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茨城の生産者より 「東日本大震災3週間目に思うこと」

2011年04月18日 | 震災・農業問題
全国有機農法連絡会 情報誌「土の声」より、茨城県石岡市の有機栽培農家さんよりの寄稿文

東日本大震災3週間目に思うこと

 近代になってからの日本に未曾有の大災害が起きてしまいました。被災された方々
に心からお見舞いを申し上げます。

 そういう私も、茨城県央で有機農業を生業としておりますが、風評被害で出荷が半
減してしまいました。福島原発事故による放射能汚染問題は長期化が予想されます。

 春野菜の出荷のピークは目前に迫っており、このままでは人件費や資材代の支払い
が厳しくなるのではと心配です。

 しかし、翻って考えれば、私は電気の便利さの恩恵に預かっていながら、原発のリ
スクには無頓着でした。東京の電力を福島の原子力発電所で賄っていることを知らな
い方もいたようです。

 すでに、電力があると言う前提でいまの日本の社会全体が成り立っていたと言うこ
とが、地震からたった3日の停電で嫌というほどわかりました。

 地下水を利用している我が家では、ポンプが電動ですから当然断水ですし、信号や
スーパー等の店舗の閉店、ガスストーブのファンも電気、そう言えばオール電化の家
などもCMで見たことがありました。

 いい面だけを当たり前のように受け入れ、リスクに対して余りにも無知、無関心で
いた自分。そんなことを反省しつつニュースは欠かさずチェックして何日かが過ぎた
頃、ある関係機関から「貞観津波」に関する新聞記事がメールで届きました。

 869年に今回の地震の震源域内で巨大地震が発生し、宮城―福島沿岸部を襲った
大津波。産業技術総合研究所はその研究を進めており、いつ再来してもおかしくない
時期に来ているとして、東京電力や関係地方自治体に対し、基準の見直しや防災対策
を進言していたと記事にはあります。(読売3月30日、毎日3月26日、産経3月
29日)

 この事実をどう受け止めればいいのでしょう。行政や原発を運営する当事者が、専
門家の発言や指摘を受けながら、現状の防災対策の見直しを先送りしたことは、私が
原発のリスクに無頓着でいたことと同じレベルでは決して語れないはずです。

 事故から1ヶ月近くが経過し、米、仏等から世界でも最先端と言われる技術者達が
来日していても、はかばかしい復旧を見ない福島原発。

 日本のみならず全世界の原発保有国に不安と危機感をもたらした巨大地震による原
発事故。そして巨大地震と大津波による被災。

 このことは私たちに何をもたらし、また今後のためにできる最善の判断とは何なの
か、職業や被災の別はあっても、日本人のひとりひとりが今考えるべきなのです。 



 有機農家である私は、安全で美味しい食糧を生産している、

  という自負をもっておりました。


 しかし、自分の力の及ばない出荷の断念を経験し、

 どうか各自が情報の受け手として冷静でいて欲しい、 

 そして情報の出し手の側は、分かりやすく責任のある情報を一本化して
 
 伝えて欲しい、と思うのです。


  違う、違うと叫びたい場面が何度もありました。


  ひとりひとりの正しい判断がよい流れを作ると信じたい。
 

  私は今までどおり淡々と喜んでいただける食糧を生産しつづけます。




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 全国有機農法連絡会では、健康のために野菜セットを供給してきました。

規制値をどう捉えるか、二つの選択を会員の方に委ね、それを尊重した野菜セットをお届けしています。

 今も降り注ぐ放射能。今まで私たちの食糧を作り続け、未来に渡り作り続けてほしい生産者をどう支援できるか。

 一刻も早い原発事故の収束と風評被害への補償、国策としての農地復興を強く求めます。

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