見知らぬ心臓

2013-10-08 15:20:28 | 日記

シャルロット・ヴァランレイ著   マガジンハウス刊

正直言って、このテは苦手です。勿論、書かれていることがいい加減なものだと言っているわけではない。ただ、すんなりと私の頭の中には入ってくれないということなのだが……。
著者はベルリン映画祭女優賞受賞の映画俳優。内容は「17 歳でHIVに感染、34歳で心臓移植。新しい心臓に刻まれた記憶が次々引き起こすミステリアスな事件。そして明かされる驚愕の事件」(オビより)の通りである。しかし、エンディングまで読むと、途端に五里霧中の中に放り出される気がする。少なくても、私は。興味がある人にはお勧めする(あまり、自信はないけれど)。
これが事実だとすると、改めて考えなければならないことがふたつある。ひとつは、臓器にもその持ち主の記憶が宿っている、ということである。「記憶は脳にある」、「心臓の細胞にも記憶がある」ということが並立してしまう。これまでの常識から言えば、ジレンマである。もうひとつは、臓器移植にはこれまで医学が考えて来なかった、別の側面があるかも知れない、ということである。本書だけではなんとも言えない。
やっぱり、このテは苦手です。