ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

ヨシモト芸人も真っ青の自衛隊派遣噺

2019-10-17 20:38:56 | 日記
なんて酷い話なんだ!と、無性に腹が立った。次の記事を読んだからである。

「首都圏を直撃した台風19号。断水が発生した神奈川県山北町で、到着した自衛隊の給水車に、県が『待った』をかけ、水が捨てられるという信じがたい事態が起きた。
人口約1万人の山北町は県の最西端に位置する。丹沢湖があり、夏はバーベキュー客で賑わう。 12日夜、台風19号は神奈川県を直撃し、山北町で断水が起きた。町は、約20キロ離れた駒門駐屯地(静岡県御殿場市)の陸上自衛隊に『翌日(13日)、給水車を要請するかもしれない』旨連絡していた。13日朝4時に、自衛隊から『県知事から防衛相に自衛隊の派遣要請をする必要があります。町は県に依頼してほしい。自衛隊としては、給水車3台を午前6時に出発させます』と連絡があった。
早速、町の防災課が県に依頼すると、マニュアルを盾に難色を示した。県のマニュアルによれば、自衛隊の派遣要請は、どうしようもなくなった時の最終手段だが、山北町の状況は該当しないというのだ。
給水車3台は午前7時少し前に町に到着。県と町で押し問答が続いたが、県は最後まで首をタテに振らず、給水車3台の貴重な水は捨てられた。結局、県が別途手配した給水車は2台で、到着も13日の午後と遅れた。」
(日刊ゲンダイDIGITAL10月15日配信《台風19号で断水 町の自衛隊給水支援に神奈川県が“待った”》)

町(山北町)は、自衛隊の給水支援を緊急に必要としていた。それなのに県(神奈川県)は、マニュアルを盾にとり、町の要請をブロックしたというのだ。県の職員は一体、町の住民の窮状をどう考えているのだ! ッたく、役人という奴は、どうにも始末に負えない唐変木だ。他人の痛みが解らず、融通がきかないこと、この上ない、ッたくもう、けしからん!

怒りにまかせて神奈川県のホームページを開くと、そこには黒岩県知事の次のような「ご説明」と「お詫び」の言葉が掲載されていた。

「台風19号の被害に伴う山北町の給水支援についてご説明します。
まず、自衛隊の給水車が到着していた中で、柔軟に、給水をお願いするなどの対応ができず、速やかな給水ができませんでした。被災された町民の皆様には心よりお詫び申し上げます。
この経緯についてですが、
10月13日の午前1時ごろ、山北町から「今後、断水のおそれがあり、自衛隊の給水支援要請を県に行うことになるかもしれない」との連絡が、県(災害対策本部の統制部)にありました。
その後、午前6時過ぎに、町から県に対して、自衛隊の派遣要請についてファックスで依頼がありました。
一方、自衛隊の災害派遣要請を判断する基準として、「緊急性」「非代替性」「公共性」の3つの原則があります。
県は、今回の台風を迎えるにあたり、県企業庁の給水車の準備を行っていました。
そのため、自衛隊災害派遣の3原則に照らし、他に取りえる手段がないという、「非代替性」の条件を満たさないため、すでに準備を整えていた県の給水車を優先させる、との判断をしたものです。
また、県から要請がない中で、自衛隊の給水車が町に到着したことになりますが、その事実を知った自衛隊から、撤退の指示が出されたと承知しています。
事実として、自衛隊の給水車が到着していた中で、柔軟に、給水をお願いするなどの対応ができませんでした。速やかな給水ができなかったことは真摯に受け止めたいと思います。
令和元年10月16日
神奈川県知事 黒岩 祐治 」

ポイントは、「非代替性」をどう考えるかである。自衛隊の災害派遣には「県からの要請」という要件もあるが、県が町の災害派遣要請を認めるかどうかは、県がこの「非代替性」をどう判断するかに掛かっている。

10月13日午前6時の時点で、自衛隊への災害派遣の要請は、ホントに「非代替性」の要件を充たしていなかったのだろうか。県は「今回の台風を迎えるにあたり、県企業庁の給水車の準備を行っていた」と言うが、この場合、必要とされていたのは、「川北町の住民に、一刻も早く飲料水を届けること」である。

県が「県企業庁の給水車」を手配すべく、準備を行っていたとしても、この準備作業は、自衛隊の災害派遣を「代替」するものにはなり得ない。事実、県が手配した給水車の、その到着は13日の午後のことであり、自衛隊の到着よりも大幅に遅れたというではないか。自衛隊のほうがずっと早く、給水車3台分の水を用意して待機していたというのに、そして、それを必要としていた住民が多数いたというのに、結局、この水は使われることなく、捨てられたというのだ。ッたく、もう、滑稽すぎて涙が出てくるぜ。

まあ、県のお役人には自分の頭で考え、判断する能力がないらしいから、マニュアルに頼るしかないのだろう。とすれば、マニュアルをもう少しマトモなものに改めるしか手はない。現行のマニュアルは、自衛隊を毛嫌いし、「なるべくなら、あいつらのお世話にならずに済ませよう」と考える、左巻きのトンカチ頭が作ったのだろう。改正案は、もっと柔軟な頭を持ち、人情に篤い人に作ってもらいたいものだ。
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