ジグザグ山歩き

山歩き、散歩、映画など日々、見たこと、聴いたこと、感じたことなどつれづれに。

医学と芸術展

2010-01-25 22:11:22 | 美術館、博物館
六本木ヒルズの最上階にある森美術館で「医学と芸術展:生命と愛の未来を探る~ダ・ヴィンチ、応挙、デミアン・ハースト」が開催されていて、観にいってきた。生と死を美術や医学資料,医療器具など多方面から見せてくれた。無料で音声ガイドを貸していたのは良心的である。
レオナルド・ダビンチの作品は頭蓋骨と脳の機能を解剖的に描いていて、メモではあるが、緻密である。丸山応挙の波に浮かぶ骸骨はなんとなくユーモラスである。アメリカを代表するスーパーヒーローたちも現在も生きていて、年を重ねたら、どうなっているのか老いている姿が展示されていた。フィリピンのザフラの作品は、細長いパネルに紙やすりで実物の頭蓋骨を2週間かかって、完全にすりつぶしている。まさに「メメント・モリ」(死を忘れるな)作品である。デミアン・ハーストがパートナーの出産手術を描いた大作は、写実的な描写が見るものに迫るものがあった。ピッチーニの老化した子どもの人形は、クローン技術で老化した細胞までは蘇生できないのを物語っている。また、人間の死の直前と直後を撮ったヴァルター・シェルス(Walter Schels)の「ライフ・ビフォア・デス(Life Before Death)」などもあって、人間の生と死に正面から取り組んだ写真もある。クリックのDNA「二重らせん構造」のスケッチなども展示してあった。様々な切り口から人間の生と死や老いを扱った展示が数多く、内容も濃かった。

「医学と芸術展」パンフレットより
本展は、「科学(医学)と芸術が出会う場所としての身体」をテーマに、医学・薬学の研究に対し世界最大の助成を行っているウエルカム財団(英国)の協力を得て、そのコレクションから借用する約150点の貴重な医学資料や美術作品に約30点の現代美術や日本の古美術作品を加えて、医学と芸術、科学と美を総合的なヴィジョンの中で捉え、人間の生と死の意味をもう一度問い直そうというユニークな試みです。また、日本初公開作品を含む英国ロイヤルコレクション(エリザベス女王陛下所蔵)のダ・ヴィンチ作解剖図3点も公開します。


小三治の「かんしゃく」

2010-01-21 11:30:15 | 落語
新宿の末広亭に行った。正月興行、ニの席の最終日である。小三治が夜の主任を務めるので、ぎりぎりセーフで、聞くことが出来た。それにしても小三治人気はすごい。平日にもかかわらず、2階席までいっぱいで、小三治が出る頃には、立ち見の人もたくさんいた。私は5時過ぎについて、たまたま椅子席がひとつあいたので、そこに座ることが出来た。小三治が寄席に最初にあがった頃の話をしてくれた。川崎の演芸場で、パチンコ屋の奥に入ったところで、一人しかお客はいなくて、帰ろうとしたので、あわてて出て、話を始めたとのこと。そのお客はずっと週刊誌をみていて、顔を上げなかったらしい。しかも週刊誌は読んでいなかったらしく、さかさまであったという落ちまである。そうした噺をしながら、小三治は、贅沢だけど今日は人が多すぎるといっていた。落語はいまはブームだが全然入らない時もあって、どん底もみているので、そんなことで一喜一憂はしないといったようなことをいっていた。
今回の小三治はの噺は、いつもより笑いをとるのが少ないかなと思って、聞き出していた。それでも観客は何か言うのではないかと期待している。その中で、途中何故か退席があったし、まくらもあちこち話がとんだり、本題に入るための説明がいくつかされていたので、話が途切れたような展開に思えた。しかし、話が全然違うように見えて、後から考えると、本題への伏線であったと思わせるまくらはさすがである。
演目は「かんしゃく」である。作者は、三井物産を設立した益田孝の次男の益田太郎である。「コロッケの歌」という歌を作ったりした人であり、どういう人物であったかも小三治は話をしてくれた。女は家にあっては親に従い、嫁にしては夫に従い、老いては子に従い、昔はこういうことをいっていたが、今はそういう状況ではないとさらりといって、噺にはいる。かんしゃくは他人に小言ばかり云ってる旦那と、妻が実家に帰った時の父の厳しくはあるけれどもぬくもりのある語りが展開される。噺と同じく、大金持ちに生まれた益田太郎冠者が、自分の父親の癇癪ぶりを描いたとも言われている。なかなか噺の展開は難しい演目を小三治だから出来るのかなと思ったりした。
人間はつらい苦しい峠を越さないと「人」になりそこなうという言葉もあったりして、時代や生活は変わっても人間の生き方は考えさせられる。

初山

2010-01-09 17:40:14 | 山歩き
今年の初山、初登りでの初富士は丹沢の大山である。
年末年始、山に登れなくて、食べたり飲んだりで、体が鈍ってきて、どこかに登りたくなって、出かけることにした。女房と娘は二人で今、イタリアに旅行。息子は出不精なので、私はささやかに丹沢の大山である。近場で山歩きが楽しめて、初詣も兼ねた。
天候もよくて、富士山もばっちり見え、赤石岳などの南アルプスも見えた。海の方や関東平野は霞んではいるものの、筑波山や秩父方面の雲取山などももみえていた。
ただ、やはり大山は石が多いし階段が多い。福井の方から来た人は、こんな階段の多い山は初めてだといっていた。
途中の阿夫利神社下社では、下社拝殿の地下から湧き出る御神水「大山名水 神泉」を飲んで、お神酒も置いてあったので、一口いただいた。神社で、昨年も無事に山に登れたことに感謝をし、今年もよろしくお願いしますと参拝。
いつも登りが男坂で、下りが女坂が多いので、今回は逆にして、登りで女坂、下りで男坂を下った。山頂からの下りも見晴台経由で下りてきた。
ケーブル駅の近くで、入浴して、汗を流す。そして、参道の店でそばを食べたのだが、美味しかった。

謹賀新年

2010-01-06 21:08:45 | Weblog
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
正月は、例年のように愛知の実家に行った。元旦に愛知に向かい、2日に向こうで我が家と妹夫婦と一緒に常滑のやきもの散歩道を歩いた。3日に東京に戻ってきた。結局、ETC1000円割引の影響もあって、往復とも渋滞であった。
遊べたのは中の2日の日だけではあったし、運転も疲れるが、我が家で揃って一緒に動ける少ない機会でもある。だんだん子ども達も大きくなってきて、一緒に行けるのは少なくなるかもしれないので、いける時は一人で暮らしている母に顔をだして、正月を過ごすようにしてきている。常滑は実家に近いのだが、行ったこともなく、旅行気分も味わえた。
さて、今年はどんな年になるか。今年の正月は日本海側は荒れた天気となり、遭難事故もおきている。今年も山に出来るだけ登りたいし、仕事の方も充実できるようにしていきたいと思う。そのためには、体にも気をつけなければならない。特に飲みすぎ食べすぎは禁物だが、そこが難しい。健康診断にもよく引っかかるようになり、若い時のような無理は出来ないことは肝に銘じておかなければならない。景気もよくないし、仕事も大変になってきているし、かといって、映画も観たいし、寄席にもいきたいし、あれやこれやしたいこともたくさんある。限られた時間で色々と考えてしまう。写真は常滑で、急須の前で考える人。