ぼやき、ぼやき、ぼやき(^^;)

元助監督で映画キャスティングマンの

「旅する力 深夜特急ノート」 沢木耕太郎 新潮文庫

2012年01月08日 | こらむ
「旅する力 深夜特急ノート」 沢木耕太郎 新潮文庫 2011年5月1日版

沢木耕太郎さんの(尊敬するあまり、とても呼び捨てにはできない)文章は、読んでいてとても癒される。なんでだろう?読んでいると、自分の分身が、自分から分離して読んでいる。それを本人が見ている。そんな感じがして、素直に客観的に読んでいられる。客観的だからといってのめり込めない訳ではなく、逆にどんどんストーリーの中に吸い寄せられていく。自分と、自分の分身が・・・
死ぬ前にもう一度読みたい本の第一候補は、「深夜特急」かもしれない。この本には残念ながら、40代後半に出会ってしまった・・・もっと若い時に読みたかった。この本にも書かれているように、旅は26才までにした方がいいと・・・実は私も26才の頃、本当に旅に出ていた。旅と言っても「仕事上の旅」だが、日本と国交が回復した直後の中国に、「天平の甍」という映画の撮影の助監督として参加していた。強烈な体験や思い出があり、26才で行けた事を、熊井啓監督に本当に感謝している。
この本に書かれているように、「年齢に応じた旅」があるのは確かだろう。私も、もう20代や30代の頃のような旅は出来ない。風呂やトイレもないような所には泊まれない。しかたがない。でも、あの頃にはなかった「経験」は積んだつもりだ。この本を読んで、また旅をしたくなった・・・まず、録画した「劇的深夜特急」を見て、大沢たかおになったつもりで、仮想の旅に出てみよう。

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