ぼやき、ぼやき、ぼやき(^^;)

元助監督で映画キャスティングマンの

「家政婦は見た#3 エリート家庭のあら探し 結婚スキャンダルの秘密」 自分が参加したTV番組をもう一度見直してみようシリーズ第9回

2020年05月18日 | こらむ
「家政婦は見た#3 エリート家庭のあら探し 結婚スキャンダルの秘密」 自分が参加したTV番組をもう一度見直してみようシリーズ第9回
土曜ワイド劇場
制作 - テレビ朝日、大映テレビ
放送日:1985年6月29日 オンエアー
制作:大映テレビ・ANB
出演者:市原悦子・前田吟・長谷直美・鈴木瑞穂・初井言榮・松原智恵子
監督:富本壮吉

30才でセカンドになり、2年目に入り、ちょっと自信をつけてきた頃だったと思います。人気シリーズになりかけていた「家政婦は見た」に呼ばれました。どういう経緯で、この番組についたかもう記憶がさだかではありません。チーフ助監督は大映テレビの方だったと思います。すごいパワフルな方でした。私はセカンドに出世して一度挫折しましたが、セカンドとしてもう一度復帰すると、今度はすぐに慣れてきました。このパワフルなチーフにもついていけるようになっていたのです。なんだか不思議です(笑)
バブル時代に入りかけた時代で、仕事も少しずつ増え、新米セカンドにも仕事が舞い込んで来ました。映画をやりたかったんですが、なかなかそのルートから声がかかりません。結婚して、子供も出来たりしたので、TVドラマの仕事をやって生計を立てているのが現実でした。映画の仕事って、監督、その映画のチーフ助監督などから声がかからない限り、なかなか入り込めない世界でした。。ですから、TVの2時間ドラマを中心に仕事をしていました。TVドラマの撮影も16ミリのフィルムの時代から、ビデオの時代になっている途中でした。フィルムだけでは生きていけない時代に突入していました。助監督という呼び方ではなく、ADさんと呼ばれそうな時代になって来た事を記憶しています。
この番組の思い出は、富本荘吉監督がものすごい早撮りの人だったという事です。早撮りの監督は、この業界で有名な監督が何人かいらっしゃいますが、私が遭遇した監督の中では、ダントツに早かったです。 ある日のロケ現場で、カメラ横にいる監督が「よーい、スタート」と声をかけました。私もカメラ横にいました。俳優さん達が芝居を始めます。あれ?監督が、するするとカメラから離れて行きます。移動しながらじーっと芝居を見ています。監督の移動が終わると同時に芝居も終わり、監督「はい、カット、次、ここ」と次のカメラポジションの位置にいるのです。えー!! 監督はもう次のカメラポジションに移動して、自分の胸あたりに手を置いて、「ここここ、次ここカメラここ」って感じで、スタッフを呼んでいるのです。我々スタッフはあわてて、監督のいる位置にカメラを担いで移動します。監督は、もう先の事が気になって、待てません(^_^;) それから私は、さらに異常な出来事を目撃する事になるのです。

その日最終カットの時でした。撮影も順調に進み、夕方も早い時間でした。カメラ横で「スタート」と声をかけた監督は、またもやするすると移動していきます。私は、次のカットはないのにどうするんだと、横目で見ながらそう思ってしまいました。芝居が終わるや否や、「カット、はいお疲れさん」と言って、監督は自分の自家用車のドアを開け、乗り込んでいます。なんと、監督は自分の車が駐車している所に移動して、カットをかけたのです!自分の車が、ロケ現場近くに停めてあったのです。そんなに早く帰りたいのか(笑)! 早く帰りたいというより、早撮りをする事に充足感を感じておられるようでした。さっそうと運転して帰る監督を、唖然として私は見送りました・・・・・


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