装具を付けた二女は、すくすくと成長し、順調に寝返りもうち、四つん這いもするようになった。
でも、装具を付けているため、進むことは出来ず、かんしゃくを起こすことも増えた。
主治医にそれを伝えると、ハイハイを妨げることは出来ないから、と装具を外すことになった。
股関節の状態も、完全に安心とは言い切れないが、歩くまでは状態を見ていきましょうということに。
晴れて、体が自由になった二女。
それからというもの、グングンと活発になっていった。
今までの、動けなかった鬱憤を晴らすように、動き回るようになった。
順調につかまり立ちをし、そして、歩いた。
なぜだろう。
子供が、二本足で立つことが、
二足歩行することが、
こんなにも喜ばしいのは。
この頃から、さらに時間に追われるようになった。
片時も目が離せない。
長女は手のかからない子とはいえ、やはり幼くて、構わなくてはいけない。
二女は、危なっかしくて見ていられない。
常に、注意をしておかなければ、危ない。
この頃からだろうか、夫の本性が見え隠れし始めたのは。
以前書いた「結婚指輪」の時のように、
同級生との遭遇の時のように、
ワタシをディスり始めた。
二女を出産した時、これから時間が無くなるだろうと、実家で簡単なコートを買っていた。
それを見た夫は一言
「こんなもの着て歩かないでよ。趣味じゃない。服を買うならついていくから。」
そのコートはお蔵入りになって、日の目を見ることはなかった。
ワタシは、オシャレも洋服にも興味のない人間だった。
ただ、友人と仲間とテニスがあればいいと、思っていた人間だった。
夫のことも、オシャレに気を遣う人だとは、思っていなかった。
出会いが、出会いだったから。
冬を迎えるにあたって、買い物に出たときのこと。
ワタシは、靴下を買った。
購入して帰ってすぐに、夫に言われた。
「あんな靴下、よく買ったね。合わせるのに難しいものばかり。僕はよぅ買わんわ(笑)」
「疲れた。早く、ご飯にしてくれる?」
出かけて疲れているのは、ワタシも同じなのに。
子供の世話も、夫の世話も、家事一切をも、ワタシだけの仕事だった。
出かけようと、何をしようと、家での時間は変わりなく過ぎなければならない。
そのプレッシャーが、いつもあった。
ある日、何気なく、聞きたくなって聞いた。
『ねぇ、ワタシのどこが良くて結婚したの?』
「背の高いところ」
やっぱりね、苦笑いだわ。
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