ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

原発の増設だって⁉

2024-06-16 10:45:36 | 日記
この国の政府は、一体何を考えているのか。フクシマの原発事故以来、政府は「原発依存度を可能な限り低減する」との方針をかかげ、しばらくは原発の再稼働や増設に慎重な姿勢をとり続けてきた。ところがこのたびの「エネルギー基本計画」の改定では、原子力を最大限活用するとし、「次世代革新炉の開発・建設に取り組む」と記すとともに、原発の増設を認める検討に入ったという。

国のエネルギー政策の方向性を示す『エネルギー基本計画(エネ基)』の改定にあたり、経済産業省は、原発の増設を認める検討に入った。老朽原発の廃炉を条件に、その分だけ別の原発でも原子炉を増やせるようにする。国内の原発の総数は増えないという理屈だが、これまでのエネ基では『原発依存度を可能な限り低減する』との方針を掲げており、整合性が問われる。
(朝日新聞6月16日)

しかもである。「エネルギー基本計画(エネ基)」は直截に「原発の増設」と書くのではなく、「リプレース」という言葉でお茶を濁そうとしている。なんとも姑息なやり方ではないか。
replaceとは、辞書を引くと、「古くなったものを新しいものに取り替える」とある。実際、その通りなのだろうが、聞き慣れない外国語の煙幕により、一般国民を煙に巻こうとする意図がありありである。

おそらく政府は、「原発の増設」や「原発依存度の引き上げ」への方針転換が、国民に受け入れられないことをよく知っているのだろう。
なにしろ使用済み核燃料の最終処分場は、まだ決まっていない現状にある。これでは原発の運用システムが「トイレなきマンション」と揶揄されるのも、無理からぬことだ。

それに原発は、いったん事故があれば周辺地域に及ぼす影響が甚大で、その尻拭いの費用まで考慮すれば、決してコスパに優れた安価な発電システムとは言えない。これは火を見るよりも明らかである。

にもかかわらず、政府はなぜこうまで原発にこだわり、いまだにこれの推進策をとり続けるのか。時代遅れの天邪鬼爺の頭では、どうしても理解できない。
やれやれ。

コメント
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