ぼやき、ぼやき、ぼやき(^^;)

元助監督で映画キャスティングマンの

舞台105 「ああ、またか・・・とは言いたくない」 劇団宝船第7回公演@下北沢シアター711

2018年12月28日 | そんなご舞台な2018年
舞台105 「ああ、またか・・・とは言いたくない」 劇団宝船第7回公演@下北沢シアター711

小劇場の舞台は、こうあるべしという見本のような作品でした。役者が最高で、小さな舞台さえあれば成立する。先週の舞台のエダニクと同じように、芝居のレベルが半端なく高い。これだから下北沢は演劇の街と呼ばれる。見に行ってよかった。シアター711 のレベルが高くなった!素晴らしい!これぞ小劇場!高木珠里最高!

映画「思い出の夏 Summer of ‘42」

2018年12月27日 | 映画の光と影
映画「思い出の夏 Summer of ‘42」

私の洋画ベスト3をあげるとすれば、まずこの映画です。20才の頃、東京の名画座で初めてみたような記憶があります。この映画だけは、何度も見直しました。でも今回は20年ぶりぐらいに見ました。ジェニファー・オニールの美しいこと、哀しいこと。男子でこの映画にのめり込めない人はいないでしょう。憧れの年上の女性。まだ幼い自分よりずっと背が高くて・・・・大人・・・。1942年は昭和17年。その時15才の少年。日本は、太平洋戦争に突入し、軍国主義まっしぐら・・・・当然、私なんか生まれていません。私の親の世代が、ちょうどこの映画の少年・少女達の世代です。父も母もみんなこうやって大人になっていくんですね・・・ジェニファー・オニール、現在70才。ああ、最近の彼女の写真を見てしまった・・・・(笑)すてきな格好いい、銀髪のおばあさんになっていました。見ない方がよかったかもしれません。この映画の中の少年のように、2度と逢うことがなかったように・・・・

録画DVDで鑑賞 「グレイテスト・ショーマン」

2018年12月26日 | 映画の光と影
録画DVDで鑑賞 「グレイテスト・ショーマン」

歌がいい。とっても。ミュージカルの基本はこれだよなぁ。でも、典型的な構成がなにか物足りない。成功した主人公がいて、調子に乗ったところで、絶望のどん底に落とされる。しかし、そこから、人間の持っている何かすばらしいエネルギーが働いて、主人公がはい上がって来る。最高のフィナーレで終了。これって先が見えて、ドキドキしないんだよなぁ。歌がとってもよかったのになぁ・・・贅沢かなぁ(笑)

有馬記念の思い出・3

2018年12月25日 | こらむ
有馬記念の思い出・3

ハイセイコーは1着、2着のどちらかには絶対にゴールする、ハイセイコーは鉄板だという圧倒的な世間の予想でした。バイトの先輩である、自称上智大学哲学科6年在学中のAさんは、「2枠ニットウチドリ、8枠ミヨシホマレで、連勝複式2-8で一発ねらいます。当たれば万馬券です。当たったら、バイトやめるかもしれません」と、無精髭をのばして上気した顔でボクを見て、ニヤリと笑いました。その時のAさんの歯並びが悪かった事をよく覚えています(笑)

そんな事が本当に起こるとは思っていなく、何を世迷い言をとボクは思っていました。ところが、2枠ニットウチドリは本当に2着に入ったんです。でもAさんが予想した8枠ミヨシホマレは馬群に沈んでしまいました。でも悪運強いAさんです。同じ8枠のもう一頭ストロングエイトが、なんと、なんと1着でゴールしたのです。ハイセイコーは、意外にも3着で終わりました。何万という観客の悲鳴が、競馬場にこだまし、外れ馬券が、宙を舞いました。

1着8枠ストロングエイト、2着2枠ニットウチドリ。結果は2-8です。配当は、13,300円。1,000円買っておけば、133,000円。1万円買っておけば、133万円になってます。当時の私の風呂無し四畳半の安アパート家賃が、確か5,000円ぐらいでした。だから、1,000円買っておけば、2年分ぐらいの家賃になっていたのです。すごーい!(泣)

翌日バイト先に行くと、先輩Aさんは普段通りに来ていました。車で出勤してきたかどうかはわかりません。ただ驚いた事に、Aさんをはじめ、板場の人もみんなでその万馬券を買っていたのです。一人が買うと、みんなつられて買ったそうです。ホールの女性達の中にも買った人がいるという話でした。買っていないのは、私だけ・・・・かなり、ショックでした。この時から、競馬は遠ざかっています(笑)

