イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

SONBAHARDA ODEMIS BIRGI(秋のオデミシュ・ビルギ)

2012-10-23 17:40:39 | 

今日は久しぶりにパラパラッと雨が降りました。トルコは25日から28日までの4日間はクルバンバイラム(犠牲祭)の祝日(公務員は24日から)、29日は共和国記念日の祝日で5~6日の連休となります。全国的にここ2・3日は雨マークがついていますが、バイラムにはいいお天気になってほしいものです。

暑くもなく寒くもなく行楽には気持ちのいい季節、JIKAD(日本イズミル文化友好協会)も新しい会員紹介と交流をかねて秋の遠足がありました。行き先はイズミル市内から150kmほどのODEMIS(オデミシュ)と古い家並みが残る町BIRGI(ビルギ)。JIKADの会員でODEMIS出身・在住のTULAY(トゥライ)さんが、この日のプログラムをオーガナイズしてくれました。まずはODEMIS市営のレストランAHRANDI(アフランドゥ)でKAHVALTI(朝食、ブランチ)。市営と言うからあまり期待していなかったのですが、ODEMISを一望できる高台で、ゲームをして笑いながらいくらでも食べることが出来て恐ろしい。

紀元前から今日までにODEMISで発掘された出土品などを展示したODEMIS博物館を見学した後はBIRGIへ。BIRGIは古い石造りの家を保護しながら現在に生かしている美しい町です。最初に訪れたのは4年前、それから4回目の訪問になりますが、行くたびに街並みは修復整備されています。

石の職人さんは「僕らにはもう見習いはいないんだよ、この仕事を継ぐ人はいない」と言いながら石を組み合わせる作業を続けていました。

今回はTULAYさんの尽力でBIRGI町の特別オープンツアーバスで案内してくれるとのこと。普通のオープンデッキバスを想像していた私たちの目の前に現れたのはこちら!なんとこのバス、トラクターを改造したものなんです。トラクターでも10分もあれば1周出来てしまうBIRGIを2周もしてみんな大興奮でした。町の人たちは手を振ってくれるのでなんだか有名人になった気分。

バスを降りてBIRGIの人たち手作りのお土産を物色したり町を散策して前回も訪問した「CAKIRAGA KONAGI(チャクルアァ コナウ=チャクル様のお屋敷)」に立ち寄った後は、ODEMISに戻って名物ODEMIS KOFTE(オデミシュキョフテ)を食べました。

小さなお店に突然30人のお客さん。それでもあっという間に30人分が焼き上がり舌鼓を打ちました。

このバターたっぷりが美味しさの秘訣でしょうか。ODEMISは絡農が盛んで乳製品が美味しいことでも有名です。

メンバーの中には大量のトルコスイーツを作って持ってきてくれた人もおり、キョフテの後はデザートと帰路の途中でチャイ(お茶)休憩をかねて持込のデザートを食べる30人。

チャイしか注文しなくてもお皿やフォークまで用意してくれたチャイ店のオーナーは偶然にもメンバーの1人のかつての教え子、色々な人材が揃ってまた盛り沢山の行事を笑顔で無事に終えることが出来ました。

それでは皆さん、IYI BAYRAMLAR(よいバイラムを)!!!

 

BIRGIの町の中でその日を待つクルバン(犠牲)の羊達。

     

☆現在のイズミル☆

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BOZDAG(ボズダー)

2010-08-04 00:03:36 | イズミル暮らし・イズミル案内

夏休みで退屈中のビルテンも参加。

そろそろ立秋、日本ではヒグラシの声もそろそろ聞こえてくる頃ではないでしょうか。トルコ語ではせみのことを「8月の虫」と言うのですが、その通りジージーと暑苦しくにぎやかです。
トルコ人は夏休みと言えばほとんどの人が「海へ行こう!海!海っ!!!」なのですが、「日本人としては爽やかな高原で涼みたいよねー」と言うのがジャポンゲリン(日本人嫁)同士での会話、そこで親しいお友達4家族で車を連ねて出かけたのが、BOZDAG(ボズダー)と言う山。
イズミル県の最高峰、市内から約140kmと少し遠いのですが、この暑さから逃げられるならなんのそのです。標高2159m、辺りの平均標高が1150m、夏の高原としてピクニックやトレッキング、ハンググライダーなどをする人に人気の場所です。もちろん冬にはイズミル県にありながらかなり雪が降るのでスキー場もオープンします。


見ているだけで涼しくなります。

140kmと言っても山道なので集合場所から2時間ほど走ったでしょうか。途中にはKIRKOLUK(40の樋)と言う水飲み休憩場所があり、茶店や日曜日だけ立つというパザル(市)でにぎわっていました。「寒いくらい!」と言いたかったのですが、どこまで上っても夏の日差しは暑いですね。でもこのKIRKOLUKから勢いよく流れている水はまさに「BUZ GIBI(ブズ ギビ=氷みたい)!」で顔を洗ったり喉を潤したり。





