眉が繋がってきたよ

最近、ゆうやは若葉のごとく顔中、毛が生えてきました。

眉も久しぶりに１本に繋がりました。
額や頬、顎、首、と柔らかな毛が覆っています。

このまま放置していると、モーセのようになってしまうのではないかと思うほどです。
高校の頃通っていた散髪屋さんに行きたいところですが、躊躇しています。

抗がん剤で脱毛してしまった場合、皮膚も敏感になっていますから気をつけなればなりません。
どうしたものかと考えていたのですが、いいことを思いつきました。

入院していた病院にある散髪屋さんに行くという案です。
私は、ゆうやに提案してみました。

「電車に乗る時間が減るから、散髪屋さんに行きたくない。」
おっと、断られてしまいました。

来月から作業所へ通うのに、今月中にさっぱりさせたいところなのですがー。
そこで、ヘルパーさんに手伝って頂いて、家で顔そりをすることにしました。

最初、男性用のシェーバーを顔に当ててみました。
「痛っ。」
やはり、長く伸びた毛が引っ張るようです。

次に女性用の顔そりシェーバーで再びトライしてみました。
黒々とした柔らかい毛が綿のように落ちていきました。

お～、なかなかきれいになりましたね。
これでスッキリして初出勤できそうです。

今度は散髪屋さんに行ってきれいにしてもらえたらと思っています。


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久しぶりにアルカ靴店に行きました

先日、ゆうやはアルカ靴店に行きました。

昨年の春に靴の調製を受けたきり、ゆうやは長い入院生活に入りました。
入院中、ゆうやは「アルカの社長さんにお会いしたい。」と切望していました。

ようやく念願叶い、社長さんにお目にかかることができました。
「ゆうちゃん、無事退院できて良かったね。」
社長さんは、笑顔で迎えてくださいました。

入院中、ベッドで過ごす時間が長かったものですから、私はゆうやの足が変形していないか少々心配していました。
足型をとってチェックして頂いたところ、変形していないことが分かりました。

「じゃあ、歩いてみようか～。」
社長さんと店長さんがゆうやの両脇を抱えて、歩かせてくださいました。

「ゆうちゃん、上手に歩けているよ。足もちゃんと前に出ているよ。」
ゆうやは褒めて頂いて嬉しそうでした。

途中、ピョンと両足をあげてしまってお二人にぶら下がってしまう場面もありましたが、なんとか前進することができました。
寝たきりの時間が長かったけれど、足が変形せずに済んだのは、社長さんが選んでくださった装具靴の御蔭です。

「これからもこの靴を履いていたら大丈夫ですから。」
社長さんのお言葉に私は心強く思いました。

その後、ゆうやはいろいろお話をしました。
看護師さんのこと、病院の先生のこと、病院がとても楽しかったことー。
皆さん、笑顔で話を聞いてくださいました。

その夜、ゆうやは言いました。
「明日、またお会いしたいな。」

久しぶりにお目にかかれてとても楽しかったようです。
私もほっと安心した夜でした。


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悪性リンパ腫のフォロー診察を受けました

昨日は朝から、悪性リンパ腫で入院していた病院へ行きました。

病院到着後、まずは、尿検査と血液検査を受けました。
血液検査はいつも失敗して２～４カ所、針を刺すことになるのですが、昨日は１回で成功しました。
「１回で済んだね♪」と、ゆうやも大喜びでした。

尿検査もさっと成功しました。
前回は検査直前にトイレに行ってしまい、その後、水分補給をして四苦八苦しました。

ささっと検査を終了することができ、落ち着いて診察まで待つことができました。
大きな病院ですから、予約をしていても待ち時間が１時間以上ありました。

検査の結果、やはりお寿司はおあずけとなりました。
ゆうやは再びガッカリー。
「いつになったらお寿司が食べられるの？」
ドクターも苦笑いされていました。

会計が終了したころには、もう午後１時になっていました。
病院のレストランで丼を食べてから、小雨降る中、私達は作業所へ行きました。

来月から再スタートとなりますので、最後の打ち合わせに行きました。
４月から給食弁当屋さんが変わるとのことでした。

ゆうやは、お弁当のチラシを食い入るように見ていました（笑）。
「美味しそうだなあ。今度来た時には、お弁当食べられるの？」

ゆうやの頭の中はお弁当でいっぱいです。
お弁当には生ものは入っていないようですから、全て食べることができそうです。

当分、お寿司は食べることができないけれど、新しい給食弁当が楽しみですね♪
食欲旺盛のゆうやです。


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ただ今子育て真っ最中～

ゆうやの髪の毛がだんだん増えてきました。

ほとんど地肌だった状態から少しずつ産毛が生えてくる様子は、大地から草木の芽が出る様子を思わせます。
次々と生まれたての髪の毛が顔を出し、ぐんぐん伸びていきます。

ゆうやの頭を抱きかかえると、ゆうやの頭部だけが視界に入ります。
頭だけ見ていると、ほんとに赤ちゃんのようです。

私は、ゆうやの赤ちゃん時代を思い出しながら「よしよし～。」とゆうやの頭を撫でます。
ゆうやは大満足で嬉しそうにしています。

赤ちゃんから幼児、小学生、中学生と時間をかけてゆうやは成長しました。
振り返ればそれだけの年月が経っているのですが、今から思うとあっと言う間に感じられます。

高校の３年間もあっという間でした。
「高校を卒業するともっと早く感じられるよ。」と人から聞きましたが、本当ですね。
この１年はゆうやの病気もあり、無我夢中で走り抜けてきました。

私はご飯粒を頬につけながら一生懸命食べているゆうやに、尋ねてみました。
「ゆうや、ゆうやは幸せ？」
「どうしてそんなこと聞くの？幸せだよ。」
「生きるの大変？」
「いや、そんなことないよ。大変じゃないよ。」

ゆうやはもう一度、赤ちゃんからスタートしているように思います。
薬の影響もあって失禁も１日に数回あります。
最近、お茶をゴクゴク飲む時のリズムが、赤ちゃんの時のミルクを飲むリズムと同じになってきました。

抱きかかえたり、オムツ替えをしたり、ママは２度目の子育て真っ最中です。
命を頂いたことに感謝して感謝して奮闘しています。


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同じことを繰り返して

ゆうやは、好んで同じことを繰り返す習性があります。

あるヘルパーさんには同じことを質問し続けていました。
「どうして人の靴を踏んだらいけないの？」

ヘルパーさんは、根気よく丁寧に答えてくださいました。
「それはね、人の靴を踏んだら失礼になるからだよ。」

ゆうやはとても嬉しそうに答えを聞いています。
そしてしばらくするとまた、尋ねるのです。
「どうして人の靴を踏んだらいけないの？」

ゆうやは会話を楽しんでいるのだそうですが、同じ質問を繰り返しされると、いい加減、答える方も嫌になってくると思います。
彼は嫌な顔１つせず、いつも同じように返事してくださいました。

１００回、２００回、そして１０００回と同じ質問が繰り返されたと思います。
かれこれ２年間、それが続きました。

そして３年目に入ると変化が起きました。
ゆうやが質問を変えたのです。

「どうしてご飯を食べなければならないの？」
「どうして寝なければならないの？」
「どうして電車は走るの？」

違う質問が次から次へと出始めました。
ヘルパーさんが、答えに困るような難しい質問も出るようになりました。

同じ質問をしていると思っていたら、いつの間にか次のステップに上がっていました。
ゆうやのような障害を持っている子は、ある日突然、次の段階に進みます。

それは、愛情によって支えられて成されると思います。
ゆうやは、いろんな人の愛情に支えられて成長させて頂いています。


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