ゆうやプロジェクト

瞳をキラキラさせながら、ゆうやは今日も足こぎ車椅子COGYに乗って頑張っています。体が不自由だけれど、なんのその~。

介護に疲れたら

2010-11-30 08:53:34 | 介護関連・介護グッズ
主婦業や、子育てに休みがありません。
介護にも休みはありません。

夜間、ゆうやの寝返りを手伝っていますが、昨夜は数回寝返りを手伝った後、最後に10分間に3回寝返りを手伝いました。
さすがに最後の寝返りを手伝ったあと、「お母さんも寝かせて欲しい」と言ってしまいました。
ゆうやは、悲しそうな顔をしました。
私は、言ってから後悔しました。
私は自由に体を動かすことができますが、ゆうやは、体を自由に動かせません。
だから、私が手伝っているのに、自分の睡眠欲を優先させた発言をしてしまいました。

休みなく愛情を与え続けようと思っていても、時折、自分の欲求が弊害となることがあります。

お腹が空いた、眠い、などという信号を出す自分の体ですが、ふと体内を考えると、全く休むことなく臓器が働いています。
血液も留まることなく、流れ続けています。

ゆうやとスクールバスのバス停に向かうとき、道路横の木々に目をやりました。
植物も休みなく芽を伸ばし、成長しています。
朝日を浴びて葉がきらめいていました。

私も暖かい太陽の日差しを受けて心地良くなりました。
その時、太陽も休まないと思いました。
地球も休まず自転し、地上に生命を次々生み出しています。

休みがないのは自分だけではなかったー。
もっと大きな規模で皆、全く休まず活動しているのだと思うと、少し眠いぐらい、なんてことはないと思いました。

介護に疲れたとき、自然は疲れを癒してくれると思います。
少し疲れたら深呼吸をしたり、日向に出てみたり、青空を眺めたり、そんなひとときが、また心に余裕を作ってくれます。

バスの中からぶんぶん手を振るゆうやを見送りながら、自分の小ささを反省すると共に、大いなる自然に改めて感謝した次第です。


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新たな取り組みへ ~アップル iOS 4.2リリース~

2010-11-29 08:32:26 | コンピューター関連
先日、アップルの担当の方からメールを頂きました。
「iOS 4.2がリリースされた」というお知らせです。
今回のリリースにより、iPadで日本語50音キーを設定することができるようになったそうです。
ひらがなで文章を作成できるので、ゆうやも一度試してみたいと思いました。

さて、アップルのホームページを見ますと、iPhone、iPad、iPod touchについての詳細が書かれていますが、その中で「アクセシビリティの向上」という言葉があります。
「アクセシビリティ」とは、ウィキペディアによると
~高齢者・障害者を含む誰もが、さまざまな製品や建物やサービスなどを支障なく利用できるかどうか、あるいはその度合いをいう。~
と書かれています。

アップルは、随分前からその「アクセシビリティ」の取り組みをしていて、iPhone、iPad、iPod touchにも実装されているようです。
文字を読み上げる機能や、ワイヤレスブライユ点字ディスプレイ国際ブライユ点字表対応など、年々向上されています。

ゆうやの友達は、任天堂のWiiを使用して様々なゲームを楽しんでいるようです。
ほんの少し手を動かすだけで、画面には大きく体を傾けボールを投げる人の映像が写ります。
たとえ身体が不自由であっても、ほんの少し体の一部を動かすだけで、スポーツやゲームを楽しむことができるのです。

目から入る刺激を受けて脳の活性化につながり、それはやる気にもつながり、ひいては本当に身体機能向上にも繋がっていくと思います。

ゆうやが幼い頃、「ゆうやが歩いているところを思い浮かべてね。」と言うと
「思い浮かばない。できない。」と返事が返ってきました。

そこで私は、アップルのパソコンと奮闘しながら、なんとか、ゆうやが散歩している簡単なアニメーションを作りました。
それを見たゆうやは、「あっ!僕、歩いているね~。」と喜んで何度も見ていました。
その後、ゆうやの身近な人を登場させて楽しい簡単アニメを色々制作しました。
私と妹とで役割分担して物語を読み上げ、紙芝居風に楽しめるものも作りました。

