趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『何者』 朝井リョウ

2014年03月19日 | 
直木賞を受賞されて話題となった、朝井リョウさんの『何者』読みました。

就活を舞台にした小説だと知っていたので、著者ご本人の経験がもとになっているのかな、
位の感覚で手に取ったのです。

実際、ご自身が就活をして就職されたことも、作家と二足の草鞋を履いてという報道も
目にしていたので。



物語は、主人公の二宮拓人という就活生の視点で語られるのです。
登場するのは、拓人とともに就活していく光太郎、瑞月、里香、隆良の4人と、
劇団を主宰する、ギンジという友人と、バイト先の先輩のサワ先輩。

それぞれが、拓人の目を通して語られていくのです。

それに補足するかのように、それぞれの人物たちのツイッターの文章が間に挟まれています。

始めは、若者感覚の文章やツイッターの描写などあんまりついていけなくて、
なかなか読み進めなかったのですが、
物語も半ばを過ぎるころ、だんだんだんだん他の何かを嗅ぎ付けるように
引き寄せられていったのです。

私もツイッターの文章に、同じような感想を持っていたことに気付いたのです。
そしてそのことに気づいてから、就活という特殊な世界を描いていながら、
朝井さんが描こうとしているものに、深く共感したのです。

若さ、というオブラートに包まれながら、
本当はその若さを武器に、その闇に向かって一撃を繰り出しているような、
そんな感覚を持ちました。

読んで良かったと、心から思いました。
おすすめしま~す。。


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