ジグザグ山歩き

山歩き、散歩、映画など日々、見たこと、聴いたこと、感じたことなどつれづれに。

御嶽山

2008-09-28 10:17:29 | 山歩き
標高3067mの御嶽山に登った。夜10時から会議が入っていたので、日帰りが可能で、色々と考えていたら、高い山ということで、以前から登りたいと思っていた御嶽山が思い浮かんだ。田の原から王滝経由で剣ヶ峰(山頂)を往復。駐車場の田の原は、すでに7合目(標高2,180m)である。剣ヶ峰へのアプローチは最も短い。したがって、頂上まで約2時間ちょっとで到達。この山は古くから信仰登山の霊山だけに、登山道沿いにある何千体もの霊神碑があったりする。さすがに信仰の山だけあって、祠も多い。登山道の眺望がよくて、登山口から王滝頂上までのコースが常に上から下まで見渡せる。登ってきた道を振り返ると、正面に中央、南アルプスが見渡せ、また、頂上では、北アルプスを見渡すことができた。北アルプス方向は、乗鞍、その向こうに穂高や槍、乗鞍の左手はるか遠くには薬師や立山などが望めた。立山が白くなっていたので、もう雪が積もっていると思っていたら、この日に、立山連峰が初冠雪を記録したと富山気象台が発表していた。
奥宮から剣ヶ峰へ向かって歩んで行くと、強烈な横風に襲われた。「八丁だるみ」と呼ばれる剣ヶ峰までの一帯は風の通り道になっているらしい。冷たい風が激しく吹き、今にも吹き飛ばされそうになった。頂上の展望もよかったが、だんだん汗がひいて寒さを覚えてきたし、人もたくさん登ってきたので、階段を下りて風の当たらないところで、北アルプスを眺められるところで、昼食にした。でも冷たい風が当たってきて、食べたら早々に下り始めた。
今回は、車で行ったのだが、自宅から駐車場まで、5時間近くかかり、帰りは諏訪まで下の道を通ったので、6時間ぐらいかかり、休憩などを引いても、10時間ぐらい運転していたことになる。山を歩く時間は、往復で5時間もかからなかったので、いかに運転している時間が長かったかであり、ある意味、運転で非常に疲れた。ガソリン代が地域に寄って、違うことも実感した。東京では、セルフで入れたのもあって、リッター159円であったのが、長野では、186円もした。こんなに違うのかなと思った。それでも、車からは山々が良く見えた。特に、行きの高速道路で、甲斐駒がすぐわかり、王滝から登っていくと、反対側から見た甲斐駒が目に入ってきて、帰りの伊那の川辺からも甲斐駒がドーンと目立ち、何かと甲斐駒が目に焼きついた。
いずれにしても、念願の御嶽山で、展望を楽しめたのは満足である。

おくりびと

2008-09-21 14:45:09 | 映画
遺体に死に化粧を施してひつぎに納める「納棺師」を主人公にした映画「おくりびと」を観た。
チェロ奏者の小林大悟(本木雅弘)は楽団が解散したため、故郷の山形に戻った。ひょんなことから納棺師の仕事に就くことになる。先輩納棺師を山崎努が演じている。大悟ははじめは嫌がっていた納棺師の仕事の重みと意義を、徐々に、体得していくのである。美人だと思ったら自殺したニューハーフの青年、ヤンキーの女子高生、幼い子を残して亡くした母親、たくさんのキスマークで送り出される大往生のおじいちゃん、ルーズソックスを履きたかったおばあちゃん。遺体にはそれぞれ違った表情があり、さまざまな境遇の別れが描かれる。ユーモアも交えながら、シリアスに描かれている。妻の美香(広末涼子)には冠婚葬祭の仕事とごまかして働いていたが、ばれてしまい、「汚らわしい」と言って家を出ていった。その後、美香もやがて戻り、大悟は納棺師としての誇りを胸に成長していく。
この映画を観て、父が亡くなったときに「納棺師」の仕事と接したのを思い出した。厳粛な仕事であり、手際よく作業を進めていたし、穏やかに手助けをしていただきながら私達遺族が納棺の作業に参加することができた。納棺はただ無造作に棺に納めればいいというわけではなく、遺体を整え、旅立ちの衣装を着せて棺に納めることなのだと思った。そのときは、女性二人であったが、堂々とした振る舞いであった。世間では忌み嫌われやすい死を扱った仕事ではあるかもしれない。しかし、実際には、死という悲しい場面ではあるが、その時の死んだ人や残されたものたちの表情を通して、人間の生き様と接している。その厳粛な場面に立ち会って、最後をできるだけ綺麗な形でおくるのである。誇り高き仕事でもある。

