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「地域の自然を守り健康な野菜を送り届ける」 土の声2012年8月号より

2012年08月20日 | 震災・農業問題
「地域の自然を守り健康な野菜を送り届ける」 
(農)さんぶ野菜ネットワーク 事務局 山本さん



 さんぶ野菜ネットワークは、その前身を「山武農協睦岡支所園芸部有機部会」として、当時、当たり前だった市場流通本意の規格優先・・・つまりは、「農薬使用を前提とする慣行栽培」に疑問を抱き、安全・安心という意識を強く抱いた29名が昭和63年に発足した組織です。以来、時に農協の意向に抗いながらも、信念を持って自分たちの「土」を作り、畑の負担になる偏った作付けにならないように多品目の野菜を育ててきました。現在は51名の組合員と8名の研修生、9名のスタッフで頑張っています。

 昨年3月11日、大地が大きく揺らぎ福島第一原発事故が起き、放射能は200km以上離れている「さんぶ」にも襲いかかって来ました。それからの数ヶ月は、目に見えない恐ろしい“もの”を相手に、交錯する情報の収集・対策の模索に右往左往する日々でした。「千葉の野菜は危ない!?」様々な報道がなされ、野菜からの放射能検出が無いにも拘わらず、突然、取引の見合わせを通達してくる取引先も出てきて、まさに濁流に呑み込まれるような無力感に襲われました。


 「俺たちの野菜を駄目にはさせない!」「こんなに美味いものが出来る、土は死んじゃいない!」「津波でやられ、もっと大変な放射能と闘っている人たちもいる。私たちが弱音を吐くわけにはいかない!」 でも・・・「もしかすると農業を続けられなくなるかもしれない」 いろいろな思いが心の奥底を巡って、眠れない日々が続きました。

 そのような中でも、「“さんぶ”頑張って!これからもずっと応援しています!」等々、私たちを応援してくれる温かい声もたくさん寄せて頂き、どんなに励みになったことか。でも、安全を届けられなければ意味がない。関係各位の協力を得て自分たちに出来る限りの放射能検査を実施しています。

 今は当初に比べると大分落ち着きを取り戻し、本来の仕事が出来るようになりましたが、問題が解決したわけではありません。しかし、どんなときも“さんぶ野菜ネットワーク”の農業の原点は 「地域の自然を守り、健康な畑で育てた美味しくて安全な野菜を“いのちのたべもの“として一人でも多くの人に食べてもらい、皆に健康でいてもらうこと」です。


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