ジグザグ山歩き

山歩き、散歩、映画など日々、見たこと、聴いたこと、感じたことなどつれづれに。

小三治の「野ざらし」

2015-06-29 07:09:01 | 落語
6月の末広亭、下の席に、夜主任で、小三治登場ということで、聞きに行ってきた。11時前に着いたのだが、すでにたくさん並んでいた。前に並んでいた人たちが、なんでこんなに今日は人が多いのかなと言っていたので、今日は小三治が出るからですよと話すと、一人は仙台からきている人で、飛行機の予約の関係で、昼の部が終わったらすぐに出なければならないが、もう一人の方は、夕方帰るつもりでいたが、最後までいることにしたという。とにかく最初から最後までいられるので、たっぷり落語を聞くことが出来た。この日はトリで演じる演目がわかっていたかのように、他の人たちも幽霊話がいくつかあった気がする。小三治が演じるときは、二階席もびっしり埋まり、立ち見も出ていた。小三治は、まくらで、自分の笑い顔は苦手で、笑い顔の写真を撮りたくないという話から趣味の話になり、釣りの話に言及し、「野ざらし」。野ざらしは、上方では『骨釣り』という題名で演じられるが昭和50年代に月亭可朝がそのまま「野ざらし」の演題で東京風に演じたのをきっかけに上方でも浸透している。小三治も十八番にしているとのこと。
ある夜、長屋に住む八五郎の隣りから女の声が聞こえてくる。隣りに住むのは、堅物で有名な尾形清十郎という浪人。八五郎は、翌朝、浪人宅に突撃する。浪人はとぼけてみせるが、八五郎に「ノミで壁に穴開けて覗いた」と言われ、とうとう語り始める。浪人の話によると、向島で釣りをした時に野ざらしになった人骨を見つけ、手向けの句を詠み、回向の酒をかけてやったところ、何とその骨の幽霊がお礼に来てくれたというのだ。その話を聞いた八五郎、「自分も美人の幽霊と話がしたいから」と浪人から無理やり釣り道具を借りて向島へ行く。ほかの釣り客達に、「骨は釣れるか?新造か?年増か?」と質問して白い目で見られつつ良い場所へ陣取り、早速、骨釣りを始めた。「水をかき回すな」との苦情に。川面を思いっきりかき回したりと、八五郎の暴走は止まらない。だんだんと自分の妄想にはまり込んでいく。最後は、幽霊が来たシーンを一人芝居でやっているうちに、自分の鼻に釣り針を引っ掛けてしまった。「こんな物(釣り針)が付いてるからいけないんだよと、釣り針を川に放り込んでしまった。
小三治はこの話をよく取り上げるみたいであるが、初めて聞く。話自体、よく取り上げているので、聞く方も分かっていると思っているのか、マクラでほとんど言葉や関連の説明がないし、落ちも、分かりにくい所があった。それでも小三治が出てくると、超満員の客席がシーンとなり、何か言うと笑いの渦が巻き起こり、しぐさに可笑しさがある。八五郎の浮かれぶりもよく伝わってくる。笑いを無理にとろうとするのではなく、自然体に演じる妙味でもある。落語の面白さは、極端な思い込みの中で生まれてくる可笑しさでもある。自分たちも思い込んでしまうことがあるなと感じながら、他人ごとであるから笑いにつながるとも思える。

白馬大雪渓

2015-06-24 20:35:29 | 山歩き
 2回目の白馬岳である。今回は、猿倉荘から大雪渓を登り、白馬岳を往復した。前回は、秋に登り、紅葉が見事だったが、雪渓はあまりなかった。今回、雪渓がかなり残っていたので、雪渓歩きを楽しむことが出来た。白馬大雪渓は、全長3.5km、標高差600mある日本では最大規模の雪渓。白馬岳(2,932m)と杓子岳(2,812m )により形成される谷にあり、両山の東方に位置する。夏の間でも万年雪が眠り、真夏でも天然の冷蔵庫のように涼しい。遠くの雪渓にカモシカが歩いているのが見えた。どんどん上がっていった。一匹だけである。猿は群れるが、カモシカは単独行動であると聞いたことがある。山頂近くの白馬山荘までの登りが、体がばててきたせいか、とてもつらく、時間をかけて登る。小屋から剣岳や槍穂などの展望はかすんでいた。雲も多かった。頂上に向かう途中にも花が咲いていて、ツクモグサもあった。山頂に到着。しばらく展望を眺める。2932mである。さすがに冷える。戻ってきて、白馬山荘は、800人収容が出来るという話だったが、まだシーズンではなかったため、少なかった。部屋は我々3人が、個室を使えた。あんなに人が登っていたのに、宿泊する人が少ないのは日帰りが多かったのかな。下りで、ライチョウに会えた。まだ半分白かった。頂上近くにもライチョウをみたのだが、白さは残っていなかった。この辺は雪渓がまだ残っているから、毛の白い部分も残っていたのかな。近づいても逃げなかったので、写真を撮った。雪渓を歩いているときは天然のクーラーが効いているように、涼しかった。雪渓を過ぎると、ムッとする暑さを感じた。下りで足が痛くなり、歩くペースが落ちてしまい、私だけ遅れることなる。帰りの車でも途中、カモシカと遭遇する。帰りは、八方の湯に浸かり、汗を流して、帰路に着く。