ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

2つの性犯罪

2024-06-27 10:44:17 | 日記
きのうのことだが、スマホで「朝日新聞紙面ビューアー」を開くと、2つの見出しが目に飛び込んできた。
最初に飛び込んできたのは、

米兵、少女に性的暴行か 沖縄、3月に起訴 不同意性交罪

という見出しだった。

「またか!」
私の中に言いようのない怒りが湧き上がった。

記事には
沖縄では戦後、米軍関係者による事件・事故が繰り返されてきた歴史があり、地元は強く反発している
とあり、また、

玉城デニー知事は25日、記者団に『基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている県民に強い不安を与え、女性の尊厳を踏みにじるもの。強い憤りを禁じ得ない』と述べた

と書かれていた。全くその通りだ。

基地と相即不離の米兵の性犯罪、ーーこうした卑劣な犯罪をなくすには、基地そのものをどうにかしなければならない。日本はいつまでアメリカの占領下におかれているのか!

憤りを覚えながら記事から目を離すと、もう一つの見出しが目に飛び込んできた。

大阪地検元検事正を逮捕 在任中、部下に性的暴行疑い

記事本文にはこう書かれていた。

大阪高検は25日、大阪地検トップの検事正を務めた弁護士の北川健太郎容疑者(64)=京都府=を準強制性交の疑いで逮捕し、発表した。北川容疑者は2018年2月~19年11月に検事正を務めていた。関係者によると、逮捕容疑はこの時期のもので、被害者は当時の部下で酒に酔っていたという。

文春ネタを思わせる猥雑さに、私の下世話な好奇心は激しくそそられた。しかしあろうことか、こう書かれているではないか。

高検は記者会見を開かず、具体的にいつ、どこで行為に及んだのかという容疑の内容や、認否については明らかにしなかった。高検の小橋常和・次席検事は『被害者のプライバシーを保護するためだ』としている。

この事件については、社会面に詳しい論評があり、そこにはこう書かれていた。

ジャーナリストの大谷昭宏さんは『性犯罪の被害者のプライバシー保護は必要だが、容疑内容を一切公表しないのは公権力の行使として許されない。プライバシーに配慮しつつ、事件の日時などできる限り情報を公開すべきだ』と話す。

そうだ!全くその通りだ。興味本位で記事を読みはじめた私だったが、いつか義憤にとらわれていた。大谷昭宏氏のコメントは、その私の義憤の正体を明らかにしてくれていた。

私は胸のつかえが下りた気持ちだった。ここでふと我に返った。沖縄の米兵に対して覚えたあのどうしようもない憤り、ーーその憤りを忘れてしまっている自分に気づいたのである。

そして思った。ーーも、もしかしたら紙面の第1面における2つの見出しの微妙な配置は、米軍基地に対する日本国民のやり場のない憤りの、その切っ先を鈍らせるために仕組まれた策略ではないだろうな・・・。

コメント
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