もちろんマンガル用具一式を車に乗せて来たので、お昼はGOLCUK(ギョルジュク)と言う湖の湖畔でピクニックです。日本人とトルコ人11名の混成チームですから、持参するものもばっちり振り分けて準備万端。マンガル奉行も今回は4人も揃って美味しいお肉が焼けました。





肉が焼けるのを待つ間、湖畔では釣り糸をたれる人がいっぱい。わがチーム(?)最年少、皆のアイドルK君もお父さんが捕まえたミミズを餌に釣り糸だけで魚釣り。一向に釣れる気配のない周りの太公望たちの中で、若干4歳のK君、「とれたよー」とこの通り2回も大物(?)をゲットしました。その度にマンガル(BBQ)の残り火で焼いてもらい新鮮なお魚を食べていました。「もっと大きいのをとろう!皆がお腹いっぱいになるように」とはK君の弁。かわいいなあ・・・。





涼しい~!とはいえませんでしたが、気持ちのよい風が常に吹いて楽しいおしゃべりは尽きず、あっという間に18時。帰りはせっかくここまできたのだからとBIRGI(ビルギ)経由で帰ることにしました。


この写真、楽しかった一日の終わりと言う感じで好きです。

残念ながら「CAKIRAGA KONAGI」は閉まっていましたが、静かな街並みをしばし散策して帰途につきました。BOZDAGからBIRGIへ降りたとたんに全身から汗が噴出してきました。やっぱりこの暑さの中でBOZDAGは涼しかったと言うことでしょう。







美味しいよー!
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☆現在のイズミル☆



BIRGI ve TIRE(ビルギとティレ)

2008-11-14 23:28:32 | 


10月に日本から遊びに来てくれた友達との3日間シリーズ、書くのがずいぶん遅くなってしまいましたが最後の一日です。友達の要望により以前ご紹介したODEMIS(オデミシュ)のBIRGI(ビルギ)と言う小さな村にある「CAKIRAGA KONAGI(チャクルアァ コナウ)」と途中にあるTIRE(ティレ)に行くことにしました。


CAKIRAGA KONAGIの全景。前回の記事を見るには写真をクリックして下さい。

BIRGIは、15世紀にGAZI SASA BEY(ガズィササベイ)と言う領主がビザンチン帝国から手に入れた場所で、オスマン帝国の時代にはこの辺りの文化的な中心地となったことや温暖な気候がここの建築に影響を与え、その様式を形成してきたたのだそうです。


GAZI SASA BEYの銅像の背中越しに見たモスクのミナレ(尖塔)。

そんなBIRGIの建物も長い年月を経て放置され荒れ放題のものが多かったそうですが、ここ数年MIMAR SINAN UNIVERSITESI(ミマルシナン大学)や色々なスポンサーのおかげで約80軒の歴史的建造物の改修が終わったと言うことで、木造の立派なお屋敷がたくさんありました。



写真好きの友達はこの日もすぐに迷路へと消えて行きました。後を追う私たちは、おかげで以前来た時には見ることのできなかった趣のある建物を見て歓声を上げることに。


桑の葉を集めていたおばちゃん。家畜の餌にするそうです。

BIRGIを後にして向かったTIRE、ここへは火曜日に開かれるPAZAR(定期市)がお目当て。最近日本でも話題になっているOYA(オヤ)と言うレース編みがあるのですが、友達はOYAが好きで、今年はビーズを使ったBONCUK OYA(ボンジュクオヤ)を買って帰りたいというリクエストがありました。イズミルでももちろんOYAを買えるお店はありますが、せっかくTIRE方面に行くなら有名なTIRE PAZARI(ティレパザル)へ行ってみようと考えました。HURRIYET新聞で毎週金曜日に「トルコの何でもベスト10」のような企画があるのですが、「トルコのもっともオリジナルなパザルベスト10」の1位に選ばれたのがこのTIRE PAZARIなのです。






イズミルからも毎週火曜日には日帰りツアーが組まれるほど。出店数は約1700、何本もの通りの端から端まで出された屋台、こんな小さな街のどこから人がわいてくるのかと思うほどの混雑です。ここには通常の野菜や衣料品に加えて、女性達手作りの手工芸品が並ぶことでも有名です。






OYAだけを買って自分でスカーフの端に縫い付けることもできます。

自分達で持ち込んだ色とりどりのレース編みや毛糸編みの数々が並ぶコーナーではおばちゃん、お姉さん、おばあちゃん達がなかなかしたたかな商売を繰り広げていました。友達も夢中になってBONCUK OYAを選び、しばし時を忘れることに。




商談成立後はすぐにまた編み始めていました。

パザル好きな私としては後ろ髪を引かれるようにTIREを後にしたのでした。ODEMIS(オデミシュ)からTIRE(ティレ)そしてイズミルまでの道路は一面のトウモロコシ畑と綿畑。とうもろこしはそろそろ収穫も終わっていたようですが、綿のほうはまさに収穫期だったようで、真っ白に雪が降ったようでした。




綿の実、見たことありますか?

