百田尚樹の『ゼロ』を読んだ。「ゼロ」とは、ゼロ式戦闘機、いわゆる零戦のことである。
司法試験に失敗を繰り返し、目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎にフリーライターの姉・慶子はアルバイトを持ちかける。太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べてほしいということである。彼らに祖父はいたが、その祖父が実の祖父ではないことを知ったのは、6年前に祖母が死んだときであった。調べていくうちに、実の祖父の宮部久蔵の姿が、元戦友たちの証言から浮かび上がってきた。宮部は、日本軍敗色濃厚ななか、凄腕を持ちながら、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットであった。「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻を志願したのか。健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。
宮部久蔵の生き様を描いていて、こういう生き方が出来たら素晴らしい。また、この小説は、第二次世界大戦の概観をつかむのにも適しているかなと思った。自分の知らないところを詳しく知識として入ってくる気がした。とにかく結構なボリュームのある小説であったが、目をしょぼしょぼさせながらも、一気に読んでしまった。太平洋戦争は人間を人間としてみなしていなかった。上層部は自己保身のために、多くの人を犠牲にしてしまっている。歴史にもしもはないが、一部の上層部の保身がなければ、歴史は変わっていたかもしれないと思わせられた。終戦が近づくと、神風特攻隊が組織されて、多くの若人が亡くなったのは歴史上の事実である。アメリカの戦闘機は身を守る装備は整っていたが、日本の機体は「ワンショットライター」といわれ、身を守るのはなかった。勝てるはずがなかったし、戦争は狂気の世界に陥り、多くの若者が命を奪われた。そうした時代の中で国のためといいながら、本当は国のためではなく、愛するものたちのために、真摯に生きようとしたが、散っていった若者たちである。この小説は戦争のことを扱っているが、青年の語りを通しているので、わかりやすく、読みやすい内容になっていた。
司法試験に失敗を繰り返し、目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎にフリーライターの姉・慶子はアルバイトを持ちかける。太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べてほしいということである。彼らに祖父はいたが、その祖父が実の祖父ではないことを知ったのは、6年前に祖母が死んだときであった。調べていくうちに、実の祖父の宮部久蔵の姿が、元戦友たちの証言から浮かび上がってきた。宮部は、日本軍敗色濃厚ななか、凄腕を持ちながら、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットであった。「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻を志願したのか。健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。
宮部久蔵の生き様を描いていて、こういう生き方が出来たら素晴らしい。また、この小説は、第二次世界大戦の概観をつかむのにも適しているかなと思った。自分の知らないところを詳しく知識として入ってくる気がした。とにかく結構なボリュームのある小説であったが、目をしょぼしょぼさせながらも、一気に読んでしまった。太平洋戦争は人間を人間としてみなしていなかった。上層部は自己保身のために、多くの人を犠牲にしてしまっている。歴史にもしもはないが、一部の上層部の保身がなければ、歴史は変わっていたかもしれないと思わせられた。終戦が近づくと、神風特攻隊が組織されて、多くの若人が亡くなったのは歴史上の事実である。アメリカの戦闘機は身を守る装備は整っていたが、日本の機体は「ワンショットライター」といわれ、身を守るのはなかった。勝てるはずがなかったし、戦争は狂気の世界に陥り、多くの若者が命を奪われた。そうした時代の中で国のためといいながら、本当は国のためではなく、愛するものたちのために、真摯に生きようとしたが、散っていった若者たちである。この小説は戦争のことを扱っているが、青年の語りを通しているので、わかりやすく、読みやすい内容になっていた。
>太平洋戦争は人間を人間としてみなしていなかった。上層部は自己保身のために、多くの人を犠牲にしてしまっている。
ゼロ戦は優れた飛行機ではあったけど 戦争は悲しすぎますね。神風特攻隊~特攻志願・・・本当はどんな思いを抱いて散っていったのか、、、。この本は読んでないので詳細は分かりませんが、「上層部は自己保身のために」→戦争ではないにしろ現代でも似たようなことがと思ってしまいます。