ジグザグ山歩き

山歩き、散歩、映画など日々、見たこと、聴いたこと、感じたことなどつれづれに。

講談と落語の二人会

2008-12-29 09:05:54 | 落語
神田愛山(講談)と柳屋喬太郎(落語)の二人会があった。監督さん、emiさんと「お江戸両国亭」で一緒に聞いた。
二人の前座さんの後に、愛山と喬太郎の出番である。愛山が「青龍刀権次」「敵の倅」、喬太郎は、新作落語と『初音の鼓』を演じる。愛山は前ぶり自体も長いがやはりうまい。「敵の倅」は忠臣蔵を世間で言われているのとは違った視点から捉えていて、歴史が好きな人はこういった講談は面白いと思う。喬太郎の新作落語は怪談っぽい。初音の鼓は古典であるが、喬太郎の表情やしぐさがとても面白い。ついつい笑いがこぼれる。間の持ち方もうまい。さすが、売れっ子だけある。監督さんとemiさんはよくこの二人会は聴いていらっしゃるようで、超多忙な喬太郎師匠の体も気になっていたようである。
終わったあとは、両国駅近くの「霧島」でちゃんこを食べながら、ささやかな忘年会である。コースで頼み、ちゃんこはもちろん、美味しい刺身などの料理が出てきて、ついついお酒が進んだ。こうして一緒に演芸を楽しんだ後に飲めるのも嬉しい。帰りは新宿で別れ、私はそのまま妻の実家に行き、小さいスクリーンでビデオの上映会をしていて、「レミーのレストラン」や「続三丁目の夕日」などをみて、家に帰ったのは深夜1時を過ぎていた。それにしても年末の大掃除の片づけが進まない。

2008-12-21 22:40:40 | Weblog
山野井泰史・妙子夫婦は2002年に中国・ネパール国境にあるヒマラヤの難峰ギャチュンカン(7952メートル)北壁に挑戦し、泰史は単独登頂に成功。山野井夫婦は帰路に雪崩に遭い、泰史は重度の凍傷で手足の指11本、妙子は18本を失いながら生還した。その壮絶な記録であるノンフィクション小説である「凍」を読んだ。わずかに8千メートルに至らないので、あまり注目されない山であるかもしれないが、難峰であることは間違いない。この山に極地法ではなく、アルパインスタイルで山野井夫妻は登った山野井泰史はK2など8000メートル峰の未踏ルートや世界各地の困難な未登攀氷壁を単独踏破をしている。凍傷を負った後も、中国ポタラ北壁やハリラプチャ北壁を単独登頂しているし、アルパイン・ソロクライマーとしては世界屈指であるが、実際には、名声や名誉からは自由で、純粋に山が好きなクライマーであることを読むとよくわかる。限界に挑んだ夫婦のクライマーの描き方も見事である。読み応えがあって、沢木耕太郎の文章も上手く、ぐいぐい魅かれる。
この世界的クライマーが最近、奥多摩でクマに襲われ、重症を負ったのは記憶に新しい。一方で、テレビ受けし、バラエティにもよく出て、活躍している登山家もいて、それはそれで山の素晴らしさを広げていると思うのだが、同じ登山家でも、生き様は違うように感じられた。

陣馬山から高尾山を歩く

2008-12-18 19:16:24 | 山歩き
低山でも、少し長い距離を歩いてみたいと、今年も陣馬山から高尾山を縦走した。藤野駅から8時10分発のバスで陣馬山登山口まで乗る。途中、登校する小学生が『お願いします』と各バス停から乗ってくる。ちょうど登校時間で、山里にとっては、バスは貴重な乗り物であろう。平日のこの時間に運行をしているのは、そのためなのかとも思う。陣馬山までは、登山口から一ノ尾根を登る。登り始めると雲の中であったが、だんだん、雲の上の山々の視界が樹林越しに開けてきて、期待する。落ち葉があって歩きやすい。山頂はだんだんもやってきたが、それでも富士山をはじめとして、展望はよかった。筑波山も見えた。陣馬山から下り始めて、油断していると、滑ってしまい、どろだらけになる。昨日雨が降っているので、なおさらぬかるんでいる。陣馬山から影信山までの距離は結構長い。巻き道ばかりを歩く。景信山からも城山からも富士山が眺められる。城山で、ビール。おにぎりと名物のなめこ汁もたべる。高尾山まで行くと人が多くなる。稲荷山コースを下りる。途中で展望が開けたところがあり、ここからも都心方面の展望も見える。高尾山口に下りてくると、ケーブルカーが新しくなるため、点検中で新しいのが停まっていた。

ヤビツ峠から大山

2008-12-06 21:57:10 | 山歩き
ヤビツ峠から大山までイタツミ尾根を登った。大山は秦野市と伊勢原市との境にある山である。いつもは伊勢原市側から阿夫利神社下社経由で登っていたが、今回は、ヤビツ峠から登ってみようと思って、歩いてみた。ヤビツ峠から大山までは2.3キロメートルで、一時間ぐらいで登れるので、気楽に歩けるコースである。ヤビツ峠を9時に登り始めて、10時に山頂で、下りは阿夫利神社下社経由で12時には伊勢原に下りていた。午後から仕事ができそうだったので、休日なのに職場に行って、仕事をしてしまった。富士山は朝のバスに乗っているときは綺麗に見えたので期待をしたが、頂上では、雲に隠れて見えない。塔ノ岳など丹沢山塊や大山三峰などは間近に見える。大島や相模湾のほうも見えて、登ってきた人たちも海が見えていいねと言っていた。下りの阿夫利神社下社は工事中で、新年の初詣に向けてしているのかな。下は少し紅葉が残っていた。

天国はまだ遠く

2008-12-01 16:31:39 | 映画
シネセゾン渋谷で「天国はまだ遠く」を見た。
加藤ローサが演じる千鶴が都会生活に疲れ、山奥に建つ民宿田村を訪れ、大量の睡眠薬を飲み、自殺を図る。2日後に目覚めて、自殺は失敗。自給自足の民宿の主人は、チュートリアル徳井が演じる。秋の気配が濃厚な山里や満点の星などの自然風景を描きながら、千鶴の傷ついた心は、生きている喜びを感じ、その中で癒され、生きる活力をつけていく。また、食べ物も重要な役割をになっている。そばうち体験もあり、魚や鶏など生き物を食べて生かされているという実感ももちやすい。自殺未遂をして、目覚めた千鶴は自然を生かした豪勢な食事に旺盛な食欲をみせる場面が出てくる。まるで自殺未遂をして吹っ切れたかのようである。また、田村と出会い、その何気ない自然な優しさに触れていくことで、千鶴の孤独感も癒されていくのである。自然や食べ物で生きている味わいや実感を感じることができるのである。
同じように田村の中で止まっていた時間も千鶴との出会いで動き出したといってもよい。田村も千鶴にふれあいながらだんだん自分を取り戻していっている。二人は民宿の主人とお客であって、恋愛関係にはないので、その距離感がなかなかよい感じ、映画は進んでいく。
自分が生かされることによって、生きていくことが実感できる。生とのかかわりで相手の生も生きていく。生きていること自体も人に役に立ったりする。千鶴とのかかわりで救われた夫婦もある。
この映画は特に大きなドラマがある展開ではないが、心温まる映画ではある。瀬尾まいこの同名小説を長澤雅彦監督が映像化した。撮影地は日本三景のひとつ天橋立で知られる京都府宮津市。