イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

古典芸能週間♪

2007-10-24 14:22:03 | 日本里帰り


先週は「古典芸能週間」でした。まずは銀座の歌舞伎座で「芸術祭10月大歌舞伎」を母と叔母と一緒に見てきました。歌舞伎は幼い頃から母や叔母に連れられて親しんできたもの、その家に伝わる格式や風習の伝承と言う意味でも歌舞伎にとても惹かれるので父親の代から息子の代へ、そしてまたその息子へと引き継がれていく変化を楽しむことができるのも歌舞伎ファンである理由のひとつです。

 10月の歌舞伎座。クリックすると大きくなります。

今回の演目には特に私のご贔屓さんは出ていませんでしたが、その美しさに昔から心奪われていた坂東玉三郎の「羽衣」は、玉三郎の年を重ねても変わらぬ精霊のような美しさにため息が出ました。

  
玉三郎演じる「羽衣」。玉三郎さんのサイトより拝借しました。

あの(?)坂田藤十郎の「恋飛脚大和往来」と言う出し物は典型的な上方歌舞伎。最後に降りしきる雪の中を坂田藤十郎演ずる亀屋忠兵衛が身請けした傾城梅川(中村時蔵)とともに逃げる道行きのシーンはとても小さな舞台での出来事とは思えないほど。父親が遠ざかる二人を見送るのですが本当に小さく遠ざかっていくようで悲しくも美しい名場面でした。

 
少しおしゃれをして華やかな歌舞伎座の中を歩くと「日本人でよかった」と思ったりします。

歌舞伎の合間にはやっぱり席でお弁当、そして終わったあとは夕暮れの銀座を眺めながら甘物を頂くと言う定番コースで締めてきました。



次は、ご近所大船の「鎌倉芸術館」で「花の舞」と言う歌舞伎と能と、そして華道のコラボレーションと言う新しい試みでした。歌舞伎からは最近注目されているらしい市川亀冶郎の「藤娘」、能は梅若晋矢の「半蔀(はじとみ)」。源氏物語の夕顔と夕顔の花のはかなさを静かな能の動きの中で表現し、源氏物語の世界へ入り込んでしまったような錯覚を覚えたほどでした。銀座まで行かなくても家の近くでもこのような舞台を見ることが出来るのも日本の良さですね。





我が家の裏庭にひっそりとけなげに咲く夕顔の花。
          
  


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