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ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

高浜町元助役の心理と真理

2019-10-08 14:43:15 | 日記
福井県高浜町の元助役・森山栄治氏。関電の原発誘致に深く関わったとされる人物である。不可解にみえる彼の心理を探るため、彼の出自に身をおいて考えてみよう。

きのう取りあげた池田信夫氏の記事《差別発言を糾弾する人々が差別を再生産する》が指摘するように、森山氏が被差別の出身であり、解放運動に携わっていた人物だとすれば、彼は自らの出自に対して、否定(反発)と肯定(愛着)のアンビバレントな感情を持っていたはずだ。斥力と引力。それが宿命のように、彼を故郷に結びつけていたに違いない。

斥力と引力と書いたが、この二つは、高浜原発の設立をめぐる主だったファクターの、その各々を結びつけるきわめて特徴的な力関係だと言えるだろう。

まずは関電と、高浜町。関電はこの土地にドル箱の原発施設を設置しようと目論んでいた。その限りでは、関電は「引力」という力によって高浜町に結びついていた。
反面、この土地に設置される原発施設が高度の危険性(リスク)を有し、その意味では厄介な「迷惑施設」になりかねない点で、関電はこの土地に「斥力」によって結びついていた。

では、森山氏と関電幹部との関係はどうだったか。森山氏は、関電が設置を目論む原発施設を誘致し、それによって町の財政を潤わせ、そのことで町の有力者に成り上がろうと目論んでいた。その限りでは、彼は関電の幹部と「引力」という力で結びつきたいと望んでいた。

にもかかわらず、関電の幹部と何度も交渉を重ねるにつれ、彼は、自分を見る彼らの目が「上から目線」であることを感じないわけにはいかなかった。夜ごと密室で彼らと酒を酌み交わし、歓談しながら、胸の内の深い部分で、不快感を懐かないわけにはいかなかった。

一般の市民が被差別に投げかける、あの見下すような視線、それと同質の視線を、彼ら関電の幹部は、自分や役場関係者、高浜の住民たちに向けている。ーー森山氏はそう感じ、強い「斥力」が自分と関電との間に働いていると感じたはずである。

さて、以上のような関係性があるとき、〈カネ〉というファクターはどう作用するのか。この点については、あす論じることにしよう。
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