山野井泰史 熊に襲われる

2008-09-19 22:11:14 | Weblog
日本のトップクライマーである山野井泰史が熊に襲われたという記事があった。びっくりでもあり、ショックである。
彼は、高所における高難度のクライミング実績と技術があり、世界屈指のクライマーと言われている。たとえば、K2に南南東陵からアルパインスタイルでソロ、しかも無酸素で登った人である。世界のトップクライマーであるにもかかわらず、スポンサーをつけずに、奥多摩で質素に生活し、クライミングにはいくらでもお金をかけてでも登る人である。生活の全ては、山のためにあるとも言われている。
彼は、2002年秋、ヒマラヤのギャチュンカン北壁の単独登頂に成功したが、帰路に雪崩に遭い壮絶な生還劇の末に脱出。しかし、そこで両手及び右足の指を計10本を失った。それでも徐々に体を慣らして、クライミングを開始し、新たな挑戦をして、とにかく偉大さを感じる。

山野井通信に次のような報告が載せられていた。少し安心をした。

山野井氏熊に遭遇重傷。命に別状はありません。
9月17日朝、自宅近くをジョギング中に曲がり角で子連れの熊と鉢合わせになり、すぐに逃げましたが右腕をかまれました。そのあと覆い被されて顔をかまれ、けとばすなどしたためようやく熊は離れて逃走しました。
山野井氏は意識がうすれるなか近くの民家に助けを求め、ヘリで青梅市内の病院に搬送されました。鼻の縫合など90針を縫う大怪我を負いましたが、意識はしっかりしており、話しはできてまた食欲もあります。
山野井氏は顔の傷よりクライミングに関係する右腕のほうを気にしています。さすが‘山野井泰史’です。
17日は感染予防のため集中治療室で過ごしましたが、18日以降は一般病室に移る予定です。熊と遭遇した場所は山奥ではなく日常の生活圏であり、再発防止のため熊狩りがおこなわれましたが見つかっておりません。
皆様にはご心配をお掛けしましたがご安心ください。

三条の湯でまったり

2008-09-15 08:46:53 | 山歩き
emiさん、監督さん、食う寝るさんと三条の湯でテントを張って、雲取山に登った。
当初、食う寝るさん運転で、お祭りから後山林道終点まで、車で行くつもりでいたが、途中で、石が落ちて、危険であると車が通行止めになっていた。これは実は、落石注意や標識などを盗む人がいて、通行止めになっていると作業員の方がおっしゃっていたとのこと。とにかく、仕方がないので、テントを背負って、2時間ぐらい林道歩きとなり、やっと三条の湯についた。当初は、林道の途中からヨモギ尾根にでて、山頂から三条の湯に下るつもりが、思わぬ林道歩きが入ったので、そのまま三条の湯になったのである。この林道歩きも長かったが、沢沿いの上を歩いて、途中滝やらわさび田があったり、緑が濃くて、さわやかな気持ちになり、歩くことができた。ただ、テントを背負うことに慣れていないので、肩が少し痛くなったりした。
昼前には三条の湯について、テントを張る。ここのテン場はちょうど沢沿いにあって、気持ちのよい場所である。小屋の食堂でemiさん夫妻が持ってきた豪華なつまみなどをいただきながら、宴会が続く。小屋番さんが食事の準備で食堂を使いますからといわれるまで飲んでいた。それからお風呂に入る。これがまた気持ちのいいお湯である。今度はテン場に戻って、食う寝るさんと一緒に10時頃まで、飲みながら話をする。本当によく飲んだ。
夜中に、沢の流れの音が大きくて、目を覚ますと、なかなか寝付けなくなったが、そのうち慣れて寝ていた。
次の日も天気は悪くて、雲取に登るのはどうしようかと話をしていたが、emiさんの登ってみましょうで、登ることにした。三条の湯で、荷物をおかしてもらったので、軽荷で登ることができ、助かった。苔むした木やら、若芽を見ながら、水無尾根を歩く。この間の集中した雨のためか、倒木も多かった。三条ダルミから山頂までの急登はさすがにきつかった。山頂は、ガスってはいたが、みんな歩けたことに満足である。私もいつもは鴨沢から登っているので、三条経由は初めてだったので、よかった。
下りは同じコースを歩く。三条の湯で、今日は小屋番さんが鹿狩りに行き、鹿肉が食べられるとおっしゃっていて、ふといいなと思った。三条の湯で預けていたテントを背負い、荷が重くなり、疲れもあって、さすがに戻りは林道歩きが長く感じた。帰りはのめこいの湯に寄って、汗を流す。生ビールで乾杯して、体にしみわたってくるようだった。山女も美味しかった。
今回、急遽、雲取に行くことになり、迷惑をかけたりしたが、山の仲間と一緒に登ることができて、まったりと飲む時間をもてて、楽しかった。山はいいな、仲間はいいな。