当時、映画にのめり込んでいた私は、16ミリフィルムによる自主上映会をやっていました。熊井啓監督をゲストでお呼びして、終演後お話しを聞くというものです。多少お金がかかりますが、1年に1回バイトでためたお金で上映会をやりました。Aさんは、有馬記念で当てたお金で、ボクに1万円カンパしてくれました。私の2ヶ月分の家賃です。助かりました。私はその後、この思い出多いバイト先「北斗星」をやめました。そして「北斗星」もなくなりました。Aさん、B子さんが、その後どうなったかは、全くわかりません。でも、笑うと親父顔のAさん、きっぷのいい性格のB子さんの顔は、今でもはっきりと覚えています。お二人とも、今はもう70才過ぎでしょう。お元気でしょうか? 師走の有馬記念の頃になると、ちょっぴり恥ずかしい、苦い、そして残念な青春の思い出がありありとよみがえってきます。

ちなみに2018年の有馬記念の結果は、1着ブラストワンピース、2着デイデオロの、4番、6番で970円でした(笑)

舞台103「超ピカイチ!」 梅棒第7回公演@東京グローブ座

2018年12月21日 | そんなご舞台な2018年
舞台103「超ピカイチ!」 梅棒第7回公演@東京グローブ座

2時間15分、ノンストップ・ダンスバトル。ほとんどセリフなしで、歌って踊りまくる。みんなキレキレで踊りまくる。客席は拍手喝采。若いエネルギーの爆裂だ。映画製作の現場にいる人間で、梅棒を知っている人達が何人いるだろう。この若さとエネルギーと無謀さかげんが、映画の現場に足りないような気がしてならない。この客席の熱気を映画人は忘れているんではないか?と、この舞台に教えられた。しいていえば、2時間以内だと最高だ!!(笑)梅棒・ウメボウ 話が伝わる人が近くに誰もいない・・・・(泣)12月29日までやってます。

有馬記念の思い出・2

2018年12月21日 | こらむ
有馬記念の思い出・2

ホールで働いている女性達は、2~3人は常時いたように記憶している。全員、和服を着ていて、その上に白い割烹着を着ていた。その中で記憶に残るB子さんがいた。名前は全く覚えていないが、顔立ちはハッキリ覚えている。背の高さは160センチ弱ぐらいで、背が高いわけでも低いわけでもなかった。B子さんは、後ろ髪をキュッとひっつめにしていて、切れ長の色白の人だった。たぶん私より10才ぐらいは年上だっただろう。いやもう少し上だったかもしれない。明るくて、ちょっと男っぽい気っぷの良い人だった。すこし東北なまりのしゃがれ声で、板前さんに「刺盛り入りまーす」「3番のお客さん、まだ出てないけど、作ってる」「あいよ」てな感じで、テキパキと働いていた。
そのお店では一番若いせいか、私はモテた(笑)かなりもてた(笑) そのお店は、お客さんと洗い場、板場との距離感・空気感が近い、庶民的なお店だった。ある時、カウンターの初老男のお客さんから、「物」をもらった事があった。洗い場にいる私に「おう、あんちゃん、やるよ、これ」って感じで「物」をもらった。それが何だったかは、もう記憶がないが、そんな高価な物ではなかったように記憶している。なんで俺にくれるのかなぁ、と思ったが、洗い場に一番近いお客さんだったので、私にあげやすかったんだろう。一人でよく来る常連さんだった。誰かと話をしたかったのかもしれない。

そんな事があったりした日常で、ある時、カウンター越しにB子さんが私に、

B子「これお客さんからもらったから、あんたにやるよ、もらって」
と、ある「物」を差し出した。それは、指輪だった。むき出しの「リングの指輪」だった。
私「(戸惑って)え、ええ、はい、ありがとうございます」
B子さんは、私に向かってウィンクした。私は、軽く会釈をして返した。B子さんは、うれしそうにルンルンとスキップするかのように、ホールに戻っていった。私はその指輪をはめようとした。左手の薬指にすると、ぴったりだった。なぜかぴったりだった。なんだろう?なぜボクにこの指輪をくれたんだろう。ホールのB子さんは、なんだか楽しそうに働いているように見えた。B子さんは、誰にもらったんだろう?本当にお客さんからもらったんだろうか?ボクはあまり深く考えなかった。バカな若者だった。まだ、東京に出てきて半年だった。

