「東日本大震災追悼・復興の日」。あの日から9年を数える祈りの日は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い中止が決まりました。
山形県ではまだ感染者が出ていない状況でもあったので、この日のために準備を重ねてきた実行委員会では急遽、参加役員の書面会議を行い議決をもって中止が決まりました。これまで被災者を支援する活動を職責ではなく個人の意思でかかわってこられた方も多く、突然の中止要請には承認できないという意見も添えられていました。承認した団体の中でも意見が付され、時間のない中での緊急判断に苦慮する主催者の思いがあらわれていました。
毎年、山形市では市役所に設置された「千年和鐘」を避難している被災者と市民が祈りの鐘を打ち鳴らし、そのあと近くの旧県庁「文翔館」に会場を移してセレモニーが行われてきました。議場ホールでの知事や市長、避難者や支援団体の挨拶のあと山形交響楽団の演奏があり広場に移動してキャンドルに火をともす。私たちの会は、メッセージボードの担当で、訪れた被災者の方たちと語り合い、顔なじみになった方と今を語る、貴重な日でもありました。それはここで被災者の方たちが集いまた一年無事を確かめ合う場でもあったのです。
慰霊の鐘を鳴らす、懐かしい顔に再会する、キャンドルに祈りを込める、温かいおふるまいに癒され、また頑張ろうと帰っていく場でもありました。
支援団体の中にはユニークな取り組みをしているところもあり、今もなお福島の子どもたちを支援して「保養所活動」や畑の収穫などを通じて心をいやす活動などを続けています。
私たちも山形山を開放しての「芋煮会」や天童市社協と提携してのお茶会参加、お隣の寒河江市の避難者の方へ食の支援、こども食堂へのお米の供給など、これまで皆さんからいただいた基金を活用してささやかな支援活動を行っています。
残念ではありましたが次の10年の節目を笑顔のある「慰霊の日」にしたいです。
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