ゆうやプロジェクト

瞳をキラキラさせながら、ゆうやは今日も足こぎ車椅子COGYに乗って頑張っています。体が不自由だけれど、なんのその~。

ショートステイ(短期入所)

2010-10-31 01:29:55 | 日記
重度心身障害者が受けることのできるサービスの一つにショートステイ(短期入所)があります。
介護者が急病になったとき、数日にかけて用があるとき等目的は様々ですが、ゆうやの場合1ヶ月に7日間このサービスを受けることができます。

しかしながら実際のところは、ショートステイサービスを提供している施設が非常に少ないのが現状です。
私も癌宣告を受け、すぐに手術をする必要がありましたので、ショートステイできる施設を探し問い合わせをしたところ、どこも予約でいっぱいでした。
まず、ショートステイをする為には、医師の診察を受ける必要があり、その診察の予約をとらなければなりません。
そして驚いたことにその予約をとるために沢山の方が待っておられ、診察を受けることができるのが2ヶ月先だと伝えられました。
無事診察を受けることができた後、契約の手続きを行い、ショートステイ利用説明を受け、施設見学をします。

さて、ショートステイの利用準備が整いましたらすぐに利用できるかというと、これがまた、2ヶ月先以降の申し込みになるそうです。
つまり、癌宣告を受けて早くて4ヶ月先にならなければショートステイ(短期入所)は利用できないことになります。
更に難関は続き、2ヶ月前に予約申し込みをしていても利用できるかどうかは、抽選で決まるとのことでした。
それだけ利用したい人が沢山いるということです。
需要と供給のバランスが全くとれていないと思いました。

私は、周辺リンパに癌が転移していたので、手術をあまり先に伸ばしたくありませんでした。
そこでショートステイの利用を諦めました。
ゆうやをどこに預けるか考えあぐねておりました。
そんな時、ゆうやの主治医の先生が手を差し伸べてくださいました。
その頃ゆうやの身体の状態が非常に悪かったので、有り難いことにゆうやを入院させてくださることになったのです。
母子別々の病院で入院し、私は無事手術を受けることができました。

日常の介護者が急な病になったとき、障害者のことを誰が介護するのでしょうか。
長期で計画を立てられれば、その目的もなんとか果たすことができると思いますが、緊急事態発生の場合、たちまち困った状態に陥ります。
私もショートステイの空きを待てば、癌がもっと転移していたかもしれません。

今回のことを通じて、日本の厳しい福祉の現状をかいま見たように思いました。


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リハビリグッズ 3 (にぎにぎボール)

2010-10-29 09:02:51 | リハビリ関連・リハビリグッズ

今日は朝食を食べ終わってから、私がばたばたと学校へ行く用意をしておりますと、ゆうやが自分で手を伸ばしてリハビリグッズの一つである「にぎにぎボール」を手の中におさめていました。
「あら、いつの間に~。」と内心驚きました。
よく見ますと、ボールを握る人差し指と親指は、ボールの外面に添ってきちんと開いていました。
これは、本当に驚きです。

つい最近までボールを手の中に押し込んでも、人差し指と親指の角度は、私が指を誘導しなければ大きく開くことはできませんでした。
普段ゆうやの手はグーの形をしていることが多く、親指は丸まった他の指の内側に入り込んでいることが多かったのです。
一日に何度も親指を外に出すように心がけていましたが、あまり効果はありませんでした。

ゆうやの中学校の恩師に相談したところ、「にぎにぎボール」を勧めて頂きました。
少しでも時間がある時にボールを握っているといいですよ、と教えて頂き、早速、介護用品を販売している「ほのぼのらいふ」へ行きました。
表面がつるっとしているものや、凹凸のあるもの、握った感触がとても柔らかいものや堅いもの等、多様でした。
「ほのぼのらいふ」の方と相談し、握力の向上や指の伸展、つぼへの刺激を考えて、表面に凹凸のある比較的堅いものを選びました。
直径7センチと10センチと2種類購入しました。

スクールバスに乗っている時、ちょっとした待ち時間等に、ゆうやの手の平にボールを載せて握ることができるようにしていました。
しばらく続けていますと、少しずつ指が伸びてきました。
眠っている間も指が丸まっていたのですが、先日夜中にふとゆうやの方に目をやりますと、指が比較的伸びていました。
驚きとともに感動し、睡眠と睡眠の間でしたが、1人で胸が熱くなっていました。

そこで、もう一つ購入し、いつも食卓の上に置くことにしました。
毎日続けているうちにいつの間にか、自分で手を伸ばしてボールを握ることができるようになっていたとは本当に驚きました。

まわりの方々に多くのアドバイスを頂ける有り難さに感謝しつつ、やはり小さなことでも毎日コツコツ積み重ねていくことが結果につながっていくのだと実感した朝でした。
これからも、にぎにぎボールを活用していきたいと思っています。


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雨の日に車椅子で出かける

2010-10-25 11:08:09 | 介護関連・介護グッズ

今日は雨が降っています。
私は雨の日は少々出かけるのがおっくうになります。
私一人でもためらいを感じますが、ゆうやと一緒に出かけるとなると尚更です。
傘をさしても、介助者の背中や、車椅子に乗っている人の膝の部分がびしょぬれになってしまいます。
では、レインコートを着ていざ出かけてみると、駅に着いた時に脱ぐのが大変です。
そして濡れたレインコートを持って電車に乗り込み、目的地に到着してから、また、濡れたレインコートを着なければなりません。