バカでウブで恋愛経験もないボクは、左手に指輪をはめる意味を、本当は理解していなかった。数日後、久しぶりに大学に行ったボクは、その指輪を左の薬指して、所属していた映画研究会の部室に行った。なんか、ちょっと大人になった気分だった。すこし自慢もしてみたかった。今、思い返せば、赤面するしかない。お恥ずかしい。しばらくたつと、部員の女子が、私の薬指のリングに気がつき「吉川君、結婚したの?」と、おそるおそる聞いてきた。私は、一瞬で意味を理解した。そうだ、大人になって結婚すると左の薬指に指輪をするんだ。そんな事を理解しないまま、いや知ってはいたけどそんな重要な事と思いもしないまま・・・・ボクは「いや、いや、これはちょっとね」と照れ笑いをしながら、そっと指輪を外した。ひとつ大人になった瞬間だったかもしれない。

そうそう、有馬記念のこと(続く)


録画DVDで鑑賞 「ロイ・ビーン」 1973年日本公開

2018年12月21日 | 映画の光と影
録画DVDで鑑賞 「ロイ・ビーン」 1973年日本公開

ジャクリーヌ・ビゼットつながりで見てみたが、今となっては、夢物語のようなストーリーであって、こんなに簡単に人を殺したり、縛り首にしてしまって、という安直な現代思考に陥ってしまった。寓話だと思えばいいのだろうが・・・その余裕がなかった。


有馬記念の思い出・1

2018年12月20日 | こらむ
有馬記念の思い出・1

年末になると競馬で、有馬記念というレースがいつも話題になります。現在、私は全く競馬はやりませんが、若い頃強烈な思い出があって、毎年今頃になると思い出します。

1973年、滑り止めで東京の三流大学にやっと入った私は、生まれて初めての水商売のバイトを始めました。水商売といっても、今で言う居酒屋みたいなもの。場所は、東京のシンボル新宿。田舎者の私には、まばゆい大都会の真ん中にいました。

バイト先の店の名前は「北斗星」。いまはもうありません。目の前に新宿昭和館という映画館がありました。ヤクザ映画をいつも上映していて、付近はガラが悪く、近くの並木橋には競馬の場外馬券場がありました。確か、階段を上がった2階にその店はあり、山の写真が階段に飾られていたように記憶しています。「北斗星」という店の名前がイメージするように、登山を好む人達が集まっていたのかもしれませんが、普段は、普通のサラリーマン達が多かったような印象がありました。

私は、水場で皿洗いのバイトを始めました。ホールには、白い割烹着を着た女性達が、忙しそうにカウンターに注文を持って来たり、出来上がった料理を運んだり、食べ終わったお皿を洗い場に持って来たりと、活気のあるお店でした。そういったホールで働く女性達との会話も楽しかった。そして私は、若かった(笑) その時初めて、鯵の活き作りというものを見ました。身を削られた鯵が、頭としっぽを串刺しにされて皿にもられていました。まだ生きている時は、ピクピク動いていました。洗い場にその皿が戻って来たら、私は素早く串を外して、鯵を板場の方に渡しました。つまり、使い回しするんです(笑) そんなお店なので、安くておいしい物を出すリーズナブルなお店でした。

私は、貧しかった。時給200円ぐらいだったと思います。立ち食い蕎麦180円?文芸座の映画180円?そんな感じだったかな。

そして、その年の12月末。有馬記念の季節。その年はあの有名なハイセイコーが抜群の成績を残していて、当然この年の有馬記念も6枠のハイセイコーが、1番人気でした。田舎から出てきた私は、マージャン以外賭け事をやった事がなく、いや、嘘をつきました。地元の競艇「唐津ボート」に高校生の時、1回だけ行った事があります(笑)

バイト仲間で、今でも忘れられない人がいます。上智大学哲学科6年在学中というAさんが私に声をかけてきて、

Aさん「吉川クン、明日から、僕は車で出勤するよ!」
私「はぁ?何バカ言ってるんですかぁ(笑)」
Aさん「明日の有馬記念、吉川クン、馬券買いませんか?みんなまとめて場外馬券場で買いますよ。ホールの女性達も板前さん達もみんな買いますよ」
私「えー、どうしようかなぁ、でも、オレ金ないんでやめておきます」
Aさん「そー、残念だね。私は、1点買い。万馬券をねらいます。当たったらすごいよ。だから、当たったら、私は明日から車で出勤します(笑)」
私「そんな(笑)」

