ゆうやプロジェクト

瞳をキラキラさせながら、ゆうやは今日も足こぎ車椅子COGYに乗って頑張っています。体が不自由だけれど、なんのその~。

脳梗塞の父の点てたお茶は極上の味

2011-01-11 00:24:10 | 日記
昨日は久しぶりに父に会いました。
脳梗塞で足が不自由になったため、椅子にじっと座ったままでした。(http://blog.goo.ne.jp/yuyaproject/d/20110108

父は若い頃、祖父の事故の為(http://blog.goo.ne.jp/yuyaproject/d/20101119)夜間高校へ通いながら日中働かなければなりませんでした。
大学も夜間大学へ進みました。
同時に茶道と華道も学び、若くして師範になりました。
なぜ茶道を始めたのか尋ねると、少年のような笑顔で「和菓子を食べたかったから~。」という返事が返ってきました。

数年ぶりに父の点(た)てたお茶を飲みました。
父は、少し不自由になった手で抹茶の入ったなつめの蓋を開けました。
茶杓で抹茶をすくい、抹茶碗に入れるのですが、抹茶がこぼれ落ちるのではないかと少しハラハラしました。
お湯を注ぎ、茶せんを持ちます。
そして、茶せんで泡点てます。

茶せんで泡点てる父の手の動きは、私達には決して真似ができません。
なんとも優しく柔らかで繊細な動きなのです。
脳梗塞で倒れてからも、お茶を点てる手の動きは昔のままでした。
ふと妹を見ると、涙ぐんでいました。
私も父の変わらない手を見て、目頭が熱くなりました。

お茶を愛する父の思いが、その一瞬に表れていました。
戦争を経験した少年時代。
苦労をした青年時代。
お茶は父の青春そのものなのではないかと思いました。
私は、羽織袴で背筋をピンと伸ばした父が、庭園でのお茶会で150人の招待客にお茶を点てている写真が好きです。

父の点てたお茶は、とても甘く優しい味がしました。
母も生前、父に習って何度もお茶を点てましたが、同じ道具を使って同じ抹茶を入れても父のような甘い味にはなりませんでした。
私も妹も、何度挑戦しても、父の点てたお茶の味から程遠いものとなりました。

辛い苦しいときをくぐってきたからこそ出せる味ではないかと思いました。

もう一度自転車に乗りたいという父に、足漕ぎ車椅子の話をしました。
暖かくなったら、足漕ぎ車椅子に乗った父と、庭園を訪れたいと思いました。


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