あっという間で過ぎてしまった3日間。見せたかったもの、連れて行きたかったところ、食べさせたかったもの、たくさんあったのに、心残りがいっぱい。いつも見送った後は寂しさが残ります。また次に会える日までお互い元気でいようね!






車の中から大急ぎで写したトルコの開店祝いの花輪。cakeさーん!
        






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CAKIRAGA KONAGI(チャクルアァ コナウ=チャクル様のお屋敷)

2008-07-11 17:22:34 | 

山の上からBIRGIを眺める。

日曜日の朝にしては珍しくさっさと起きた夫、KAHVALTI(朝食)を食べながら「どこかへ行く?」と。「行く行く!でも行き先はどこでもいい!」私。協議の末行き先が二転三転、結局前日TVで紹介されていたODEMIS(オデミシュ)郡BIRGI(ビルギ)にあると言う「CAKIRAGA KONAGI」へ行くことに。ガソリン高騰の折、世界一ガソリン代が高いと言われるトルコですから、なるべく遠出はせず徒歩でつつましく…なんて思っていたのに、結局イズミルからODEMISまでなんと片道約150KMの遠出になりました。



ODEMISを車で走りながら「ここはイズミルの台所だ!」と実感。パザルで買う野菜や果物の多くはODEMIS産と書かれています。なるほど360度広がる畑の風景、そして全くムダに放ってある農地が見られないほど、どこも緑で生き生きと作物が繁っています。街角の電光掲示板では39度を示していましたからそんな時に作業をしている人はいませんが、それでも誰もいない畑には、働き者のODEMISの人たちの気配をひしひしと感じました。





車を走らせること2時間強、ODEMISから更に8キロほど東へ行ったBIRGIの街に入り、BIRGI川に沿ってすぐに「CAKIRAGA KONAGI」は見つかりました。







ODEMISのBIRGIに住むお金持ちの商人CAKIROGLU MEHMET(チャクルオウル メフメット)氏が1761年に建てさせたエーゲ地方の建築様式の建物で1950年までは個人の所有でしたが、その後住む人もなく建物は廃虚同然になってしまったようですが、1977年から修復が始まり1995年に一般に公開されるようになったそうです。




オリジナルの建物とは別の部分にかつての生活の様子が展示してありました。

3階建ての木造の建物でコ型の真ん中に開いたサロン部分、そして両側には部屋があります。1階はお客さんの待合室、使用人たちの部屋、家畜小屋、飼料置場があります。2階は天井が低く、冬の住居として使われたようです。5つの部屋とお手洗いがあります。部屋は客室や子供部屋などで、日の当たる明るい部分が客室、日の当たらないほうには果物を保管すると言う部屋もありました。









3階は天井が高く、夏の住居でしょう。ここは2つの居住区に分かれています。1つは「イスタンブルの部屋」もう一つは「イズミルの部屋」。一説によるとチャクルアァにはイスタンブル出身とイズミル出身の二人の奥さんがおり、二人がいつも故郷の景色を見て寂しくならないようにとそれぞれのパノラマを描かせたのだと言います。イズミルの部屋の日当たりが悪かったのがちょっと不満…。天井や壁には果物や花、景色がびっしりと描かれておりお金持ちのチャクルアァさんは家族を喜ばせたかったのかなあなんて想像してしまいました。


イスタンブルのパノラマ。


こちらはイズミル。日の当たらない部屋のせいかちょっと保存状態が・・・。



出発が遅かったので、街の中をぶらぶら出来なかったのが残念でしたが、ただこのお屋敷を見ただけでも大満足でした。トルコにしては(?)とても丁寧に修復がされており、200年以上昔の木造の建物なのに壁や天井の装飾もオリジナルの色そのままに美しく残っています。





土曜日には週に一度のパザル(青空市)がたち、生鮮品のほかに土地の女性たちが自分で持ち寄った手工芸品などが並ぶそうです。今度は是非土曜日に出かけなければ。




建物の裏側。左側のcafeでチャイを頂きました。




チャクルアァの妹さんのお墓だそうです。道の真ん中に取り残されています。

日帰りで行くにはもったいない魅力的な街ODEMIS BIRGI、もう一度是非訪れたい場所です。




cafeの壁にかかっていたひょうたん。
             






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