ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

老いを噛みしめる日々

2024-06-28 14:34:00 | 日記
人には寿命がある。人は必ず老い、そして死ぬ。
だが我々は、ある日突然フッと寿命が尽き、ピンピンコロリと亡くなるわけではない。
亡くなる前の数カ月、あるいは数年の間に、老いが我々の身体にこっそりと忍び込み、我々の身体を否応なく蝕み始める。
蝕まれるのは目や、耳や、口といった諸器官である。

私は数年前に口がやられた。歯がぼろぼろと抜けはじめ、今では入れ歯が欠かせない。
デイサの送迎車で一緒になることが多い私の(年上の)知り合いは、目がやられた。数日後に白内障の手術を受けるのだそうだ。

入れ歯や白内障の手術程度なら、まだ良い。数年前から、私は起床に難儀するようになった。ベッドから起きようとすると、腰が激しく痛む。だから地雷を避けるように、そろ〜り、そろ〜りと、時間をかけてゆっくり、ゆっくり上体を起こすしかない。
毎朝のように繰り返さざるを得ない無様なこの苦痛との戦いーー。憂鬱なこの朝の儀式は、何度繰り返しても馴れることができない。

長生きは幸福なことか?

若い頃だったら、私はこの問いに対して、迷うことなくYESと答えただろう。だが、老いてからの日々の暮らしがこれほど苦痛に満ち、不快感に満ちていることを知った今では、私はこの問いに手放しでYESと答えることはできない。

寿命が長い人は、長い人生をーーそれも苦痛と不快感に満ちた長い人生を、だらだらと背負って生きるしかない。
長い人生が、苦痛のない快適な人生になることは、きわめて稀なことだ。
苦痛に満ち、不快感に満ちた長い人生を、だらだらと背負って生きる。ーーそれが我々ヒトに課された宿命だとしたら、我々ヒトはなんとも呪われた不幸な生き物と言うしかない。やれやれ。

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