最近、時々、ゆうやはそのときの物語の台詞を言うことがあります。
それを聞いて私も思わず笑ってしまいます。

今度は、iPhone、iPad、iPod touchを使用して新たな取り組みへ向かっていきたいと思います。


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思いやりの心

2010-11-28 00:29:29 | 日記
ゆうやと2人で出かけますと、声を掛けられることが多いです。
まず、一番多いのが、道を尋ねられることです。
日本人だけでなく、外国の方にも道を尋ねられます。
いつも不思議だなあと思っています。

それから、次に多いのが、どうして車椅子に乗っているのかと質問されることです。
殆どの方は「怪我をしたの?」「いつ治るの?」と尋ねてこられます。
私は苦笑してしまいます。

ある日、地下鉄に乗っていた時のことです。
おじいさんと孫の2人連れだったと思いますが、
「どうしてこの子は車椅子に乗っているのか?」と話しかけてきました。
そして「うちの孫が、あなたの子供のようにならなくて良かったわ。」と言って離れて行きました。

私は目が点になりました。
ゆうやは聞こえていないのか、聞こえていないふりをしているのか、知らん顔していました。
その人は、どうしてそんなことを言うのでしょうか?
人の気持ちを考えないのでしょうか?

しばらくその人の言った言葉について考え込んでしまいましたが、
ゆうやの「お母さん、もうすぐ駅に着くよ。降りますよ~。」という元気な声に、はっと我に返りました。
そして、いつものゆうやの笑顔を見て私もいつものように
「はいは~い。降りますよ~。」と笑顔を返しました。

また、ある時などは、飲み会帰りのサラリーマン風の男性が、手に持った沢山の寿司折の一つを差し出し
「寿司食べられる?これ、お母さんと食べてね。」と、寿司折をゆうやの膝上に乗せてくださいました。
そして、「頑張れ~。」と励ましてくださいました。
ほんの2~3分の出来事でしたが、私は嬉しくなりました。
ゆうやもとても喜んでいました。
こんな風に、通りすがりの人に温かい励ましを頂くこともよくあります。

ゆうやはこれから社会に出て傷つく事も沢山あるかもしれませんが、「思いやりの心」を頂くことも沢山あるでしょう。
ゆうやには、身体機能向上の訓練の大切さについても話していますが、「思いやりの心」の大切さも伝えていきたいと思っています。


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Profhand(プロファンド)足漕ぎ車椅子に乗って

2010-11-27 12:14:40 | 足漕ぎ車椅子COGY(コギー)関連
ゆうやは毎日、学校から帰ってすぐに、再び、外出をします。
大好きな電車に乗るためです。
最寄りの駅まで10月20日の日記で紹介したProfhand(プロファンド)「足漕ぎ車椅子」に乗って行きます。
乗り始めの頃は、大通りの手前で普段乗っている車椅子に乗り換えていましたが、最近では大通りを渡って駅のエレベーターまで乗って行くようになりました。
ペダルを漕ぎ始めは少々ぎこちないのですが、しばらくすると、スムーズにペダルを動かすことができるようになります。

雨などで足漕ぎ車椅子に乗れない日が続くと、足の動きが悪くなってきます。
就寝前にゆうやの足の動きをチェックするのですが、右足が特に動かなくなってくるのです。
「明日、晴れたら足漕ぎ車椅子に乗ろうね。」

翌日、天気になると、喜んで足漕ぎ車椅子に乗ります。
駅に着くころには足の回転が軽くなっています。
そして夜に足の動きをチェックすると~右足の動きが良くなっているのです。

病院での訓練は毎日受けられません。
でも、体は毎日動かさないと、かたまってきます。
足漕ぎ車椅子が我が家に来てからは、自分たちで対処できるようになってきました。
これは本当に有難いことです。

