ジグザグ山歩き

山歩き、散歩、映画など日々、見たこと、聴いたこと、感じたことなどつれづれに。

『わたしに会うまでの1600キロ』

2015-09-27 06:56:39 | 映画
映画『わたしに会うまでの1600キロ』 (原題:Wild)を見た。シェリル・ストレイドのベストセラー作品が原作である。愛する母を突然失い、その喪失感から人生のどん底へと転落してしまったシェリル(リース・ウィザースプーン)が、トレーニングもせず、パシフィック・クレスト・トレイルという1,600キロもの砂漠と山道を徒歩で旅に挑み、母が愛してくれた本来の自分を取り戻すまでを描いている。『ダラス・バイヤーズクラブ』などのジャン=マルク・ヴァレが映画化。美しく壮大な情景、過酷な旅と共につづられる。リースの体当りの演技も圧倒される。
歩き出してすぐに「バカなことをした」と後悔するシェリル。詰め込みすぎた巨大なバックパックにふらつき、テントを張るのに何度も失敗し、コンロの燃料を間違ったせいで冷たい粥しか食べられない状態である。旅に出る前、シュリルは、どんなに辛い境遇でもいつも人生を楽しんでいた母の死に耐えられず、優しい夫を裏切っては薬と男に溺れていた。遂に結婚生活も破綻、このままでは残りの人生も台無しだ。母が誇りに思ってくれた自分を取り戻すために、1から出直すと決めたのだ。だが、この旅は厳しかった。極寒の雪山、 酷暑の砂漠に行く手を阻まれ、食べ物も底をつくなど、命の危険にさらされながら、自分と向き合うシェリル。歩いたのは、だいたい青森から鹿児島ぐらいまでの距離になるらしい。メキシコからカナダまで、アメリカを南から北に抜ける道で、極度の暑さの砂漠や寒さが厳しい雪山を通り抜けるのである。1,600キロの距離を3か月かけて1人で歩き通した。こうして厳しい旅の中で、一人でずっと自分のことやいろいろなことを考えた。
旅に出る前、彼女は優しい夫からも逃げて、浮気をし、刹那的な生き方をしていた。自分を愛してくれる男からどんどん逃げていって、どんどん自分をひどい目にあわせていく。というのは、子どもの頃にずっとひどい目にあっていたからだともいえる。愛されることに違和感があり、怖くなり、愛されることから逃げてしまうのである。しかし、一方で、母には愛されていたのである。母親に、「お父さんに殴られて、貧乏で。どこが楽しいの」って娘が言うと、思い出の中のお母さんは、『それは結婚は失敗だったけど、でも、こんなに素敵な娘を得られたじゃないの』って言う。物事をいつも肯定的にとらえる母親であった。母親は40過ぎて、娘と同じ大学に入る。しかし、45歳で癌でなくなってしまう。このように主人公は、母からは愛されていたからこそ、母の喪失は大きかったが、過酷な旅にでても、母のおかげで、自分を取り戻せたのかもしれない。また、母の旦那は暴力をふるい、母は貧乏であるが、いつも楽しそうに歌を歌っていたのを思い出し、その歌が、サイモンとガーファンクルの『コンドルは飛んでいく』。この歌は、アンデスの山の、4000メートル以上8000メートルとかの山の歌といわれる。なじみのある歌で、映画で流れると、見ている方も元気が湧いてくる。山歩きの意味も考えさせられる映画でもあった。

戦争イヤだ まちなかパレード

2015-09-07 22:01:32 | Weblog
調布のまちなか、9月6日(日)16時から行われた「戦争はイヤだ まちかどパレード」に参加した。集会が始まるころから雨が降り始めたが、人は続々と集まり、合計430名の参加があった。コースは、調布の消防署裏のあおぞら公園から出発し、旧甲州街道を東に歩いて行き、調布駅付近の西友前を通過し、国領駅北口を越えて、「こくきた公園」で、解散となった。職場の同僚も何人か参加し、家族連れで来ていた人もいた。沿道からもたくさんの人たちの応援があり、多くの人たちが同じ思いを持っているのを感じた。本当に安倍首相は、鈍感なのか、見ようとしていないのか。これだけ、あちこちで全国的に「戦争法案」反対の盛り上がりを見せているのにもかかわらず、日本を戦争できる「戦争法案」を押し通そうとしているである。パレードからの「訴え」にもあるように、日本は戦後70年間、憲法9条に守られて、他国民を殺すことも、他国民から殺されることもなかった。自衛隊は戦うために海外に行くことは禁止されているのである。それを「戦争法案」では、集団的自衛権の名のもとに、いつでもどこでも武力行使できる軍隊に変えようとしている。国民の生命を脅かす危険極まりない法案である。立憲主義を破壊しようとするアベ政治を許さない。調布の街の中を、「戦争反対」「平和憲法を守れ」の声が響き渡っていた。