ジグザグ山歩き

山歩き、散歩、映画など日々、見たこと、聴いたこと、感じたことなどつれづれに。

小三治の「千早ふる」

2016-01-13 22:01:17 | 落語
 小三治の落語を聞きに末廣亭に行く。今回も混むのを予測して、伊勢丹で、開店の10時半を待って、弁当を買って行く。11時前には末廣亭に着くが、やはり行列ができていた。それでも前から3番目の席が取れた。最初から聞いて、トリの小三治まで聞いたので、たっぷり落語を味わったことになる。
マクラは寄席の様子の違い、浅草、池袋、そして新宿と、小三治師匠は新宿生まれ、新宿育ちなので、新宿をひいきにする。噺の所々で新宿が出てきた。初日なので、お目出度い噺と来れば、在原業平にちなんだ噺で、千早ふるである。本筋の枕は、知らないのに知っている振りをする悪い奴。もっと悪いのが、知っているのに知らない振りをする奴。さらに悪いのが、知らないのに知らない振りをする奴。と言って、千早ふるに入る。
"ちはやふる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは"の意味を八五郎は先生に聞きに行く。しかし先生はこの意味を知らない。それでも知らないといえないので、めちゃくちゃな解釈をして、小三治ワールドに入っていく。浪花節が入ったり、乞食の千早を遠くの山まで、ポヨヨン ポヨヨンと突き飛ばして弾ませるしぐさがあったり、跳ね返ってくる音(ホワンホワン)等面白い。そんな馬鹿なと思いながら、先生の解釈に聞き入っていく八五郎である。登場人物の描写、会話のやり取りやしぐさ、小三治ワールドをたっぷり楽しませてもらった。