数十年前の同級生の名簿作りしているのです。「今同窓会開いてくれなきゃあの世が近い」って脅してくるんです。「こりゃまったく面倒なのだよ」と思いますがこの分析読んで頑張る気持ちになりました。2月ころから成人式の名簿をもとに9クラスの代表を組織して400名あたりの名簿作りしておりますが(同級生には特別の思いがあるらしく)鬱気味だったりおかしな宗教にはまっているといううわさの人が意外に力をかしてくれるんです。準備も最終段階に入った今、昔の友と会うことでそんな人たちが何か感じてくれたらいいかなぁと思い自分も適当に楽しみながら頑張っています。
宗教心というと、神社仏閣にお参りすることだと思ってる人がいます。
私の人生、これでいいのか、という疑問が宗教心の第一歩だと思います。
自己否定がないと。
金子みすゞは浄土真宗の門徒ですから、「蓮と鶏」は他力についての詩でしょうね。
ある先生の話だと、宗(むね)とは中心、中心となる教えが宗教です。
religionとは神との再結合という意味だそうですから、宗教とはちょっと意味が違う。
>「培養痩のなかの脳」
映画の『マトリックス』ですね。
ウィキペディアには胡蝶の夢も関連項目としています。
>わたし、アホさん
ご近所は幸福の科学の信者ばかりなんですか。
信者の家のゴミを調べてみたらどうでしょう。
面白いものが出てくるかも。
子どもに近所の塾に行かそうと思ったことがあります。
太陽塾です。
『太陽の法』らしいです。
行かせなくてよかった。
>解話の花さん
Aさんの場合、日生のおばちゃん方式による入信かもしれません。
親戚、友人、知人、近所の人に声をかけまくると、人間関係にしがらみで、仕方なくつき合いで入信する人がいます。
しぶしぶ行ってみると、みんなからチヤホヤされて(歓喜のシャワー)うれしくなる。
それで二泊三日の研修会に参加し、はまり込んで抜けられなくなる。
同窓会名簿を見て、片っ端から電話する人もいるそうです。
そういう利用法もあるわけです。
例の彼に誘われたら、きっぱりと断ってくださいね。
昨日は、私の敬愛する「おばあちゃま」のところにも行ってまいりました。彼女お口が肥えているのですが家庭の味に飢えているので朝から、蕗の炒め煮・ひじきの煮つけ・切干大根などたーくさん作り大忙しでした。
さて彼女は「飲食と宗教」というテーマで学術的な研究をしています。中国料理に関して言えば、その開花の主な原因は宗教の影響にあると言っておられます。道教の究極目的は現生の欲望にとらわれず永遠の生命を得ること、つまり羽化登仙することにあり、そのためにまず長命せねばならず「服餌」し「錬丹の術」をマスターする、これが医食同源の思想となり今に至ったと説きます。
中華思想の強い中国人の歴史において千里をも遠しとせず美味をたずね外来のものを採り入れたのは例外的。原始宗教である道教の教えが中国に料理を発達させたということですね。この宗教心を取り入れ、彼女は御年90歳を過ぎましたが元気そのものです。
ザイデン・シュトラーセンをジープでつっぱしっしその間いろいろな物を食したお話は興味深いです。またの機会にね。
私もイタリーから奈良をその道と考えていますので、9月にイタリー旅行を計画しています。
ベネチァでオペラ鑑賞もしたいので初秋では時期が違っているかしら。
仙人になるためにはご馳走は厳禁だったように記憶しているのですが。
うまいものを食べて元気で長生きしようなんて、人間の欲の極みですね。
母の本棚から、遠交近攻とか合従連衡とか書いてある本見つけてきて読んでます。案外おもしろいです。