ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

撤退を否定したバイデン その真意は

2024-06-30 10:40:43 | 日記
バイデン大統領がテレビ討論会でトランプ前大統領に惨敗した。81歳のこの老人は大統領選から撤退すべきだ、との声が民主党内からも出ている。

きのうは新聞もテレビも、この話題で持ちきりだった。きょうの朝日新聞によれば、バイデン大統領は次のように述べて、撤退の意思を否定したという。

仕事を全力で成し遂げられると心から信じていないのなら、再び立候補することなどあり得なかった
(朝日新聞6月30日)

バイデン大統領は今、(トランプとではなく)自らの〈老い〉と戦っていると言えるだろう。「見た目」(フィジカル)の老いと戦い、見えない内面(メンタル)の老いと戦っている。上の発言は、「私はフィジカルでは老いたが、メンタルではまだまだ元気だ」と言おうとしているのだろう。

だが、これに対しては、次のように言いたがる人も少なくないに違いない。「仕事を全力で成し遂げられる」とあなたは信じているらしいが、その信念だって老人性のボケからくる妄想とちっとも変わらないのではないかーー。

バイデン大統領がおかれた窮状は、私には他人事とは思えない。先日のブログで、私は次のように書いた。

「寿命が長い人は、長い人生をーーそれも苦痛と不快感に満ちた長い人生を、だらだらと背負って生きるしかない。長い人生が、苦痛のない快適な人生になることは、きわめて稀なことだ。」

こう書いたからといって、誤解しないでもらいたいのだが、私はべつに絶望しているわけではないし、不満を懐きながら暮らしているわけでもない。

「苦痛と不快感に満ち」ているのは、あくまでもフィジカル面でのこと、メンタル面でいえば、私は毎日をそこそこ楽しみながら過ごしている。私は週に2度、デイサに通っている。スタッフのおばさんたちと言葉を交わしながら、そこで過ごす時間は、どちらかといえば楽しい部類に属している。

フィジカルとメンタルって、そんなにはっきりと分けられるものなのか、と疑問を懐く人もいるだろうが、私の場合、デイサに身をおいている間は、フィジカル面での「苦痛と不快感」を忘れ、元気なおじさんのような気持ちで、スタッフのおばさんたちと接することができるのである。

先に私は「バイデン大統領がおかれた窮状は、私には他人事とは思えない」と書いた。その理由はもうお解りだろう。「仕事を全力で成し遂げられると心から信じていないのなら、再び立候補することなどあり得なかった」という彼の言葉は、(老人性のボケからくる)妄想が言わせた言葉などではなく、額面通りに受け取るべきだと私は思うのである。彼はフィジカル面ではともかく、メンタル面では(私と同様)まだまだ若い。私はそう信じたいのである。


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