ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

医師と働き方改革

2024-06-15 11:07:38 | 日記
最近はニュースを聞くとき、(別のことを考えながら)漫然とアナウンサーの言葉を聞き流していることが多い。
きのうがそうだった。NHKの「ニュース7」をつけながら、夕飯をとっていると、
「そんなことになったら、外科のお医者さんなんか、どうするのかしら」
妻が言う。
「え?」
と、上の空の私。
働き方改革の話よ。病院が働き方改革を導入したら、外科のお医者さんは困るのではないかしら。手術を途中で止めるわけにはいかないわけだし・・・」
「うむ。困るのは医者というより、患者のほうではないのかな。『時間ですので、私はこれで帰らなければなりません』などとオペの途中で言われたら、それこそ目も当てられない」
答えながら、私は去年の正月のことを思い出していた。東京で保険会社に勤めている長男が、半年ぶりに帰省したときのことである。
「*男が正月に帰ってきたとき、言っていたよな。最近は残業が認められず、時間がくると会社を追い出されるのだそうだ。残業が『当たり前』から『不適切』になるなんて、時代も変わったものだ」
「ホワイトカラーの会社員ならそれで済むけど、外科のお医者さんはそういうわけにはいかないわ」
妻は終始「外科医の働き方改革」にこだわっていた。

夕食を終え、自室に戻ってネットで調べると、今年の4月から、医師の時間外労働時間は原則として年960時間、月100時間未満に制限されるという。
まあ、「原則として」とあるから、オペが尻切れトンボになりそうな場合は、制限時間の超過も許されるのだろう。緊急を要しないオペは、できる限り「勤務時間内」に実施するように配慮されることになるに違いない。
「働き方改革」を導入することで、なるほど医師の過労死はなくなるのだろうが、我々患者のことも考えてもらわないと困るわけで・・・。

コメント
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