ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

イスラエルの人質救出作戦と米軍の関与

2024-06-11 09:46:04 | 日記
目的のためには手段を選ばず。それが相も変わらぬ米軍の性(さが)なのだろうか。それとも、〈軍〉という戦闘組織は、しょせんそういう性を持っているのだろうか。

きのうの朝日新聞は、イスラエルの人質救出作戦に米軍が関与していたと報じている。
この作戦によって救出された人質は4人、対してガザ地区の一般市民の犠牲者は274人に上ったという。4人の救出のために、274人の住民の命を奪うことを厭わない、ーーこれでは、米軍が戦争に勝つために、ヒロシマ、ナガサキに原爆を落として14万人の日本人住民の命を奪ったのと変わらないではないか。

イスラエルの人質救出作戦に米軍が関与したとの衝撃的な情報は、きのうの朝日新聞によるものだが、きのうはあいにく新聞休刊日。「号外」にのせられた情報に基づいている。

きょうの朝日には、もっと詳しい情報が出ていた。

イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ中部ヌセイラトで実施した作戦では人質4人を救出したが、それをはるかに上回るパレスチナ人の犠牲者が出た。(中略)
米ニューヨーク・タイムズは、米国とイスラエルの当局者の情報として、イスラエルに滞在する米国のチームが作戦に関係する機密情報をイスラエル側に提供したと伝えた。

(朝日新聞6月11日)

イスラエルに向き合うアメリカの姿勢は、欺瞞と偽善に満ちている。イスラエルによるガザ攻撃に対して、バイデン米大統領は「人道支援に当たる人々や住民を充分に保護していない」と非難したというが、この非難の姿勢が(アメリカの大学生による激しいイスラエル−米政府批判運動をかわすための)口先だけの「なんちゃって非難」であることがよく分かる。

ああ、目的のためには手段を選ばず!政権維持のためには、「なんちゃって」の偽善も厭わない。『君主論』を書いたリアリストの思想家・マキャベリは、闘争のさなかにおかれた人々の性(さが)をよく知っていたと言うべきだろう。
やれやれ。


コメント
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