久しぶりにパソコンで楽しんだよ

ゆうやは毎日ベッドで過ごしています。
今、入院している病院では、ラジオを聴いたり、テレビを見たりして過ごしています。

テレビを見ると言っても、これと言って何か見たいものがあるわけでもなく、ただテレビをつけているという状態です。
ときどき、ニュースキャスターの挨拶に興味を示しているようですが。

ラジオも音楽を聞き流している感じです。
特に聞き入っているということもなさそうです。

以前入院していた病院では、パソコンをしていました。
私は、ゆうやのパソコンを病室に持って行き、ゆうやに尋ねました。

「パソコンする？」
「今はいい。」

全くパソコンをしようとしません。
よほど体が辛いのでしょう。

昨日、ゆうやは「お昼ご飯を車椅子に乗って食べる。」と言いました。
昼食後、車椅子に座った状態でリハビリを受けました。

リハビリ後、ベッドに戻るのがもったいないような気がして、ゆうやを誘いました。
「ねえねえ、パソコンしてみない？」
ゆうやは「してみる。」と言いました。

この病院に来て初めてです。
約１ヶ月の間、ゆうやはパソコンに触っていませんでした。

電源を入れて～。
よいしょ、よいしょと一生懸命腕と指を伸ばして入力し、You Tubeでいろんな音楽や映像を楽しんでいました。

「踊るポンポコリン」「大阪Lover」などなど。
電車のアナウンスも聴いていました。
最後には工事現場の映像を見ました。

３０分ほど楽しむと、疲れてきたようです。
再びベッドに戻り、うとうとと眠り始めました。

まずはパソコンで楽しむことができて良かったです。


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麻薬系の痛み止め

ゆうやは膝の強い痛みを訴えていましたが、痛み止めと抗がん剤治療のお蔭で随分楽になってきたようです。
痛み止めも麻薬系の薬を使用していましたが、そろそろ必要なくなってきたのではないかなと素人ながら思っていました。

３日前からゆうやの様子がおかしくなってきました。
「ご飯食べた～い。」と言って何か食べると、突然反射的に嘔吐してしまうのです。

おかしいなあ。
抗がん剤による吐き気がする時期は過ぎているのに～。
食欲はあります。
吐き気もありません。
なのに、嘔吐してしまって食べることができないのです。

翌日は食事時や薬の時間の度に嘔吐を繰り返しました。
ゆうやも「どうして？」「どうして？」と悲しみでいっぱいでした。

ドクターにこの症状を伝えると、次のように説明してくださいました。
「この薬は痛みがあるうちは痛みに効くのだけれど、痛みがなくなってくると副作用が強くなってくる薬なんです。自然から与えられた最高の薬です。」

痛み止めの薬を使っていると、痛みがなくなっているのかまだ痛みがあるのか、薬を止めてみないと分かりません。
けれど、この薬を使っていると、症状を見て痛みがなくなってきていることが分かるのです。

何かを口にして反射的に嘔吐を繰り返し、それ以外の時間はひたすら眠い～という症状はこの薬の副作用です。
ということは、ゆうやは痛みがなくなってきているということですね。

辛いけれど有り難いサインです。
早速、麻薬系の薬を止めることになりました。

昨日はすっかり吐き気も眠気もなくなり、目をパッチリ開けてニコニコしていました。
久しぶりに見るゆうやの笑顔に私は心から嬉しくなりました。

それにしても生きるためとはいえ、治療は辛いことが多いです。
まだまだ乗り越えなければならないことが沢山あります。

ゆうやと共に頑張ろうと思います。


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ナースコールを握っていたら眠ることができないよ

ゆうやは手が不自由です。
細かい作業をすることができません。

ナースコールもなかなか押せないので、私が帰るときにナースコールをゆうやの手に握らせ、ネット状になった包帯で手を包んでいました。
けれども、ネットがきつくてゆうやは嫌がっていました。

夏ということもあり、手のひらに汗をかきます。
指も一晩中曲がったままで固定されて、ちょっと可哀想です。

窮屈感から、あまり眠れないと言います。
ゆうやは眠りたいがために、ネットを外そうと試みていました。

ネットを奇跡的に外してほっとしたものの、今度はいざナースコールを押そうとした時に困りました。
ナースコールはどこ？

結局、ナースコールを鳴らすことができず、残念な結果になってしまいました。

そこで、ネットを使わないでもゆうやがナースコールを押せる方法を考えてみました。
私はゆうやの胸のあたりにナースコールを置き、ナースコールのすぐ下のコードをテープで留めてみました。

Tシャツにコードを貼付けて、ナースコールがどこかへいってしまわないようにしたものの、ナースコール自体は上を向いたり、下を向いたりします。
うまく押せるでしょうか。

看護師さんも一緒にそばで見て頂きました。
「ゆうや、一度押してごらん。」

ゆうやは手さぐりでナースコールを触り、右手でぐっと持つことができました。
そして左手で押そうと挑戦し、なんとか押すことができました。

「ピンポーン。」
「鳴った鳴った～♪」

３回ほど練習して大丈夫と分かりました。
これでゆっくり眠ることができます。

私は安心して病室を出たのでした。


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ぼく、電車に乗りたいよ

ゆうやは入院するまで、毎日電車に乗りに出かけていました。

学校から帰ってきてから、電車にGO！
学校を卒業してから作業所へ行くようになってからも、作業所が終わってから電車にGO！

休みの日は、午前中はパソコンで電車の映像を見ます。
午後はいつもよりも長い時間、電車に揺られて楽しんでいました。

そんなゆうやが、入院してからは全く電車を見ることも乗ることもできないのですから、電車への思いは募るばかりです。
「ああ、電車に乗りたいよ～。」

ゆうやはとうとうドクターに直訴しました。
「先生、ぼく、電車に乗りたいです。」

当然、先生からの返事は「う～ん、今は無理だねえ。」という返事です。
ゆうやは分かっていたものの、やっぱりガックリ、、、。

数日後、懲りずにゆうやは直訴します。
「先生、ぼく、電車を見るだけでもいいから。」

すると、先生がにっこりされました。
「ゆうやくん、電車が好きなんだね。来月になったら週末、電車に行ってきてもいい日ができるよ。」

ゆうやは予想にもしていなかった先生の返事に、目を大きく見開いて驚きました。
そして、とても嬉しそうににっこり笑いました。

「行ってもいいの？」
「行ってきていいよ。」

ゆうやは遠くを見る目をして微笑んでいます。
きっと自分が電車に乗っているところを想像して楽しんでいるのでしょう。

良かったね、ゆうや。


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車椅子に乗ったままシャンプーできるかな

ゆうやは、入院するまでは毎日入浴していました。
もちろん、シャンプーで頭も洗っていました。

入院してからは、入浴や洗髪は週に２回となりました。
前の病院ではベッドで寝たままシャンプーする道具を借りて、入浴日以外の日に私がシャンプーをしていました。
（ベッドで洗髪　2012-06-13 10:42:42）

今の病院では、２週間に３回の入浴となり、少し入浴する回数が減りました。
最近は髪は常に短くし、地肌が見えるようにしています。

水のいらない泡シャンプーを使用して、ゆうやの頭皮を清潔に保っています。
けれど、やはりシャワーで洗髪してあげたいなあと思いました。

そこで、何かいい道具はないかとネットで検索してみました。

病室は狭いので、大きな道具は置くところに困ります。
小さくて洗髪を快適にできるグッズはないものかしら～。

最近のゆうやは車椅子で行動する時間が増えてきています。
私は、車椅子に乗ったままシャンプーできないか、考えました。

おや？
これは何かな？
シャンプートレー？

車椅子に乗ったままシャンプーできる道具のようですよ。
これならかさばらず、しまうのにも不便がありません。

私は早速注文しました。
価格も１０００円を切りました。

シャンプートレーが到着するのが待ち遠しいです。
早くゆうやの洗髪をシャワーでしてあげたいと思います。


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