秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

千鳥ヶ淵

2010年03月12日 10時14分11秒 | 京都非観光迷所案内
千鳥ヶ淵、と聞けば東京の人なら花見の名所、千代田区の淵を思い浮かべるでしょうね。

京都の千鳥ヶ淵は観光名所の嵐山渡月橋から少し大堰川を遡った場所にあります。
と、いっても知らない人のほうが多いと思います。(だから迷所案内なんですけどね)

我が店から阪急嵐山線で3駅、駅から渡月橋へ向かいます。これは途中の中ノ島橋。

ここの橋の下によく死体が浮かんでいたりします。(テレビドラマの中で、ですケド)

そして、渡月橋。ここから下流は桂川、上流は大堰川。かつて秦氏が建造した堰の名残です。


観光客の人たちは橋を渡って天竜寺方面へ向かいますが、目的の千鳥ヶ淵はここから上流
ですから、左折します。「嵐山吉兆」目当ての人以外はほとんど足を向けることのない所です。
 

桜にも気の早いのがいるようで。梅かと思いましたが・・。正しく「カラスの行水」↑

こちらは仲のよろしいコトで。(鳥に焼もち焼いてどうすんだ)↓


この茶屋で時々昼間に相方とビールなど飲んだもんです、懐かしいゾ。


そしてここが「千鳥ヶ淵」。イニシエの頃、滝口入道に冷たくされた「横笛」がその身を
投じた、といわれる淵です。(謡曲にも謡われております。)

そんな悲しい話にまつわる淵のせいか、この場所は水難事故が絶えませんでした。遊泳禁止
になっているのですが、毎年事故が発生したものです。(最近は知りませんが)

かくゆうワタクシも高校時代は友人たちと泳ぎにきてましたが・・・。

なんでも川の半ば付近では水流が複雑に変わり、水温の変化もあって事故が多く発生する
という話です。また底もヤヤコシイ渦が巻いているともいわれ、ここで溺れるとしばらく
は死体が上がらず、数日後に大堰の堰あたりで発見されるとか。

かつてこの底には竜が住んでいた、という話もうなずける雰囲気ですね。

そんな水難者のためのお地蔵様。事故だけじゃなく、自殺者もかなりあったと聞きますが。
そういえば入水しようとした老婆を引き上げていた現場に遭遇したこともありましたね。

「暮るれば凄き千鳥ヶ淵、なくなく死骸を引き上げて」(謡曲千鳥ヶ淵)なんて聞くと
オドロオドロシイ場所みたいですけど、途中の桜並木はちょっとした穴場ですよ。