ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

テレビ討論会 人は見た目が

2024-06-29 10:55:52 | 日記
きのうの午前10時頃だった。テレビをつけると、ちょうどアメリカ大統領選のテレビ討論会が始まるところだった。HNKの画面には、演壇に立つバイデン大統領とトランプ前大統領の姿が映された。

私は気が短い。チャンネルを民放に切り替えると、討論会はすでに始まっているらしく、同時通訳の女性のかん高い声が飛び込んできた。その早口の日本語は私の頭には入らなかったが、大統領候補の二人はどうやら政策論争を交わしているらしい。

「うらやましいな・・・」。私は先日、日本の国会で交わされた退屈極まる党首討論を思い出した。役人が作った原稿を読みあげる岸田首相の、気の抜けたビールのようなとぼけた姿。
それに比べると、こちらの二人は、原稿を読み上げることもなく、それぞれ自分の言葉で真剣に政策論争を交わしていた。

ただ、いかんせん言葉の壁がある。同時通訳の女性の早口が頭に入らず、私はイライラしながらテレビのスイッチを切った。訪看さんの来る時間が迫っていた。

私が言いたいのはそのことではない。きのうのことではない。読者に聞いてもらいたいのは、けさ、スマホで「朝日新聞紙面ビューアー」を開いたときのことである。紙面の第1面には

(アメリカ大統領選2024)バイデン氏、高齢不安あらわ テレビ討論会、民主に打撃

の見出しが打たれ、

第2面には

『惨敗』バイデン氏交代論も 言い間違い重ね、3秒動けず

の見出しが打たれていた。

記事本文には

バイデン氏は全米の視聴者を前に、高齢による衰えをうかがわせる言動や所作を繰り返し、惨敗と言える結果に終わった。党内で動揺が広がっており、バイデン氏に撤退を求める声も上がり始めた

とある。

要するに、政策論争の中身ではなく、両者の「見てくれ」がこの討論会の勝敗を決めたということである。人は歳には逆らえない。バイデン氏の「よぼよぼ老人」ぶりが、視聴者に「俺たちの国を、こんなジジイに任せて良いのか?」という疑念を抱かせたのだろう。

人は見た目が9割」。どこかで聞いたことのある文句だが、手短にいえばそういうことである。日本の党首討論の場合も、「返答に詰まって、天をあおぐ首相」の見た目よりも、「淡々と(淀みなく)原稿を読み上げる首相」の見た目のほうがポイントを稼げる、との判断が働いているのだろう。それが却ってこの場をつまらないものにしているのだが。

どうでもいいけど、自分の言葉で、熱心に政策を論じる政治家同士の、サシの真剣勝負が見たいものだ。そう思ったきょうの天邪鬼爺である。

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