趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『誰かが足りない』 宮下奈都

2011年11月22日 | 
宮下奈都さん、初めて読みました~
気になりながら、まだ読んだ事がなったのですが
図書館の新刊案内に予約が入れられたので、新刊を読むことが叶いました。



表紙の写真は、古いレストランのテーブルと椅子。
ビニールのテーブルクロスと、全体のトーンがレトロな雰囲気で懐かしいです。
物語の舞台は、古くて小さいけれど賑わいのあるレストラン‘ハライ’。

このレストランに、10月31日の午後6時に予約を入れることになった人々の
6つの物語。
予約を入れる事情は様々で、共通している事が、
足りない誰かを待っている・・・。

登場人物に派手なところは無くて、特別な仕掛けも無いのです。
どちらかと言うと、上手くいかない何かを抱えて、
乗り越えられない悲しみを胸に秘め、
もがいたり、叫んだり、ビデオを回して見たり・・・。

普段、小説やドラマの主人公にならないような
密やかな人々に光を当てて、
痛くて哀しい胸のウチ、すくい取ってくれるのです。
とても優しく、温かな短編集だと思いました。
そして、私達の日常は実にこんな風に過ぎていくのだと思いました。
美味しい物を食べる事で、満たされるといいな。。



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