丸いメガネをかけた、ちょっと太目で人のよさそうなAさんは、いたずらっ子のような、かわいい笑顔をしてボクを見ました。
当時、場外馬券場で買えるのは千円の馬券だけでした。時給が200円ぐらいの私にとって千円は、1万円ぐらいの価値感がありました。貧乏な私にはとても手が出ませんでした。

そして、翌日の有馬記念は、今でもその記録は破られない、ハイセイコーが3着となる歴史上の大万馬券となったのです。<続く>


舞台102 「ジーザス・クライスト・レディオスター」@紀伊國屋ホール

2018年12月20日 | そんなご舞台な2018年
舞台102 「ジーザス・クライスト・レディオスター」@紀伊國屋ホール

全く予備知識なく見に行きましたが、2004年が初演という事もあって、しっかりと練り込められた構成で、とてもおもしろく見ました。映画「カメラを止めるな」と同じように、ラジオの生番組を主役のDJがいないまま、番組を強行突破しようとするストーリーで、全く「ラジオを止めるな」と言ってもいい感じでした(笑) キャストもみなよくて、見事なチームワーク感を感じました。それがこの舞台をおもしろくしている重要なファクターでしたね。12月24日まで。何度も笑いました(^^😉

舞台100 「エダニク」 ハイリンドvol.19 @下北沢シアター711

2018年12月19日 | そんなご舞台な2018年
舞台100 「エダニク」 ハイリンドvol.19 @下北沢シアター711

緻密に計算された脚本と、うまい俳優達がそろえば、おいしい料理が出来上がるのも必然。こういった質の高い作品が、ちゃんと下北沢の小屋でかかる事が、下北沢=演劇の街と呼ばれるゆえんだと思います。3人とも正しい事を言ってるし、正しい行動なんだけど、どうしても矛盾が出てくる皮肉。人間の生き様そのもの。見事だと思いました。ただ、しばらく焼き肉は食べなくてもいいかなぁ・・・って(笑)

舞台99 「埋める女」 城山羊の会@下北沢スズナリ

2018年12月18日 | そんなご舞台な2018年
舞台99 「埋める女」 城山羊の会@下北沢スズナリ

いつもあの手この手で攻めてくる、城山羊の会。今回も、出演者が観客を巻き込んで、同時目撃者にしてしまう。セリフの途中で暗転にしてしまう唐突さも、すごく効果的でした。こんなに遊び心がある劇団は、大好きです。

舞台98 「ゼブラ」 ONE8@東京芸術劇場シアターイースト

2018年12月17日 | そんなご舞台な2018年
舞台98 「ゼブラ」 ONE8@東京芸術劇場シアターイースト

死んだ母親(和田ひろこ)が、回想とはいえ、位牌のある方向の下手からインしてくる時の感動は、体が震えるものがありました。この傑作に会えた偶然を本当に喜びたいと思います。永遠の傑作だと思います。ただ、これをオリジナルメンバーでやるには、だんだん無理が出てきたのかもしれないと思いました。しかし、また違ったキャストで見る事が出来るという楽しみ喜びが、出てきたとも言えます。

舞台97「逢いにいくの、雨だけど」 iaku

2018年12月14日 | そんなご舞台な2018年
舞台97「逢いにいくの、雨だけど」 iaku@三鷹芸術文化センター星のホール

感動した。すごく・・・・私の今年のベスト3に入るだろう。すばらしい脚本と出演者達に拍手をおくりたいです。もっともっと多くの人に見てもらいたい。よい舞台は、くどくど感想を書かなくてもいい。じっとこの感動を自分の心の中にとめておきたい。

録画DVDで鑑賞 「ヤコブへの手紙」

2018年12月13日 | 映画の光と影
録画DVDで鑑賞 「ヤコブへの手紙」

フィンランド映画でした。終身刑の女が恩赦で釈放され、姉の所には行かずに、刑務所からの指示で、老神父の所に行き、住み込みでヤコブ神父のお手伝いをする事になる。そのお手伝いとは、盲目のヤコブ神父のために、ヤコブ神父宛てに来た身の上相談の手紙を読むというものだった・・・・そこから意外なストーリー展開がはじまる。おもしろい、おもしろい、心を撃たれるいい映画でした。