中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

武の井

2023-08-04 20:28:00 | お酒の話(県外)
 演奏会後の差し入れに、皆さんが気を遣って、良い酒をくれます。本当に嬉しい。…形だけ「お気遣いなくお願いします」と言っておきます。

 花束とか菓子折りとかも、もちろんいただいたら嬉しいのですが、豚に真珠とはよく言ったものです。頂くことに感謝はあるのですが、その価値がわからないと、喜びようもない。

 酒以外に関心が持てないという、私の欠陥が皆さんに理解されているということなのかも知れません。

 ということで、川崎公演の時に山梨からわざわざ聴きにきてくれた大学時代の友人から頂いた酒です。山梨県は北杜市の「武の井」。

 余談ですが、世の中にたくさんある「〜の井」という日本酒は、当たり外れが大きい。基本的に、古くからあるものなので、クセが強いものは、そのパンチ力がすごい。旅先で何度もノックアウトされたことがあります。

 しかし一方で、山形の「若乃井」は本当に素晴らしいので、まだまだ私の知らない「〜の井」の世界は裾野が広いのだと思います。

 そこでこの「武の井」。先入観を排して飲んでみましょう。

 …今までに出会ったことのない、独特の香り。これは酵母によるものだと思いますが、穏やかな中に、ちょっと「とっつきにくさ」のようなものがある。しかし、飲みすすめると、口に馴染んで「もう少し味わってみたい」感じがしてくる。

 人に喩えてみれば…物腰が硬めで、とっつきにくそうな印象の人が、話してみると柔らかな良い人で、朴訥な中にも知性と教養が感じられる。気づいてみると、別れ難い親しみを覚えるような。

 山梨にそういう人が多いのかどうかは知りませんが、そんなことを思わせる酒で、充分に楽しみました。「〜の井」にも、こんな奥ゆかしい人がいたとは。

 「八ヶ岳の水で仕込んだ」と書いてありました。それだけでも、心なしか涼しい感じがする。

 夏休みがないこの夏。気持ちだけでも、避暑を堪能しました。

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