井上荒野さんの新刊は、結婚詐欺師のこと。
最近では、被告が女性の事件が裁判で話題になっていましたが、
本書は中年の男、古海が、女たちをたぶらかしていくのです。
表紙の萌える緑の色がとてもキレイです。
潔いほどすっきりとした装丁は、何を物語るのか・・・。
だまされた女たちや、古海の妻や愛人、その夫やバーテンダーといった
人たちによって、古海は語られ、
また古海自身によっても、よく分からない胸の内が見せられます。
軽やかに女たちの隙間をすいすい泳いでいるように見えて、
ちっとも幸せそうでない古海。
だまされたと分かっても、そんな男を恋うる女たち。
井上さんの小説は、“嘘”をキーワードにしたものが多い気がします。
“嘘”には、必ず自然な流れをせき止めるような、
無理やり方向を変えてしまうような、怖い何かが潜んでいるように思うのです。
たとえ取るに足らない小さな物であったとしても、
“不穏”な雰囲気を忍び寄らせるような、
ざわざわ落ち着かない気分にさせられるのです。
本書は、父親の井上光晴さんがかつて書かれたモノと同名の小説だそうです。
井上光晴作品も、結婚詐欺師を扱っているとの事で、
当然それを意識して書かれたのだそうです。
生前には、文学の話などできなかったと井上荒野さん。
今ならどんな話をされるのか、とても興味のあるところですね。。
最近では、被告が女性の事件が裁判で話題になっていましたが、
本書は中年の男、古海が、女たちをたぶらかしていくのです。
表紙の萌える緑の色がとてもキレイです。
潔いほどすっきりとした装丁は、何を物語るのか・・・。
だまされた女たちや、古海の妻や愛人、その夫やバーテンダーといった
人たちによって、古海は語られ、
また古海自身によっても、よく分からない胸の内が見せられます。
軽やかに女たちの隙間をすいすい泳いでいるように見えて、
ちっとも幸せそうでない古海。
だまされたと分かっても、そんな男を恋うる女たち。
井上さんの小説は、“嘘”をキーワードにしたものが多い気がします。
“嘘”には、必ず自然な流れをせき止めるような、
無理やり方向を変えてしまうような、怖い何かが潜んでいるように思うのです。
たとえ取るに足らない小さな物であったとしても、
“不穏”な雰囲気を忍び寄らせるような、
ざわざわ落ち着かない気分にさせられるのです。
本書は、父親の井上光晴さんがかつて書かれたモノと同名の小説だそうです。
井上光晴作品も、結婚詐欺師を扱っているとの事で、
当然それを意識して書かれたのだそうです。
生前には、文学の話などできなかったと井上荒野さん。
今ならどんな話をされるのか、とても興味のあるところですね。。
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