「それだったら、地球探検隊で行くといいですよ」
「ち・きゅう・たん・けん・たい?」
同じ射手座でB型の会社の同僚は、年齢こそ一回り以上違うのだが、人生や旅行に対する価値観が似ているところが沢山あり、迷うことなく彼女に相談してみたら、この答えが返ってきた。
「何だか怪しそうな名前。それって大丈夫なエージェントなの?」
「大丈夫ですよ。私はイギリス留学中に、多国籍ツアーに参加してモロッコに行ったけど、すっごく楽しかったですよ!」
それならばと、早速ネットでチェックしてみたら、確かにネーミング通り、地球を探検するための、様々なツアーが並んでいた。その中に、これ以上直球ど真ん中なツアーはないと思えるものを見つけた。
『モンゴル騎馬隊』
キター!これだ!これしかない!
実は落ち込んでいた時のもう一つのテーマが、「馬に乗る」ということ。どうやってこの落ち込みから抜け出そうかと考えた時に、「死ぬかと思った」というほどの恐怖を味わえば、抜け出せるかなと思い、「そうだ、馬に乗ろう」と単純に考えたのです。今思えば浅はかな考え。人間、落ち込んだ時はろくでもない事を考えるものですね。
とにかく、モンゴルだし、馬だし、「これしかない!」、と思った私は、早速電話で空席確認をしたら、2席空いているとの回答。ひとまずホッとして冷静になり、見積もりを出してもらうことにした。
「そうだ、旅行に行こう」と考えてから、モンゴル騎馬隊に行き着くまで、わずか半日。運命の出会いだとしても、さすがに日程、旅費、ツアーの内容をきちんと冷静に考えようと思ったのでした。
しかしこの決断の遅れが、次なる運命に繋がったのでした。