クマムシ博士の「最強生物」学講座  -私が愛した生きものたち-

2013-10-04 14:53:08 | 日記

堀川大樹著   新潮社刊

「クマムシ」を知っている人、少ないだろうな(私も知らなかった。表紙を見た時「タマムシ」と読んでしまった!)。クマムシは微生物だと言っていいのだろう。しかし、とてつもなく最強の生物だそうだ(ヒトの致死量の放射線に耐え、不老不死)。で、滅多にいない生き物かというと、違う。私達の身の周りに沢山いるそうだ。この生物を詳細に研究すれば、人類の将来に多大な成果をもたらす筈なのだが、その研究者は著者を含めて世界でも100人くらいしか居ないらしい。
と言う訳で、本書に占めるクマムシの話は4割くらいである。仕方がない。まだ分からないことが多すぎて、詳細を書く段階に至っていないからだ。これを詐欺だと怒ってはいけない(本文を読めば分かる。そして、その真意を理解してあげて欲しい)。
その代わりに、著者は最新の科学ニュースを伝えてくれている。併せて、研究者を志す学生へのアドバイスも豊富である。その中で感心したことがひとつある。
英会話の上達法である。なんと、教材は「漫画」である。これは、日本の漫画が国際化して英訳本が出たお蔭だろう。私の時代には考えられなかったことである(著者の場合は『ジョジョの奇妙な冒険』。『ドラえもん』でもいいそうだ)。考えてみれば、漫画は会話で成り立っているのだから、当然かも知れない。これは学生に限らず、英会話を上達したい人はチャレンジしていい方法だと思った。