瞳をキラキラさせながら、ゆうやは今日も足こぎ車椅子COGYに乗って頑張っています。体が不自由だけれど、なんのその～。
ゆうやが通っている作業所では、毎年、研修旅行に出かけています。
今年はいつかな？いつかな？と首を長くして待っていました。
ところが、いつまでたっても案内が来ません。
残念ながら、今年は企画そのものがないのだそうです。
職員さんの入れ替えが多数ありましたので、新しい職員さんばかりでは宿泊は無理と判断されたそうです。
ゆうやはとても残念そうでした。
でもね、皆でバーベキューをすることになったそうです。
それは楽しい企画ですね。
バーベキューは今週土曜日に予定されています。
車の送迎計画表も特別に作られました。
職員さんたちは、今日の午後から買い出しに行かれるそうです。
けれど、天気が気になるところです。
明日は雨かもしれません。
雨ですと、中止となります。
旅行も中止、バーベキューも中止となりますと、ゆうやをはじめ、利用者さんたちはまたガッカリしそうです。
雨が降らないことを祈っていますが、こればかりはどうすることもできません。
もし雨天なら、ゆうやはヘルパーさんにお願いして電車に乗りに出かけたいと言っています。
しか～し、急な変更ですから、ヘルパーさんがいらっしゃるかどうか分かりません。
やきもきする１日です。
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ゆうやは最近、とても膝が痛いと言います。
これはゆうやが自分で原因を作っています。
何か思うようにならない時に、膝をわざとテーブルに打ち付けるのです。
「そんなことをしたら膝を痛めるよ。」といつも注意するのですが、一向に聞き入れようとしませんでした。
ある日、とうとう膝が赤く腫れてしまいました。
「お母さん、膝が痛いよ。」
ほらほら、だから言っているでしょう～。
昨日、リハビリ病院で院長先生の診察がありました。
院長先生に膝を診て頂きたいと、お願いしました。
「あれまあ、膝が丸く赤くなっているよ。」
院長先生は膝周辺を押さえて「ここは痛い？ここは？」と尋ねてくださいました。
「じゃあ、湿布を出しておこうかな。」
ゆうやはガッカリしていました。
「院長先生、入院しなくてもいいのですか？」
「入院？入院なんてしなくていいよ。」
ゆうやは、しばらく入院して看護師さんとの会話を楽しみたかったようです。
「君は～。」と、院長先生はあきれて笑っておられました。
帰宅して湿布を貼ったのですが、数時間後、皮膚がかぶれてしまいました。
今度また、かぶれたことを院長先生に報告しようと思います。
ゆうやには、それまでに話しておかなければ～。
「皮膚がかぶれたぐらいで入院しませんよ。」
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昨日、ゆうやは悪性リンパ腫で入院していた病院へ行きました。
御蔭様で血液検査の結果は良好でした。
気になっていた肝臓の数値も良くなっていました。
病院を出た後、ゆうやはヘルパーさんに電車に乗りに連れて行って頂きました。
JRに乗ったり地下鉄に乗ったり～。
駅でトイレに行きたくなり、身体障害者用のトイレに向かいました。
すると、さっと高校生が２人、身体障害者用のトイレに入りました。
彼らはトイレで煙草を吸っていました。
なんということでしょう！
しばらく待っても出て来ないので、ヘルパーさんがノックをしました。
彼らはその後、出て来たのですが、トイレは煙がこもっていました。
ヘルパーさんは、彼らに注意をしました。
ふと見ると、ゆうやはモジモジしています。
ゆうやは彼らが煙草を吸っている間、我慢し切れず、おもらししてしまいました。
可哀想に、シャツもズボンも濡れてしまいました。
身体障害者用のトイレで煙草を吸うなんて、言語道断です。
しかも高校生が！
ヘルパーさんは、ゆうやの濡れた服を脱がしてくださいました。
そしてカバンから着替えを出して、着せてくださいました。
寒い時期でなくて良かったです。
トイレでは煙草を吸わないでほしいものです。
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ゆうやは、毎日ペットボトルのお茶と蒸留水を飲んでいます。
蒸留水は自宅で作ったものを飲んでいますが、お茶はゆうやが選んで購入しています。
その時々で好みが変わるらしく、今はいろんなものに挑戦しています。
ゆうやは子供時代、なかなかお茶やお水が飲めず、苦労しました。
お水は高校生になって、やっと飲めるようになりました。
お茶は、長い間、ブレンド茶を好んで飲んでいました。
私はゆうやの好みが変わることがなかったので、生協でまとめてブレンド茶を注文していました。
今年の夏、その好みが変わりました。
今まで何度も緑茶を薦めてきたのですが、ゆうやは緑茶の良さが分かりませんでした。
ある緑茶を飲んだときに「美味しい！」とはまったようです。
それ以降、いろんなお茶を選択するようになりました。
「今日はほうじ茶を買ってみたよ。」
「どうだった？」
「美味しかったよ♪」
ほ～、なかなか成長しているではありませんか。
先日、ヘルパーさんと出かけたとき、ゆうやは玄米茶を見つけました。
「ボク、玄米ごはんが好きなんです。だから、今日は玄米茶を買ってみます！」
ゆうやは嬉しそうに玄米茶を一口飲みました。
「う～。玄米ごはんと味がちがう～。」
ゆうやはちょっとガッカリー。
玄米茶で玄米ご飯を味わえると思ったのですね。
いろんな種類のお茶を試すのが、今のゆうやの楽しみの１つです。
そんなゆうやの姿を見て、お茶好きの私はとても嬉しく思います。
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ゆうやは窓口で切符を買う際、とても早口になってしまいます。
「ゆうや、ゆっくり言う練習をしようか～。」
「練習なんてしないよ！」
あらまあ、意固地になって、、、。
「練習したらうまく言えると思うよ。」
「いや！いや、いや、いや～！」
困りましたねえ。
早口のままだと切符を買うことができません。
「ゆうやはいつも何て言っているの？」
「◯◯駅まで片道２枚お願いしますって、言ってるよ。」
一気に用件を言うから通じないのかもしれません。
「◯◯駅まで行きたいのですが、◯◯駅までお願いします。片道２枚お願いしますって、分けて言ったらどうかな？」
この提案も最初は受け入れ難いようでした。
「分けてなんて言わない！◯◯駅まで片道２枚！」
そこへヘルパーさんが来られました。
私はヘルパーさんに「ゆうやに分けて言うことを提案している最中なのよ。」と伝えました。
ヘルパーさんは「ああ、それは良い考えですね！分けて言った方が伝わりやすいですよね。」とおっしゃいました。
それを聞いてゆうやも納得したようでした。
そして、今日、JRの窓口で無事ゆっくり話すことができたそうです。
「お母さん！分けて言ったら通じたよ！」
ゆうやはとても嬉しそうでした。
ああ、良かったです。
ゆうやの中でこだわりがあったようですが、こだわりが溶けて良かったなあと思いました。
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