ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

シャングリラ・ダイアローグ 「対話」の難しさ

2024-06-03 09:34:45 | 日記
シャングリラ・ダイアローグ。ダイアローグ(対話)を通して地域の軍事的緊張を緩和し、平和を実現しようとする試みである。その思いは解らないではないが、これが実現には程遠い、ある意味、虚しく不毛な企てであることを、きょうの朝日新聞の記事は伝えている。

(シャングリラ・ダイアローグ2024)中国、埋めがたい溝 国防相、司会者遮り台湾問題繰り返す
シンガポールで開かれた『アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)』で2日、中国の董軍国防相が初めて演説し、台湾統一に向けた中国の立場を一方的に主張した。台湾の民進党政権や米国を念頭に『台湾独立分子』『外国勢力』と繰り返し、会議に参加した国との埋めがたい溝が際立った。
『中国の国防政策は、和をもって貴しとなすだ』。董氏は34分間の演説で、台湾や南シナ海などの問題で中国の立場を強調しつつ、『中国は拡張政策も覇権も唱えていない』と主張した。
董氏の口調が厳しくなったのは、質疑応答に移ったときだ。
まず、韓国の出席者が『大臣が話したことと、中国が行っていることは全く逆だ』と指摘。米国やドイツの出席者らは台湾やウクライナ情勢で中国の立場をただした。
すると、董氏は『時間が限られている』などとして個別の質問には答えず、『台湾は中国の一部であり、一つの省だ』と切り出した。
『なぜ今日のような状況が生まれているのか。大きな原因は外部勢力による共謀や支援がある』。董氏は、中国政府が敵視する台湾の民進党政権に防衛支援をする米国を念頭に、議員が訪台したり、武器を売ったりしていることを強く批判。その後も米国を念頭に、批判が止まらない。
しびれを切らした司会者から『ほかの質問にも回答を』と促されても、『台湾は(中国の)核心の中の核心の問題だから』と遮り、再び台湾の話題に。『中国軍はいつでも容易に独立勢力の武装に立ち向かうことができる』などと述べ、司会者から再度注意されても主張を続けた。

(朝日新聞6月3日)

自分に都合のよい弁舌を一方的に言い募るだけで、相手の言い分に全く聞く耳を持たない、ーーこれが「対話」と言えるのだろうか。
「対話」が成りたてば、緊張は緩和されるのだとしても、こういう場での「対話」はいかに難しいことか。
嗚呼、平和への道は遠い。
やんちゃな厄介者との「対話」は容易ではない。

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