車椅子用のレインコート購入を検討してみましたが、価格が非常に高く、また、重く感じられました。
なんとかならないものかーと、考えていました。

そしてある日、軽くて比較的低価格で、濡れた雨水をさっと払えるものを見つけました。
それは、布製シャワーカーテンです。
シャワーカーテンにはレールに吊るすための穴が一列に並んでいます。
その穴が空いた方を車椅子に乗っている人の首に巻き、首の太さに合わせてカラビナや、ひも、クリップ等で留めます。
そして、シャワーカーテンがめくれ上がるのを防ぐためにクリップや洗濯バサミ等で車椅子に留めるのです。
頭部は傘をさすか、ビニール帽をかぶります。
ビニール帽は雨の日の自転車用としてアイデア商品の店や生協などで購入できます。

駅に到着すると、クリップを全部はずし、シャワーカーテンをさっと2度ほど振ると、さらさらと雨水が滑り落ち
あっという間に水滴がなくなります。
たたんで仕舞ってもコンパクト軽量で、気軽に電車に持ち込めます。
また、目的地に到着し、シャワーカーテンを広げると水気がないので気持ちがいいです。

ゆうやの友達のママ達も様々な工夫をしておられる方が多いです。
既成の商品が使い辛いという声をよく耳にします。
また、いい商品があっても高価だとも聞きます。

開発する人は、もっと障害者や介護者の立場に立って商品開発してほしいと切に願っています。




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介護生活の中に楽しみを見つける

2010-10-23 14:42:44 | 介護関連・介護グッズ
以前は重度心身障害者のゆうやの将来について考えると、不安になることが多かったと思います。
「私が先に死ねば、生き残ったゆうやはどうなるのだろうか?」
「自立して生きていけるのだろうか?」
そんな不安を抱えながら介護をしていると笑顔が消えがちになり、ゆうやによく指摘されました。
「もっと笑って、お母さん。にこっと笑ってください。」と。
その言葉ではっと我に返り、慌ててゆうやに笑顔を向けていました。

私が癌になってますますゆうやの将来について不安を感じるかというと、そうでもないのです。
逆に開き直ったとでもいうのでしょうか。
癌になったおかげでヘルパーさんに沢山来て頂けるようになり、ゆったりと過ごせるようになったことから回りを見渡す余裕が出てきました。
死を意識する経験を通して、現実の今の生活が楽しく感じるようになりました。

ゆうやの使う食器を例えて挙げますと、使いやすい食器探しを楽しんでできるようになりました。
以前は使いやすい形状を重点に探していましたが、今は、色やデザインも視野にいれて探すようになりました。

よく普通のお子さんのように食事ができないことを嘆いたり不安に思っていたものですが、
今は、だからこそ、ゆうやに合った食器を探そうと思えるようになりました。
そして使いやすいだけでなく、ゆうやが喜びそうな素敵な食器を探そうと欲張りになりました。
それがとても楽しいのです。
見つけた時には簡単に探せない分、喜びが大きいです。

重度心身障害者と暮らすとき、介護生活の中に楽しみや喜びが必要だと思います。
なんでもない日常のちょっとしたことを楽しむ視点に変えていけば、笑顔が増え、こどもも安心します。
ゆうやも楽しみ、介護者の私も楽しむことを心がけることによって、将来の不安がすこしずつ消えていっているのです。
小さなよろこびの積み重ねが、大きな不安まで消し去ることに驚いています。

ゆうやとの生活を楽しんでいこうと思います。




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リハビリグッズ 2 (足漕ぎ車椅子)

2010-10-20 18:01:24 | リハビリ関連・リハビリグッズ

今日はフランスベッドの足漕ぎ車椅子「プロファンド」の試乗をしました。
ゆうやは立位がとれず歩行できないので、普段足を鍛えるとすれば歩行器に乗るぐらいでしょうか。
足で漕ぐ車椅子とは素晴らしいと思いました。

まず肘台を跳ね上げてプロファンドに座ってみました。
ペダルは足が落ちないようにつま先にクリップ、かかとにストッパーがついていて、バンドで留めるようになっています。
足を少し動かすとペダルが回り、前進することができました。
右折左折は、利き手についているコントロールハンドルを回します。
後進はペダルを逆回転します。

一人で少し進む事が出来ました。
ゆうやは自分で動かせたことに満足している様子でした。
コントロールハンドルの操作がうまくできないのでこれからまた練習していこうと思います。

車椅子も自走できないゆうやが、自分で風をきって街中を進み行くことができるなんて
なんて素敵なんでしょう!
ゆうやの心も弾んでいる様子でした。
ゆうやが猛特訓をして、細くなった脚が筋肉隆々になっている姿を想像してみました。

この足漕ぎ車椅子は東北大学大学院の半田康延博士グループが研究開発した商品だそうです。
日本国内でこのような画期的な商品が生まれたことをとても嬉しく思います。
車椅子生活だとどうしても運動不足になりがちです。
これなら高齢者の運動にも適しているのではないでしょうか。

また、フランスベッドでは片麻痺がある人用に、脚こぎ車いす「新ペダモ」も扱っているそうです。

今後、手漕ぎ車椅子と共に足こぎ車椅子(&脚こぎ車椅子)も街で見かけるようになればいいなと思います。

(写真はフランスベッドのHPより使用させて頂きました)



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