今日という一日

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呉服屋からの生還

2009-07-19 00:13:08 | 茶道ときもの

きものは大好き、素敵な着物や帯に出会えば少々高くても欲しいと思うのですが、どうも呉服屋さんの商売のやり方だけは好きになれません。

本来お買い物って楽しいことのはずなのに、何でこんなにストレスを感じながら、プレッシャーを受けながら、まるで押し売りにあったような恐怖心を感じながら買わなきゃいけないんでしょうか?

買うつもりがなくても、偶然素敵な着物にめぐり合えるような、嬉しい誤算であれば納得もいくのですが、そうでない場合は苦痛以外の何者でもありません。

早くこの場を去りたいんだけど、買わない事には許してもらえなくて、その内メンドクサイから買っちゃおうかという心理状態になってくる。断ればいいんだけど、靴を脱いで畳の上に座っちゃったりしたらもう最悪。

「あんまり好きじゃない」を連発しても、次々商品を出してきて、こうなってくると根気勝負。百戦錬磨の京都の呉服商人のトークにはかなうはずもなく、どうすれば許してくれるんだろうと考える始末。客は私なのに!果ては、京都の職人さんの惨状まで聞かされ、「職人を助けると思って」 と懇願された。

絶対こんな商売おかしい!!! そう思いませんか?

でも私は今回立ち上がったんですね。手段はクーリングオフ!

実は根負けして、「これだったら買ってもいいか」という帯を渋々買ったのですが、3日経っても、まだ拘っている自分がいるのに気付いたので、やっぱりこれは買うべきじゃなかったと思い直して、強い決意で呉服屋さんに勝負を挑みに行きました。

「3日間こんなことで悩んで、非常に不愉快な気持ちになったし、こんな商売やっていたら客との信頼関係も築けないし、結局客を失うことになるんじゃないか」、ぐらいのことは言って説教してこようと思って意気込んで行ったのですが、予想以上にそのお店の担当の女性はプロだったのです。

クーリングオフしたい旨を告げたら、「そうですか……(少し間)。レシートはお持ちですか」 と言っただけで、理由を聞くわけでもなく、淡々と事務処理をして、「今度銀座でセールをしますから、良かったら遊びに来てくださいね」と、いつもと同じような口調で言って、早々に開放してくれたのでした。

多分一瞬で何かを読み取ったのでしょうね。逆にこの人はすごいなと思って、この対応で、変な話ですが、前よりも信頼が増しました。

着物は高額商品だし、呉服屋さんは固定客を対象に商売をしているので、客との信頼関係を築くことが何より大事。京都から3日間だけ来ていた商人のおっちゃんは、何とかして私に売ることしか考えていなかったと思うのですが、この女性は私との信頼関係を大事にしようと思っているような気がしました。

買うつもりもないのにフラッと呉服屋さんに行っちゃったことが、そもそもの間違いの始まりで、その上自分の優柔不断さを思い知らされた呉服屋事件でしたが、もっと賢い消費者になろうと、強く決意しました。

でも呉服屋さんの商売のやり方って変わらないんでしょうか?日本の伝統文化を継承する商売で、商品そのものはいいのに、売り方に工夫がなくて残念。

少なくとも、無料のプレゼントで客寄せをして、「お二階で目の保養をしていってください」って言って、畳に座らせて商品を売る手法は止めましょうよ、ね。