足漕ぎ車椅子に乗った後に歩行器に乗るとスムーズに足が出ます。
足を回転させることが歩行の準備運動になるようです。

駅でゆうやを見送った後、今度は私が足漕ぎ車椅子に乗って家まで帰るのですが、最初は大通りを渡るのにとても時間がかかりました。
最近は信号が青の間に一気に渡りきることができるようになってきました。
歩道に上がるとき、少しの段差がありますが、すんなり乗り越えることができています。
私はまだ、後進の操作が下手で、エレベーターに乗るとき少々まごまごしてしまいますが、乗り慣れるととても気分がいいと思います。

足漕ぎ車椅子を乗りこなして飛行機に搭乗される方もおられると伺いました。
このProfhand(プロファンド)足漕ぎ車椅子の秘めたる力は、凄いと思います。

ゆうやはまだハンドル操作が上手にできないので介助者が必要ですが、練習したら足漕ぎ車椅子に乗って旅行も夢ではないと思いました。

今日も駅まで乗って行こうね。

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「ゆうやプロジェクト」の縁の下の力持ち

2010-11-26 00:12:15 | 日記

「ゆうやプロジェクト」を推進するにあたって、妹に随分手伝ってもらっています。
名刺サイズの「ゆうやプロジェクト」のカードの制作や、会議の議事録をとってもらったり縁の下の力持ち的役割を担ってくれています。
ゆうやが生まれた時からずっと、私が体調が悪いときなど、いつも妹はゆうやの面倒を見てくれていました。

その妹に昨年、12月癌が見つかりました。
数年前に母を癌で亡くしているので、私はとても衝撃を受けました。
妹には早く癌を摘出して元気になって欲しい、その一心でした。

それなのに、妹は手術を受けることを拒み、食事療法での治療を望みました。
もどかしくてたまりませんでした。
手遅れになって母のようにこの世からいなくなったら、どうするの?
私は従姉妹や夫に協力してもらい、必死で妹を説得しました。

それでも妹は頑固に拒み続けました。

「では、摘出手術以外に妹が納得する治療方法がないだろうかー?」
癌細胞をラジオ波で焼く方法、高濃度ビタミン療法など、調べてみるといくつか見つかりました。

すぐに、それらの治療法を施している医師を訪ねました。
しかし、どの医師も癌細胞を切除する手術を勧めてくださいました。
癌細胞をラジオ波で焼く方法は、癌細胞が大きいと適していないようなのです。
妹の癌はすでにその限界サイズを超えていました。
また、高濃度ビタミン療法は、高額でもあり、手術を受けられない患者さんに適していると説明してくださいました。

従姉妹達に何度も相談しました。
やはり手術を受けるのがベストだという結論に至りました。
私は「どんなことがあっても命を救いたい」という一心で、妹を説得しました。
妹を抱きしめて「私を信じて手術を受けて欲しい!共に生き続けて欲しい!」と心の底から訴えました。

癌宣告を受けてかたくなになっていた妹の心がようやく溶け、手術を受ける決意をしてくれました。
従姉妹達の協力を得たおかげで、翌月、無事手術の日を迎えることができました。
手術は無事済み、私たちは一安心したのでした。

退院して2週間後だったでしょうか、妹の術後の診察について行き、私もついでに癌検診を受けました。
なんとなく検査を受けただけだったのですが、院長先生にその日、私の癌を見つけて頂いたのです。
細胞検査をするまでもなく、エコー検査の結果を見ただけでも悪性だと判るほど周辺リンパに転移していました。
 
何かに突き動かされるように妹を必死で説得していたけれど、その結果私も一命をとりとめることができました。
あの時、母が娘達を助けるために、私に力を貸してくれたかのように思えました。
「姉妹助け合って生きていくのよ。」
母の静かな微笑みと共に、生前の母の言葉が思い出されます。

多くの人に支えられて今の私たちがいます。
今無事に生きていられることに感謝して、私たちは「ゆうやプロジェクト」推進の為、頑張ろうと思います。


(画像は絵本「チリとチリリ」どい かや作 より)

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