ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

母に会いに行く

2024-06-06 09:38:00 | 日記
備忘のために書いておく。

きのうは母が入所している有料老人ホームに出かけた。私が住むT市から、車で40分ほどのI市にある。妻が運転する車に乗って出かけた。
コロナ禍もあり、母とは長らく会っていなかったが、「もうそろそろかも」と妻が言う。きのうのことである。その老人ホームの看護師さんから妻の携帯に電話があり、「胃ろうの食事が残るようになってきている」と報告を受けたという。母は99歳。生物には寿命というものがある。仕方のないことだ。母もいよいよ、ということなのだろう。
母は最近、眠っていることが多く、ほとんどの時間、意思の疎通がとれない状態だということだったが、最後にひと目だけでも、という思いから、私は出かけたのである。

母の居室に入ったとき、母はベッドに横になり、身体を丸めて眠っていた。「**さ〜ん、息子さんですよ〜」と、看護師さんが大声で声を掛けると、しばらくして母は徐々に目覚めた。薄っすらと目を開き、私の方に腕を伸ばして、「あ、あ〜」と何かを言いたげだった。言葉にはならない。
けれども、私は母との意思の疎通がかなったと思った。「久しぶりだね、元気?」と私は言った。返事はなかった。でも、私はそれで満足だった。来た甲斐があったと思った。

行き帰りに車で通った国道の風景は、両側に夏草が生い茂り、何年か前とちっとも変わっていなかった。これまで何度も通った道。立ち並ぶ商店の建物もほぼ同じだった。懐かしい風景だ、と私は思った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする