熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
送料込み5000円。
残部僅少ながら、注文受付中。

俊則筆の駒

2009-03-23 20:51:06 | 作品
3月23日(月)、寒冷、晴れのち曇。

写真は「俊則筆」の駒。
塩井さんから電話でokの連絡をいただきました。

漆の書き駒です。「双玉」、そのどちらにも銘が入っています。
初めて見る書体は、特に歩兵の「兵」が特徴的です。
作者「俊則」は、どのような人かは分かりません。

材は「ツゲ・柾目」。
産地は分かりませんが、年輪が非常に細かく、印象として島ツゲに似ています。
この点、兼成の「水無瀬駒」の材とは、やや異なる材です。

駒形は肉厚。「玉将」の駒尻は11ミリあります。
縦に細長く、中でも「香車」と「歩兵」のノッポな形が特徴的で、「香車」は「金将」と同じくらいの高さ、「歩兵」は「桂馬」より少し高いほどです。

漆の状態は見てのとおりです。
かなり使われたと見え、裏側の文字の漆は、辛うじてわずかに残っているものが多く、2枚の「玉将」を除いて、表側文字は中央やや上部のところが剥落欠損しているものが多いです。
これは、指先の爪がくり返し当たったのが直接原因ではありますが、仔細に見れば目止めが厚塗りされていることが分かり、それが剥落しやすい要因にもなっています。

漆の状態に較べて、土台である木地の損傷はほとんど無いので、そう古い駒だという印象は持てない見方もあると思うのですが、様式など小生のの印象では、江戸時代半ばか、それ以前に作られた駒である可能性もあると思っています。
いずれにしても、小生初見の駒であり、かなり手馴れた人の作であることは間違いありません。


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