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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

自然の摂理に向き合い、悩む綾里っ子

2012年09月21日 | 綾里っ子

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昨日、氏神様下のサツマイモ畑で試し掘りをしていると、下から「千田さ~ん!」と2年生の男の子たちが、駆け上がってきました。まず、飼育箱を手にやってきたのはケイスケ君。「カマキリならそこにいるよ」と教えると、勇んで捕まえ嬉しそうに飼育箱に入れました。

そのあとすぐにトモヤ君がオオカマキリが入ったケースを持ってやってきました。「このカマキリ、5日間も何も食べていないので今日はカマキリの餌を探しに来ました。」と、後を追うようにレン君とリュウイチロウ君もやってきました。

サツマイモ堀りを見ていた彼らは、「僕もやりたい!掘ってもいい!」とトモヤ君。まず、虫探しよりもサツマイモ堀に興味を示し、皆で2~3株サツマイモ掘に集中。ケイスケ君は自分の腕より太いサツマイモを掘り出して自慢顔。それから皆で虫探しに行きました。

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まず、氏神様下の草むらを探していますが、飛び出してくるのはコオロギとクモばかり。「コオロギとクモは嫌い!」とトモヤ君、他の子たちも同じ思いか、だれも捕まえようとしません。

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柿畑に降りてくると、リュウイチロウ君が、高いところに造られたクモの巣に引っかかったオニヤンマを見つけました。なかなか捕まえることができない大きなオニヤンマが、クモの巣に引っかかるなんて!他の子たちも不思議そうに見つめています。

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「オニヤンマだ、捕ろう!」とクモの巣の下まで近づいてみると、もう、ジョロウグモに食われていました。残念ながらオニヤンマはもう死んでいました。これは自然の摂理、そっとしておくことにしました。

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その後、「恐竜の卵を見せてあげるから!」と柿畑に連れて行き、キヌガサタケの幼菌を見せました。

子どもたちは、初めて見る白い卵を目にして驚きの表情。「これホントに恐竜の卵???、ほんとは何の卵なの?教えて?!」と、それぞれ恐る恐る覗いています。

「何だろうね?」と子どもたちに聞くと、「鶏の卵!、ヘビの卵!、クマの卵??、モグラの卵??」と矢継ぎ早に返ってきました。「触ってみたらどうかな?」というと「あっ ぶよぶよしている!」と興奮気味。今度は「割って見てもいい?」と強い興味を示したので、一つとってあげました。

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レン君が、皮をはぐと半透明のゼリー状のものが出てきました。ますます生き物の卵らしい姿にみんな目が点になっています。

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今度は、リュウイチロウ君が手に取り、割ろうとするがなかなか割れません。いろんな角度から覗きこんでも得体のしれない卵に、「なあに? なあに? 教えて!」の連発。

「この卵、何になるかまた観察に来ればいいよ」と聞き流すと、「じゃ、男の千田さんに聞くから」と言って母屋の方に駆け出していきました。

ちょうどその時、夫はヤマトの散歩で柿畑のほうに向かってきていました。子どもたちは、タイミングよく夫に会い、「あの白い不思議な卵は、何ですか?」「生き物の卵ですか?、どんな生き物ですか?」と矢継ぎ早の質問。事情を知らぬ夫は、「あれはキヌガサタケというキノコの幼菌で、もう少しすると白いドレスをまとった素晴らしいキノコになるんだよ!」、「キヌガサタケは、キノコの女王と言われているんだよ!」と教えたそうですが、子どもたちはチンプンカンプンな顔で、白い卵がキノコの幼菌だという結びつきができない様子だったそうです。

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その後、子どもたちは柿畑から戻ってからカマキリの餌取りをしたようです。

飼育箱を覗きながら、5日も何も食べさせなかったカマキリに、イナゴを与えたところすぐにイナゴを噛みつき食べ始めたカマキリの姿を見て、「イナゴがかわいそう!」と顔をしかめていました。

強くてかっこいい魅力のカマキリと、餌のイナゴ、子どもたちの悩ましい様子に「生きものが食ったり食われたりするのは、自然なの、人も動物の肉を食べるでしょ!」というと「そうだよね・・」と納得した様子でした。

綾里っ子たちが自然と向き合って、いろいろな事に出会い、自然界の摂理を目の当たりにした、悩ましい放課後の一時でした。