五竜岳

2008-09-06 20:48:57 | 山歩き
今年は、まだ、北アルプスや南アルプスに登っていないので、いろいろと思案してみたが、結局、テレキャビンに乗っかって、五竜岳にした。五竜山荘で泊まって、遠見尾根のピストンである。登りは完全に霧の中を歩く。今朝も、山荘前は展望まったくなし。今回は展望をあきらめて、頂上に向かうと、山頂では、雲がよく流れていて、雲海と迫力のある展望が待っていた。同じく山荘で宿泊して山頂に着いた人たちは思わず驚嘆の声をあげていた。剱や立山がどかっと目に付いて、その一方で唐松や白馬方向も見えて、さらに鹿島槍には雲がうまくかかってきたりして、横に槍ヶ岳の姿もすぐわかった。富士山や南アルプスなども遠目で見えた。山頂で去りがたくて、小一時間展望を楽しむ。そして、下りは唐松方向とも思ったが、段々唐松も雲がかかりそうな雰囲気。山荘に降りてみると、登ってきた遠見尾根が見渡せたので、ガスの中を前日歩いて、景色がわからなかったこともあって、同じコースを歩くことにした。しかし、だんだんガスがかかってきた。一方で、思わぬバッタリもあって、びっくり。山で知り合いに会うとうれしい。小屋で初めて会った人と話が弾むのももそうだが、山で会うと、どこかうちとけやすさを感じる。


落語娘

2008-09-01 19:26:59 | 映画
最近、寄席に通うこともよくあって、「落語娘」という映画が上映されているというので見に行くことにした。ちょうど映画の日でもある。そこで、今朝、休みで、新宿に映画でも見に行くと娘に話をしていたら、久しぶりに今日はあいているので、娘もいきなり行くと言い出す。市役所に最初行くからと、駅で待ち合わせていたら、遅れてくる。結局、都庁で、パスポートを取りたいからついでに映画に付き合った様子。ちゃっかり。終わってからは、都庁の展望台に行ったり、ビールも飲んで帰る。もちろん、こちらの負担である。
「落語娘」は落語の男社会に飛び込んだ女性、香須美(ミムラ)と破天荒の師匠、三々亭平佐(津川雅彦)の物語。落語という伝統芸能の世界では男尊女卑があって、厳しい。この師匠は、演じると死ぬといわれるいわくつきの演目「緋扇長屋」に挑む。この演目も映像をうまく使って、演じている。落語監修には落語家・柳家喬太郎があたっているし、現役の落語家たちが監修に参加して、実際に、ワンポイントで有名落語家も出演している。猛稽古を経て臨んだといわれるミムラは、「寿限無」「景清」「たらちね」などの演目を見事に披露していて、落語も楽しめる。私がよく行く「末廣亭」も舞台になっていた。落語を扱っているだけあって、映画の落ちもある。なかなか構成は考えられている。娘はもう少し笑わせてもらえるかなと思ったといっていたが、確かにこういう題材だと落ちはあっても笑いをとる場面は意外に少なかったかもしれない。
 それでも、映画の創作で、男尊女卑の様子など極端な描写もあったかもしれないが、普段はなかなか目にできない、高座の裏側も垣間見られる作品で、楽しめた。
都庁に行ったついでに展望台にも上がって、天気はよかったが、かすんでいた。あまり遠望はなかった、その後のビールが美味しかった。